発酵文化を“贈り物”にする――会社員×診断士が承継した「IROMISO」の挑戦
株式会社so-me 代表取締役 佐藤 史善 氏
会社員として働きながら中小企業診断士として企業支援も行い、1年半前にはギフト味噌汁「IROMISO」をスモールM&Aで承継した佐藤史善さん。現場を持つことで支援の言葉に実感が宿り、同時に日本の発酵文化の奥深さにも改めて気づかされたといいます。見た目にも美しい味噌玉を“贈り物の体験”として届ける、その現在地とこれからを伺いました。
発酵の贈り物を、いまの形に。日常の一杯を、特別な体験へつなげる事業
――事業内容について教えてください。
ギフト向けの味噌汁、いわゆる味噌玉をEC中心に届けています。引き継いだサイトや商品をベースに、ページや運営を少しずつ整えながら続けています。目標は「味噌玉のGODIVA」のような存在です。
味噌汁は日常食ですが、ギフトになるとワクワク感やデザイン性が価値になります。発酵食品の良さを知るきっかけとして、健康を考える入口にもなれたらうれしいですね。
強みはやはり見た目の美しさです。一方で事業はまだ赤字で、販促も含めて何をするにもお金がかかる。攻めたいのに躊躇してしまう自分と向き合っているのが、いまのリアルです。
会社員から承継へ――挑戦を選んだ背景にあったのは「日本企業の底力」
――会社員を続けながら経営にも挑戦することになったのは、どのような理由でしょうか。
ミッドライフ・クライシスのような感覚があり、この先も会社員のままでいいのかと考え始めました。診断士として支援をする中で、経営者の方々のパワフルさや、日本の中小企業の底力に刺激を受けたのも大きいです。
加えて、事業承継が社会課題になり、国の支援も整ってスモールM&Aが会社員にも現実的になってきました。だからこそ、自分で経営してみないと本当の意味で助言はできないと思っていたのです。
発酵食品に関われる案件を探してIROMISOに出会い、半年ほど交渉して承継しました。実際にやってみると、資金繰りの厳しさなど学びが山ほどありますし、その実体験をセミナーで話せるようにもなりました。
――仕事で大事にしていることは何ですか。
とくに大事にしているのは「動いて、人と交わること」です。自分にない考えの人と会うことで視点が増え、思いもよらない結果が生まれる。さらに、会社員の中高年をもっと元気にしたいという気持ちもあります。
こんな働き方もある、と示していきたい気持ちもありますね。現在は、執筆にも挑戦していて、経験を言語化しながら、一つひとつの仕事を成功させて次の挑戦につなげたいと思っています。
一人で抱えない。顔が見える関係が、ものづくりを支える
――組織づくりやコミュニケーションの工夫について教えてください。
一人で運営している会社ではありますが、製造などは委託先の方々に支えていただいています。以前は複数人の体制もありましたが、コストも踏まえてやり方を見直しました。
やり取りがメールやSNS中心になりがちなので、できるだけ顔を合わせて話すことを意識しています。味噌玉づくり教室を一緒に企画したり、お店向けの特別商品を共同で作ったり、同じ船に乗る仲間として関係を深めたいからです。
――リフレッシュのためにしていることは何ですか。
リフレッシュのために、ギターを弾いています。20年以上続けている趣味ですね。昔はヘビーメタルが好きでしたが、今は一人で弾けるボサノバやジャズ、スパニッシュなども楽しんでいます。
音に集中すると頭が切り替わり、また次の一手を考えられる。そんな循環を作りながら、IROMISOを次のステージへ進めていきたいと思っています。