「媚びない、汚い事はしない、きっちりやる」――不動産40年と保険17年を積み重ねてきた流儀とは
INTER株式会社 代表取締役 寺田敏彦氏
INTER株式会社は、不動産の買取・売買(再販)と、損害保険の代理業を手がけています。保険の代理業も17年続けており、仕事の進め方には一貫した考え方があります。
本記事では、寺田敏彦さんに、事業の現状やこれまでの歩み、少人数での運営の工夫、そして今後の捉え方やリフレッシュ方法までお話をうかがいました。
会社は新しくても、やっていることは今迄と同じ
――現在の会社の事業内容と、今の会社の位置づけについて教えてください。
やっていること自体は、ずっと変わっていません。不動産の買取と売買が中心です。マンションや戸建てであれば、買い取ったあとにリフォームをして再販します。土地であれば造成して販売します。それに加えて、損害保険の代理業も行っていて、主に火災保険を扱っています。保険の代理業は17年続けており、これまで顧客から一度もクレームを受けていません。
昨年の6月に株式会社を立ち上げましたが、会社の形が変わっただけで、中身はこれまでと同じです。有限会社でやっていた頃から、仕事のやり方や考え方が変わったという感覚はありません。法人化したからといって、新しい事業を始めたり、急に規模を広げたりするつもりもありません。
不動産については40年やってきましたので、今さら大きくやり方を変える必要も感じていません。これまで積み重ねてきたやり方を、そのまま続けているという位置づけです。
――会社として掲げている理念やビジョンはありますか。
正直に言うと、特別に掲げている理念やビジョンはありません。よく聞かれる質問ではありますが、「これからこういう会社にしたい」という理想像を描いているわけではないです。
不動産も保険も、今までやってきたことを、これからも同じようにやっていくだけだと思っています。人をたくさん入れて会社を大きくしたいとか、売上を何倍にもしたいとか、そういう考えはありません。無理をして何かを広げる必要は感じていません。
むしろ、余計なことをしないで、これまで通り淡々と仕事を続けることのほうが大事だと思っています。
人に指示されるより、自分でやる事を選んだ
――これまでのキャリアについて教えてください。
不動産業界に入ったのは26歳のときです。最初に入った会社には10年ほどいました。最初の2年くらいは営業として現場に出て、その後は営業管理の仕事を8年ほど担当しました。
営業管理といっても、現場から完全に離れるわけではなく、複数の課をまとめながら、営業の動きを見て、必要に応じてお客さんへの説明にも入るような役割でした。広告を出してお客さんを集め、不動産の仲介をする。その一連の流れを管理する仕事です。
その後、輸入住宅を建てて販売する会社に移り、土地の仕入れや建売の仕事を5年ほど経験しました。ただ、その会社は最終的に潰れてしまい、それをきっかけに自分でやる道を選びました。最初は有限会社としてスタートし、昨年株式会社にしたという流れです。
――経営者になったきっかけや、大事にしてきた考え方は何ですか。
一番大きいのは、人に指示されるのが好きじゃないということです。会社に勤めていた時期もありましたが、基本的に自分で判断して、自分で責任を取るほうが性に合っていました。
年令や地位に関係なく理不尽な相手には年上だからと媚びたりせず、年下だからと偉そうにしない事。年令は只の数字です。
自分がされて嫌な事は相手にはしない事。
自分に自信を持つ事。
誰かに管理されながら働くよりも、自分で決めて、自分で動く。そのほうが自分に合っていると思っています。
人を増やさないという選択
――現在の組織体制や、人との関わり方について教えてください。
今は基本的に一人でやっています。これから先、人をどんどん増やしていこうという考えはありません。大きな会社にしたいという気持ちもありません。
ただ、年下の後輩は多くいますので、その中から、タイミングが合えば1人か2人、一緒にやる人が出てくればいいかなとは思っています。とはいえ、誰でもいいわけではありません。
仕事ができない人を入れて、給料だけ払う人はいません。結局、お互いに負担が大きくなってしまいます。だからこそ、組織を大きくすることよりも、無理のない関係性を大事にしています。
――一緒に働くとしたら、どんな人が合うと思いますか。
不動産の場合、仕入れや業者販売ができる人でないと厳しいです。仕入れは一番大変な部分ですし、簡単にできることではありません。
採算の合う価格で仕入れる必要がありますが、それは簡単な話ではありません。だからこそ、誰でもできる仕事ではないと思っています。自分で仕事を作れる人でなければ、一緒にはやれないです。
広げない、急がない、それでも続いていく
――今後の展望や、事業として考えていることはありますか。
今後についても、基本的には今までと同じです。不動産の買取と売買を続けていき、数が増えればそれでいいと思っています。急に増やせるものではありませんし、無理に増やそうとも思っていません。
新しい挑戦と言われても、不動産で何を指すのか。エリアについても、相場がわかる範囲に限っています。バブルも経験しましたが、利益を大きく上げ散財した経営者を多く見てきました。崩壊後、ほとんどの経営者が姿を消しました。無理に広げてしまうと、判断を誤るリスクも高くなります。
欲しいものは自分の範囲で手に入れ、やりたい事もやったので、無理に稼がなければいけない理由もありません。だからこそ、今まで通り、落ち着いたペースで続けていきたいと思っています。
将来のことでいうと、子どもはいますが、会社を継ぐかどうかはわかりません。むしろ、後輩に譲るほうが現実的だと思っています。
不動産は、一人でやっている人も多い業界ですし、会社という形に強くこだわっているわけではありません。無理に残そうとするより、自然な形で引き継げればそれでいいと考えています。
仕事の外にある、自然な時間
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
大型バイクで峠を攻めたり、ゴルフをしたりしています。ゴルフは週1回で、もう何年も続けて気軽にラウンドしています。1度アンダーで回った事もあります。
あとは、週に2〜3回、街に飲みに行きます。無理をせず、気の合う人と飲む時間を大切にしています。仕事と同じで、無理をしないことを意識しています。
――経営以外で好きなことや、続けていることはありますか。
車やバイクのカスタムをするのが好きです。ファッションも好きですし、筋トレは週2回15年以上続けています。
料理もします。家で食べるときは、唐揚げでもハンバーグでも、自分で作ります。
時間があるからこそ、そういうことをする余裕がありますし、苦ではありません。特別な趣味というほどではありませんが、日常の中で自然に続けています。