アパレルの企画・生産をAIで自動化――“紙”から変えるファッションテックの挑戦

株式会社Own B CEO 金 知賢氏

株式会社Own Bは、アパレル業務を支えるAI基盤のソリューションを軸に、OEMやAIコンテンツ制作まで一気通貫で支援する企業です。代表の金知賢氏は、アパレルの現場で根強く残る紙中心の業務やミス・無駄の多さに課題意識を抱き、企画と生産を自動化するツール開発に着手しました。本記事では、事業の狙いと経営の考え方、今後の展望を伺います。

“紙”が残る現場を、AIで更新する

――現在の事業内容と、その特徴を教えてください。

当社は、2025年6月に創業したばかりの会社です。現在は、AIを活用してアパレルの企画と生産工程を自動化するツールを開発しています。まだテスト段階ですが、まもなく完了し、3月頃には正式にローンチできる見込みです。

そのほかにも、AIやCGを活用したデザイン制作、韓国と中国のOEMなども手がけています。

日本国内では、製造工程の自動化は他業界で進んでいますが、ファッション領域ではまだ十分とは言えません。そこに挑戦している点が、私たちの特徴だと考えています。

――事業を始めようと思った背景は何ですか?

アパレル業界は、仕様書や企画書を手書きで作成し、それを紙で保管する文化が根強く残っています。そのため、ミスや紛失が起きやすく、量産段階で問題が発覚して不要在庫になるケースも少なくありませんでした。

また、サンプル制作でも、本来不要なものまで作られてしまい、コスト面だけでなく環境負荷の面でも課題を感じていました。まずは「紙をなくす」こと、そして工場とのマッチングをより正確に行うことを実現したいと考え、起業に踏み切りました。

現場3年で確信した「変える必要性」

――業界のアナログさを強く感じたのは、どのような場面でしたか?

服飾学校に通っていた頃は、仕様書作成やデザイン検討もパソコンで行うのが当たり前でした。しかし、実際に現場に入ってみると、鉛筆で書いて消しゴムで消すといった作業が多く、そのギャップに衝撃を受けました。

今の世代は、まだデザイナーのポジションに就いていない人も多いですが、将来的には必ずデジタルが必要になると感じています。だからこそ、早い段階で仕組みを変える必要があると思いました。

――経営者として起業しようと決めたきっかけを教えてください。

起業自体は、以前から考えていました。学生時代にはブランドをやりたいと思い、スモールビジネスとして通販サイトを運営した経験もあります。

企画を考え、外注の方に依頼し、全体を設計していくプロセスが自分には向いていると感じていました。

現場では約3年働きましたが、その経験を通じて「この業界を別の形で支えたい」と思うようになり、経営者としての道を選びました。

「好き」を起点に、チームが伸びる設計

――判断の軸となる価値観や、組織づくりで意識していることは何ですか?

今はフルタイムの社員はいませんが、業務委託の方と一緒に仕事をしています。その中で大切にしているのは、「本当にやりたいことをやる」ことです。好きなことに取り組むからこそ、スキルも伸びますし、結果的にどこでも活躍できる力が身につくと考えています。

そのため、勉強会を開きながら、一緒に学び続けられる環境づくりを意識しています。

――主体性を引き出すために、仕事の任せ方で工夫している点はありますか?

業務をお願いする際は、その人がどれくらい興味を持っているかを重視しています。興味がなければ、どうしてもパフォーマンスは上がりません。

年齢層も幅広く、コミュニケーションの難しさを感じる場面もありますが、最終的には私が決断し、方向性を示す必要があります。そのため、言語化や伝え方を模索しながら、日々試行錯誤を重ねています。

多言語化と領域拡張で、グローバルへ

――アパレル業界は、今後どういうふうに変わっていくと思われますか? 

繊維商社やメーカーでも、これからはAIやデジタルツールを使っていかなければならない、という意識は確実に高まっています。ファッションテックのコミュニティでも、競合でありながら情報交換を行う動きがあり、業界全体が早い段階で変わっていくと感じています。

――今後の展望や、挑戦したいことを教えてください。

現在開発しているAIプロダクトは、多言語対応でのローンチを予定しています。日本だけでなく、韓国や中国、英語圏の方にも使ってもらえるサービスにしていきたいです。

また、今はアパレルに特化していますが、将来的にはアニメやVTuberのグッズなど、別の領域にも広げていきたいと考えています。

――グローバル展開に向けて、いま向き合っている課題は何でしょうか?

多言語対応を進める中で、意図しない意味で伝わってしまうリスクは常に意識しています。さらに、国ごとにマーケティングの考え方が異なる点も大きな課題です。日本で通用するやり方が、そのまま海外で通用するとは限りません。

その違いをどう乗り越えるかを、今まさに考え続けているところです。

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