姿勢から健康へ――地域に「健康長寿の道」を広げる実践者
有限会社ディーシャイン 代表取締役 立花あき 氏 取締役 立花 守 氏
「姿勢が変わるだけで、人生が変わる人がいる。」
そう静かに、しかし確信をもって語るのが、有限会社ディーシャイン代表の立花あき氏です。姿勢調整を軸に、約30年にわたり地域の健康を支え続けてきた同社は、単なる“治療院”の枠を超え、「健康長寿」という未来を見据えたケアを実践しています。本記事では、姿勢調整という仕事に人生を捧げてきた立花夫妻に、これまでの歩みと、これから描く未来について話を伺いました。
姿勢調整で、健康の土台を整える
――現在の事業内容について教えてください。
私たちは、姿勢調整を中心としたケアを行う治療院を運営しています。健康の土台は「姿勢」にあると考えていて、姿勢が整うことで、痛みの改善だけでなく、身体が本来持っている力を取り戻すことができます。腰痛や肩こりといった慢性的な不調はもちろん、交通事故後の後遺症、神経痛、スポーツパフォーマンスの低下など、「病院や整体に通っても良くならなかった」と悩まれている方が多く来院されます。
私たちが目指しているのは、その場しのぎではなく、「この先も自分の足で元気に生きられる身体」をつくること。そのために、姿勢という“根っこ”から身体を整えています。
世界水準の学びが、揺るぎない技術をつくる
――業界内での強みはどこにありますか。
一番は、学術的な裏付けを大切にしていることですね。日本では、姿勢調整やカイロプラクティックはまだ国家資格ではありません。だからこそ「本物を学びたい」という思いで、
オーストラリアの大学でカイロプラクティック学科の健康科学士と、韓国の大学で理学修士号を取得しました。身体を「感覚」だけでなく、医学的・科学的に理解した上で施術を行う。その姿勢は、今も変わりません。
技術は、磨き続けなければ衰えます。だからこそ、30年経った今も学び続け、最新の知識と技術を現場に落とし込んでいます。
一人の母として、身体の変化に救われた日
――経営者になられたきっかけを教えてください。
原点は、私自身の身体の変化にありました。妊娠中、ひどい腰痛と肩こりに悩まされていた私は、「できるだけ薬に頼りたくない」という思いから、主人の友人が行っていた姿勢調整を紹介してもらいました。施術では腰に一切触れず、首だけを調整します。それにもかかわらず、終わった後には腰も肩も驚くほど楽になっていたんです。
「姿勢が変わるだけで、こんなに身体が変わるんだ」
そのときの衝撃は、今でも忘れられません。当時の私は看護師でしたが、看護の現場では学んだことのない視点でした。毎年ぎっくり腰を繰り返していた主人も一緒に施術を受けるようになり、少しずつ改善していきました。そして、「夫婦で学んでみませんか」と勧めていただいたことをきっかけに、本格的に学び始めたんです。
会社としては25年、学び始めてからは約30年になります。サラリーマン家庭だった私たちにとって、夫婦で経営に挑戦する毎日は決して平坦ではありませんでした。日本ではまだ前例の少ない分野で、目に見えない“健康”という価値を届け続けるのは簡単なことではありません。それでも歩みを止めなかったのは、目の前の人の力になりたいという思いがあったからです。
涙とともに戻ってきた、人生の希望
――印象に残っている患者さんはいますか。
特に印象に残っているのは、交通事故の後遺症で6年間も不調に苦しんでいた40代の女性です。
首や肩、腰の痛みが続き、マッサージや整体、整骨院、病院など、考えられることはすべて試されたそうです。それでも改善せず、「もう良くならないかもしれない」と半ば諦めた状態で来院されました。
お話を伺う中で分かったのは、これまで受けてきたのは痛みを和らげるための対処が中心で、身体の歪みそのものを整える施術ではなかったということです。
そこで私は、「歪みを整えれば、身体は変わりますよ」とお伝えし、姿勢調整を行いました。すると初回の施術後から変化を実感され、その場で涙を流されたんです。
その後も継続して通っていただき、約3か月でほぼ元の状態まで回復されました。
「この6年間は何だったんでしょうね……」
そう話されたときの表情が、今でも忘れられません。
身体の痛みが和らぐことはもちろん大切です。ただ、それ以上に、諦めていた方が再び前向きな気持ちを取り戻していく姿を見るたびに、この仕事の意味を実感します。私にとって姿勢調整は、痛みを改善するだけでなく、その人の人生に希望を届ける仕事なのです。
姿勢調整が当たり前になる未来へ
――今後の展望について教えてください。
姿勢調整によって、スポーツのパフォーマンスが向上したり、リハビリの効果が高まったりすることがあります。なかには、「できない」と諦めていた夢に再挑戦できるようになる方もいます。30年近くこの仕事を続ける中で、姿勢調整には人生の土台を変える力があると確信するようになりました。
だからこそ、まだ姿勢調整という選択肢が十分に届いていない地域にも、その価値を広げていきたいと考えています。将来的には、10年後を目標に岡山市への出店も視野に入れています。
また、同じ志を持って施術に向き合う仲間を増やしていくことも大切な目標です。地域の方が「どこに相談すればいいか分からない」と悩むことのないよう、確かな技術と知識を持った施術者を育てていきたいと思っています。
開業を目指す方への支援にも力を入れていく予定です。理論や技術を学べる学校はすでにありますので、私たちは現場で培ってきた経験を伝えながら、地域で長く信頼される施術者を育てていきたいですね。
仕事が、人生の原動力
――休日はどのように過ごされていますか。
夫婦そろって映画鑑賞を楽しんでいます。時間ができると近くの映画館へ足を運びますね。ジャンルにこだわりはなく、そのとき気になった作品を観ることが多いです。
また、女性起業家を支援する団体で、マルシェやイベントの企画にも携わっています。仕事とは少し違う立場ではありますが、多くの方と出会い、新しい挑戦を応援できる時間は私にとって大きな刺激になっています。
人と人がつながり、笑顔が生まれていく瞬間に立ち会えることが何よりの喜びです。そうした出会いや交流から私自身も多くの力をもらっています。
これからも姿勢調整を通じて、一人でも多くの方が心身ともに健やかな毎日を送れるよう支えていきたいですね。