不動産・建築業界の「伝わらない」を変える――広告制作で満足度を高める挑戦
株式会社カプテリ 取締役 清水 淳平氏
不動産・建築業界に特化した広告素材制作を手がける株式会社カプテリ。CGパースやVR、竣工写真の撮影、各種図面のトレース、ホームページやパンフレットのデザイン、集客支援まで幅広く対応し、クオリティとコストの両立を追求しています。今回は、同社で事業を推進する清水淳平氏に、創業の背景や事業への想い、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。
不動産・建築業界の「負」を変える広告制作
――これまでのご経歴と、現在の事業内容について教えてください。
私のキャリアの原点は、建築学科時代にあります。約10年前、当時新設されたばかりの「建築情報研究室」に在籍。現在注目を集めている「AI×建築」の先駆けともいえる環境で、CGパースの制作やAI系ソフトの活用、GIS(地理情報システム)による解析に没頭しました。デジタル技術がいかに建築の価値を可視化し、精度を高めるか。その可能性に触れたことが、現在の事業のルーツとなっています。
新卒で電鉄系デベロッパーに入社し、パースを発注する立場に回ったことで、業界の構造的な課題を突きつけられました。膨大な準備資料、繰り返される細かな調整、そして設計意図がなかなか反映されないもどかしさ。何より驚いたのは、高額なコストゆえに、渾身の1カットを依頼するのが精一杯という現状でした。
「もっと使い勝手がよく、本質を形にできる仕組みはないのか」。
その後のリクルートへの転身、不動産ポータルサイト『SUUMO』での広告支援を通じ、より深く業界構造の課題を痛感することになります。「もっと効率的に、もっと本質的な魅力を伝える手段があるはずだ」——。この確信が、起業への強い原動力となりました。
現在は、これまでの経験を統合し、不動産・建築業界に特化した広告素材制作事業を展開しています。 主力である高精細なCGパース制作をはじめ、竣工写真撮影、図面トレース、チラシ・カタログ・Webサイトのデザイン、さらには設計案件や注文住宅の集客支援まで。
「模型と設計以外、すべて」。
業界を知り尽くしたプロフェッショナルとして、単なる素材制作に留まらず、物件の価値を最大化するクリエイティブをワンストップで提供しています。
――事業を通じて、どのような価値を提供したいとお考えですか。
【不動産・建築業界の「負」を、クリエイティブで解消する】
私たちの根底にあるのは、この業界に根強く残る「情報の不自由さ」という負の側面を変えていきたいという強い想いです。私たちは直接売買や契約を行う立場ではありません。しかし、広告やビジュアルという「情報の入り口」を整えることで、業界全体の体験価値を劇的にアップデートできると確信しています。
これまでの業界では、高品質なパースは「高額で納期がかかるもの」という常識がありました。そのため、限られた予算の中で「渾身の1カット」に頼らざるを得ないという制約があったのです。 当社では、最短2〜4日という圧倒的なスピード対応と、CADデータ不要(PDFやスケッチでOK、平面図のみでもOKなど)という手軽さ、そして対面・オンライン・電話・メールや各種SNSなど柔軟なコミュニケーションを徹底しています。 コストを抑えながらも妥協のないクオリティを提供することで、クライアント企業様はより多くの視点、より多くの制作物を用意できるようになります。この「選択肢の広がり」こそが、発注担当者様の満足度、ひいてはプロジェクトの成功に直結すると考えています。
そしてその先には、一般のお客様(買い手)の笑顔があります。 内観の一部だけでなく、多様なアングルやVR、動画などのビジュアルが充実することで、お客様は「ここに住む自分」をより具体的に、鮮明にイメージできるようになります。情報の解像度が上がることは、検討段階での不安を払拭し、深い納得感と安心感に繋がります。
「高品質な制作物を、誰もが手軽に活用できる適正価格で」。 私たちカプテリが不動産・建築プロモーションのインフラとなることで、企業様も、エンドユーザー様も、そして業界全体もがより豊かになる。そんな「三方良し」の市場環境を創り上げていくことが、私たちの使命です。
シェアを高め、業界の「裏側」から価値を広げる
――今後の展望についてお聞かせください。
私たちはまだ成長過程にあるベンチャー企業です。だからこそ、まずは足元を固め、不動産・建築という専門領域において圧倒的なシェアを築くことに集中したいと考えています。 パースやVR、ドローン撮影から、広告制作、さらには集客支援まで。私たちが提供するソリューションの幅広さは、すべて「現場の不便」を解消するために積み上げてきたものです。この領域において「カプテリに頼めば間違いない」と言っていただけるよう、一社一社の企業様と向き合い、コスト・品質・スピードの限界を常に研究・更新し続けていきます。
シェアの拡大は、単なる数字の積み上げではありません。それが実現した先にあるのは、住宅、オフィス、ホテル、商業施設……あらゆる空間を検討するカスタマーの手元に、常に「分かりやすく、高精度な情報」が届いている世界です。 「この会社の資料はイメージが湧きやすい」「この物件は判断がしやすい」。 カスタマーがそう感じる瞬間の裏側には、常に私たちのクリエイティブがある。そんな状態を当たり前にしていきたいのです。情報の質が上がることで、ミスマッチのない幸福な意思決定の指針を社会に提供できると信じています。
私たちの立ち位置は、あくまで「黒子」です。主役はあくまで、素晴らしい空間を創り出す企業様と、そこで人生を謳歌するカスタマーの方々。 私たちは、制作とテクノロジーの力でその間を繋ぎ、企業様の成長と満足度を支え続ける。業界のインフラとして欠かせない存在になれるよう、一歩ずつ、しかし確実に応援してくださるファンを増やしていきたいと考えています。
力を発揮できる環境づくりと、求める人材像
――社内のコミュニケーションや組織づくりで意識していることは何でしょうか。
カプテリには、不動産・建築業界だけでなく、異業界で圧倒的な成果を出してきた多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。私たちが組織づくりで最も大切にしているのは、個々が100%のパフォーマンスを発揮できる「土壌」を整えることです。
服装や髪型に細かな規定はありません。形式に縛られず、自分らしく、最もクリエイティブになれるスタイルを尊重しています。ただし、自由の裏側にはプロとしての厳しい自覚が求められます。お客様の大切な情報を扱う以上、情報管理や秘密保持については極めて厳格。この「圧倒的な自由」と「プロとしての規律」のバランスこそが、私たちのカルチャーです。
――採用において大切にしていることを教えてください。
弊社はまだ3期目の若い組織です。真っさらなキャンバスに地図を描いていくフェーズだからこそ、綺麗ごとだけではない「やり抜く力」を何よりも重視しています。 もちろん、論理的な思考力や専門スキルは大切です。しかし、予期せぬ困難に直面したとき、それを成長の糧として前向きに捉え、粘り強く完遂できるか。一見すると精神論のように聞こえるかもしれませんが、この「継続する力」こそが、会社と個人が共に化けるための絶対条件だと信じています。
私たちが扱うのは、不動産・建築という極めて高額で、かつ信頼が重要視される領域の広告素材です。わずかな情報の誤りが、お客様にとって、そしてエンドユーザー様にとって取り返しのつかない事態を招きかねません。 だからこそ、個々のスタイルや裁量を尊重する自由な社風の一方で、成果物に対しては「1pxのズレも許さない」ほどの丁寧さと正確さを求めています。「自由に働きたい、けれどプロとしての仕事には一切妥協したくない」。そんな二律背反するプロ意識を持つ方と、切磋琢磨していきたいと考えています。
採用は、私たちが選ぶ場であると同時に、候補者の方が「自分の人生を預けるに値するか」を私たちに問う場でもあります。 スキルセットの合致以上に、私たちが描く「不動産・建築業界の負をクリエイティブで解消する」というビジョンに、心からワクワクしてもらえるか。お互いの価値観が共鳴し、背中を預け合えるパートナーになれるかどうかを、何よりも大切にしています。
不動産・建築業界の発展を、制作の力で支える
不動産や建築は、多くの人にとって人生の大きな決断に関わる領域です。その意思決定を支える広告やビジュアルが、分かりやすく、誠実であることは非常に重要です。
株式会社カプテリは、不動産・建築業界に特化することで専門性を高め、コストとクオリティを両立した制作体制を築いてきました。
企業様の満足度を高め、その先にいるエンドユーザーの安心や納得につなげていく――その「裏側」から業界を支える存在として、これからも挑戦を続けていきます。