イラストからホームページ制作へ――地元に寄り添い、伝わる形を磨き続けるスキマデザインの仕事

スキマデザイン株式会社 代表取締役 横内隆志氏

スキマデザイン株式会社は、イラスト制作を起点に事業を広げ、現在はホームページ制作を中心に、保守管理、写真撮影、各種デザイン制作まで幅広く手がけています。個人事業として長く積み重ねてきた経験を土台に、法人化して4期目を迎えた今も、規模の拡大を急ぐのではなく、一つひとつの仕事の質を磨くことを大切にしています。

本記事では、代表取締役の横内隆志氏に、事業の変遷や経営に至るまでの歩み、今後の考え方について伺いました。

イラストを原点に、ホームページ制作へ広がった仕事

――現在の事業内容について教えてください。

もともとはイラストの仕事がメインでした。ただ、関わらせていただいたお客様から「ホームページを作ってほしい」「デザインもお願いしたい」といったご相談をいただくことが増えて、少しずつ仕事の幅が広がっていきました。今は売上の規模でいうとホームページ制作が最も大きく、事業の中心になっています。

ホームページ制作では、作って終わりではなく、その後の保守管理にも力を入れています。SEO対策やコンサル業務も含めた伴走型の保守管理を提供していて、毎月アナリティクスの分析レポートをもとに打ち合わせをしながら、改善案や新しい取り組みについて一緒に考えています。お客様と並走しながらサイトを育てていくのが、今の主な仕事です。

イラストについては、似顔絵、キャラクターデザイン、商業デザイン用のイラストなど幅広く手がけています。中でも件数として多いのは似顔絵です。似顔絵以外のイラストは、AIの影響で減ってきている感覚もありますが、一度AIで試したもののしっくりこなかったので、やはりプロにお願いしたいというご依頼も増えていて、意外な流れも感じています。

また、写真撮影も仕事の一つとして確立してきました。もともとはホームページ制作の中で撮影を無料で行っていたのですが、最近は撮影だけのご依頼も増えていて、一つの業務として成り立ってきていると感じています。

飲食業から、自分の好きなことを仕事にするまで

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

私は20代の頃、ずっと飲食店で働いていました。子どもの頃から漫画やイラストを描くのが好きだったのですが、就職するときになぜか寿司屋に憧れて、銀座の寿司店で働いていたんです。

30歳くらいのときに、スペイン・マドリードでお店をやっている方から手伝ってほしいという話をいただいて、現地の日本食料理店で働くことになりました。そこで仕事をしながら、美術館を巡ったりしているうちに、「自分は子どもの頃から絵を描くのが好きだったのに、今はまったく違うことをしているな」と改めて感じたんです。そこから、イラストやデザインの仕事を生業にできないかと考えるようになりました。

とはいえ、最初からそれだけで生活するのは難しかったので、飲食の仕事も続けながら、少しずつイラストやデザインの仕事を受ける形で進めていきました。スペインでは4年ほど働き、その後日本に戻ってからは愛媛県松山市で、飲食の仕事をしながらデザインやイラストの仕事も並行して続けていました。今振り返ると、個人事業主時代がかなり長かったですね。

創業自体は2011年なので結構前なのですが、株式会社にしたのは最近で、今ちょうど4期目です。Webやホームページ、イラストの仕事である程度お客様がついてきたタイミングで法人化して、今は1人社長という形でやっています。

SNSが仕事の広がりをつくってくれた

――仕事を広げていく上で、転機になったことはありましたか。

大きかったのはFacebookですね。当時、ちょうどFacebookが広がり始めていた時期で、そこに自分のイラストや落書きのようなものを投稿していたんです。それを見た方からご依頼をいただいたり、その仕事をまた別の方が見て依頼してくださったりして、少しずつ広がっていきました。

ホームページ制作の依頼も、最初はイラストを頼んでくださった方から「ホームページは作れますか」と相談をいただいたのがきっかけでした。最初はまだそこまで高いレベルではなかったので、比較的安い金額でやらせていただきながら、自分も学ばせてもらう形でした。当時は友達のようなお客様が多かったので、一緒に成長させていただいた感覚があります。

個人事業を始めて最初の5年くらいは、それだけで十分に稼げる状態ではありませんでした。それでも続けていく中で、少しずつ仕事になっていったという感じです。

――ホームページ制作の技術はどのように身につけたのですか。

よく言われるのですが、イラストを描くこととホームページを作ることは別分野に見えると思います。ただ、私はもともとパソコンを触るのが好きだったので、その延長で独学してきました。

制作会社で勤めた経験はまったくなくて、最初はHTMLやCSSの初心者向けの本を買ってきて、本に書いてあるプログラムをそのまま全部手で入力していました。最初は内容がまったくわからなかったのですが、何度か繰り返していくうちに、なんとなく理解できるようになっていったんです。そうやって少しずつ身につけていきました。

今後は広げるより、今ある強みを磨いていきたい

――今後の展望について教えてください。

新しい挑戦をどんどん増やしていくというよりは、今ある仕事を磨いていきたいと考えています。規模を大きくしたいとか、社員数を増やしたいとか、大きな事務所を構えたいとか、そういう思いはあまりありません。

「スキマデザイン」という名前も、単なる“隙間”ではなく、もともと“わかりづらいものを整理して、図解したり、伝わる形にしたりする”という考え方をもとにしています。相手が伝えたいことを、よりわかりやすく人に届けられるようにお手伝いする。それをホームページやイラスト、チラシ、カタログなどを通じて実現していきたいと思っています。

今は広げることよりも、地元のお客様を大事にしながら、その方やその会社の強み、サービスの特徴をわかりやすく伝えられるよう、こちらの力をもっと磨いていきたいです。

――どのようなお客様からのご依頼が多いのでしょうか。

業種はかなり幅広いですね。清掃会社さんもありますし、ビジネス商材を扱っていてダウンロードできるホームページを作りたいというご相談もあります。ほかにも福祉関係、学校関係のブランディングサイトのご依頼など、本当にさまざまです。

個人の方からのご相談もありますし、会社として古くなったホームページを新しくしたいというケースもあります。最近は代理店経由でご依頼をいただくことも増えています。特定の業種に偏るというより、多種多様なお客様と関わらせていただいています。

仕事がある今だからこそ、経営をもっと学びたい

――現在感じている課題について教えてください。

ありがたいことに、今は仕事を多くいただいていて、時期によってはかなり集中することがあります。そのタイミングではディレクションが大変になることもありますし、必要に応じてパートナーの方にお願いしながら回しています。

ただ、それ以上に感じている課題は、経営そのものです。私は1人社長としてやっているので、税理士さんに相談しながら進めてはいるのですが、会社を運営していく上で必要な知識や考え方は、まだまだ足りていないと感じています。法人化して4期目なので、まだまだこれから学ばなければいけないことがたくさんあります。

個人事業主としてやっていた期間が長かった分、会社としての経営はまだ新しい感覚です。だからこそ、経営者としての意識や視点をもっと養っていかなければいけないと思っています。

仕事から離れる時間が、気持ちを整えてくれる

――休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

趣味は意外と多い方だと思います。以前は登山によく行っていました。今は少しさぼり気味ですが、家に猫が2匹いるので、猫と遊びながら家でのんびり過ごす時間がいちばんリフレッシュになっています。

飲み会は、コロナ以降かなり減りましたし、そのまま復活もしていません。なくても仕事は十分回るので、今はそれでいいかなと思っています。むしろ余計な出費が減って助かっている面もありますね。

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