地域に根ざし、車と人に誠実であり続ける。
株式会社総合商会 代表取締役 星野 十志和氏
北海道釧路市で自動車販売・整備を中心に事業を展開する株式会社総合商会。創業から30年以上、地域の足を支え続けてきた同社は、今まさに次のステージを模索している。二代目として経営を引き継いだ星野代表に、これまでの歩みと現在、そして未来への思いを伺った。
目次
「安くて安心」な軽自動車を武器に。他店が断る修理も引き受ける現場の底力
――現在の事業内容と、この地で30年続いてきた特徴について教えてください。
事業のメインは中古軽自動車の販売です。平成5年に「総合商会」としてスタートしましたが、その前を含めると父の代から約40年近い歴史があります。
他社にない強みと言えるかはわかりませんが、意識しているのは「他店で断られてしまったような難しいケース」にも対応することです。例えば、車検時に「ここに穴が開いているから通せない」と言われたような古い車でも、自社で直接修理して車検を通せるようにします。その実績をYouTubeなどで発信しているのですが、それを見て遠方からお問い合わせいただくことも増えました。
――経営において、星野代表が最も大切にされている価値観は何でしょうか。
何よりも「謙虚さと誠実さ」ですね。商売というのは、どこまで行ってもお客様あってのものです。一見して「扱いにくそうだな」と感じるお客様がいたとしても、見た目や第一印象で判断してはいけない。真剣に向き合い、話をしっかり聞くことを徹底しています。
そして挨拶一つをとっても、暗いよりは明るく、気持ちよく、おもてなしの心は忘れないようにしています。挨拶だけで会社のイメージはガラッと変わりますからね。
変えた心境。親孝行の想いで継承した二代目の決意
――家業を継ぐことになったきっかけや、これまでのキャリアについてお聞かせください。
正直に言えば、若い頃は「絶対に親の跡を継ぎたい」と思っていたわけではありません。高校卒業後に愛知の専門学校で整備士資格を取りましたが、当時は車がそれほど好きでもなく、地元のディーラーで働いていた時も、仕事の大変さに逃げ出したい気持ちになったこともありました。
大きな転機となったのは、30代の頃に地元を離れて札幌で過ごした8年間です。派遣社員として引っ越し屋や大型車両の整備など、本当にいろいろな仕事を経験しました。そこで厳しく叱られたりする中で、ふと「父はどれほど苦労してきたのか」という想いが湧いてきたんです。
私が札幌へ行くと告げた時、父は何も言いませんでしたが、内心は残念がっていたと後から聞きました。親孝行をしたいという思いがあり、地元に戻ってお手伝いをしようと決めた最大のきっかけです。
スタッフと共に成長し続ける環境づくり
――組織運営や、共に働くスタッフとの関係性で工夫されていることはありますか。
現在は私と、15年来の付き合いになる工場長、そして事務を支えてくれている妻を中心とした少数精鋭の体制です。スタッフに対しては、あまりうるさく言わないようにしています。自主性を重んじたいからです。
「100年企業」への夢。三代目へとバトンを繋ぐために、今できること
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
まずは、工場の設備をもっと充実させたいですね。リフトを増やして、さらに多くの仕事を効率よく回せるようにしたい。そして、中古車販売の台数も今の月間15台前後から、安定して20台以上売れるような体制に持っていくのが当面の目標です。
個人的な夢としては、この会社を「三代、50年、100年」と続く企業にしていきたいという思いがあります。私には今4歳になる息子がいますが、もし将来、彼が「ここで働きたい」と言ってくれるなら、こんなに面白いことはありません。
趣味の時間も「健康」あってこそ。全力で走り続けるためのリフレッシュ
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
かなり多趣味ですが、夏場は1人でオートバイに乗って走るのが好きですね。あとは、意外かもしれませんが最近は昆虫飼育にもハマっています。会社の敷地内で見つけたミヤマクワガタをきっかけに、幼虫から育てているんです。その成長を見守るのが、仕事の合間の良い息抜きになっています。
でも、結局のところ「一番の趣味は健康でいること」かもしれません。病気をせず、元気に働けて、子供と遊ぶ時間がある。それが何よりの幸せです。