地方×ITでポテンシャルを解き放つ――開発と人材育成を両輪にしたライムデザインラボの実践的経営

株式会社ライムデザインラボ 代表 古野 星斗氏

株式会社ライムデザインラボは、沖縄を拠点にソフトウェア開発とIT人材育成を軸とした事業を展開する企業です。DXが進んでいない地域や企業に向け、開発支援と教育の両面からポテンシャルを引き出すことを目指してきました。代表を務める古野氏は、地方とIT、そしてグローバルな人材の可能性に着目し、柔軟で小回りの利く組織づくりを進めています。本記事では、事業に込めた思想や経営者としての価値観、組織運営の工夫、そして今後の展望についてお話を伺いました。

地方のポテンシャルを最大化するIT事業のかたち

――事業内容を教えてください。

事業は大きく2つあります。1つがソフトウェアの受託開発、もう1つがスクール事業です。

開発では、企業から業務効率化やアプリケーション開発の相談を受け、要件整理から開発、納品までを行っています。スクール事業では、プログラミングやシステム開発を中心に、未経験からでもエンジニアとして副業や転職、起業を目指せるようなノウハウを伝えています。

開発と教育を両立している点が、当社の大きな特徴です。

――事業に込めているビジョンや原点となる思いは何でしょうか?

「地方のポテンシャルを最大化させる」という考えが根底にあります。

私は滋賀県出身で、東京で働いたあと、地方を訪れる機会も多くありました。その中で、ITやDXが進んでおらず、本来の力を発揮できていない場所や人が多いと感じたんです。

ITをうまく活用できれば、環境に左右されずに価値を生み出せる。そうした思いから、地方とITを結びつける事業を形にしてきました。

沖縄を拠点に選んだ理由と、グローバルな視点

――沖縄を拠点にすると決めた背景を教えてください。

沖縄は日本の中でもポテンシャルが非常に高い場所だと感じています。

コロナ禍をきっかけにリモートワークが広がり、どこでも働ける環境が整ってきました。その流れの中で、仕事の拠点として沖縄を選ぶ人は今後さらに増えると考えています。

実際に移住してみると、魅力的なのに十分に活かされていない場所も多く、そこに大きな可能性を感じました。

――御社ならではの強みを教えてください。

まず1つは、会社規模がまだ小さいからこそのスピード感です。

新しい技術を取り入れたり、提案内容を柔軟に変えたり、細かな要望に対応したりといった点は、構造的に動きやすいと感じています。組織が大きくなるとどうしても意思決定に時間がかかりますが、その点では小回りが利くのが強みです。

もう1つは、人材の多様性です。

海外で働いた経験を持つメンバーや、海外在住でリモート参加している人もいますし、私自身も海外での就業経験があります。さらに、カザフスタン出身の妻も一緒に働いており、日常的に多様な価値観に触れる環境ができています。

地方の活性化にどう直結するかは模索中ですが、グローバルな視点や異なるバックグラウンドを受け入れる姿勢は、当社ならではの特徴であり、今後の事業を考える上でも重要な要素だと捉えています。

冒険を選び続けたキャリアと、経営者としての価値観

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

もともとやりたい構想がいくつもあり、それを実現するには会社員という立場では難しいと感じていました。結果的に、自分で会社をやるしかなかったという感覚が近いです。

経営そのものが目的だったわけではなく、実現したいことを形にする手段として選んだ道でした。

――判断の軸となっている価値観や信条は何でしょうか?

新しいことに挑戦し続ける姿勢を大切にしています。

毎年、自分の価値観を言語化する取り組みをしているのですが、その中でも「冒険」という言葉が常に上位に出てきます。

未知のものを頭ごなしに否定せず、まずは受け入れて試してみる。その積み重ねが、これまでの選択にも表れていると思います。

――これまでのキャリアの中でターニングポイントはありましたか?

22、23歳の頃に友人と起業した経験が大きな転機でした。金融商品のトレード事業に挑戦しましたが、結果的に失敗し、大きな負債を抱えることになりました。

ただ、その経験があったからこそ、「自分で生きていく力」を本気で身につけようと考えるようになり、今につながっていると感じています。

裁量と信頼でつくる組織、そしてこれからの挑戦

――主体性を引き出すために意識している組織づくりとは?

基本的には裁量を大きく渡し、失敗も前提として受け止める姿勢を取っています。

スクール事業で培ったノウハウは講座として共有し、動画を使ってマインドセットから実務まで伝えています。

仕事は厳しく向き合いながらも、楽しく仲良く進める。そのバランスが、長く一緒に働ける関係につながっていると感じています。

――今後の展望や挑戦していきたいことを教えてください。

今後はソフトウェア開発と教育事業にさらに注力していきます。加えて、BtoB向けに企業が内製でソフトウェアを開発できる環境づくりも支援していきたいです。

これまでのノウハウと生成AIを組み合わせることで、開発や人材育成の可能性は広がっています。そのシナジーを形にしていくことが、これからの挑戦です。

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