大学生主体で未来を育む――「学びのバトン」をつなぐ学習塾の挑戦

FreeSpace 群馬大生が教える学習塾 代表 尾池佐介氏 次期代表 下松遥翔氏

大学生が主体となり運営する学習塾「FreeSpace 群馬大生が教える学習塾」は、群馬大学の学生のみで構成され、指導から経営までを一貫して担うユニークな団体です。2019年に創業され、現在は代々代表を引き継ぐ形で運営されています。今回は代表の尾池佐介氏と、次期代表の下松遥翔氏に、事業の特徴や理念、運営の工夫、そして今後の展望について伺いました。

大学生のみで運営する学習塾の独自性

――現在の事業内容について教えてください。

群馬大学生が教える学習塾という名前の通り、現場での指導から事業の経営までをすべて大学生のみで運営している団体です。2019年に群馬大学のOBが創業し、その後は学生が代々引き継ぐ形で現在まで続いています。特徴としては、講師を群馬大学生のみに限定している点で、他の学習塾にはない独自性だと考えています。

――他の学習塾と比べた強みはどのような点でしょうか。

大きな強みの一つは、完全1対1の個別指導を提供している点です。以前は1対2や1対3の形式でしたが、2025年4月にサービスをリニューアルし、必ずマンツーマンで指導を行う体制に変更しました。個別指導を掲げながら実際は複数指導というケースも多い中で、この点は明確な差別化になっています。

さらに、「プレゼン型三者面談」という取り組みも特徴です。従来の面談は講師が主導して説明する形式が一般的ですが、生徒自身が学習状況や将来の目標、そこに向けた計画を保護者にプレゼンテーションする形を採用しています。

生徒の主体性を引き出す独自の指導法

――プレゼン型者面談について詳しく教えてください。

生徒と事前に打ち合わせを重ね、面談当日は自分の言葉で学習計画や将来について話してもらう形式です。最初はハードルの高さもありましたが、フォーマットを整え、段階的に準備を進めることで取り組みやすくしてきました。

この取り組みによって、自分の考えを言葉にする力が育まれるだけでなく、保護者の理解や納得感も高まります。実際に、不登校気味だった生徒が自分の思いを伝えられるようになり、少しずつ学校に通えるようになったケースもありました。保護者からも、普段は話さない内容を共有してくれたという声をいただいています。

――指導理念について教えてください。

創業以来、「Futureを見据えた指導」という理念を掲げています。単に目の前の受験合格を目指すのではなく、勉強が将来にどうつながるのかという視点を大切にしています。特に、勉強が苦手だったり嫌いだったりする生徒に対して、その意味を考えるきっかけを提供したいと考えています。

経営に挑む大学生たちの価値観

――経営に携わることになったきっかけを教えてください。

高校時代に起業家の講演を聞いたことがきっかけで、経営に興味を持ちました。その後、起業家育成プログラムなどにも参加し、実践的に経営に関わりたいと考えるようになりました。この団体では実際に運営に携わることができるため、代表として取り組んできました。

――経営において大切にしている考え方は何でしょうか。

「一人ひとりの可能性を最大化する」という考えを軸にしています。生徒に対しては選択肢の幅を広げること、講師に対しては大学や学部にとらわれない将来の可能性を広げることを意識しています。

また、経験や知識を次の世代に還元することも重視しています。学生主体の組織である以上、代替わりによってノウハウが失われる可能性があります。そのため、マニュアル化や仕組み化を進め、蓄積された知見を次につなげる取り組みを行っています。

組織運営とチームづくりの工夫

――組織運営で意識していることを教えてください。

月に一度の全体ミーティングを行い、運営に関する情報共有と生徒の学習状況の共有を実施しています。前月の収支確認や今後の方針について議論するほか、生徒ごとの状況を講師全員で共有し、指導の質向上につなげています。

1対1指導では担当講師の視点に偏りがちですが、他の講師からの意見を取り入れることで、より客観的で質の高い指導が可能になります。こうした相互の意見交換を通じて、組織全体で成長していくことを目指しています。

――現在の体制について教えてください。

生徒は現在6名で、小学4年生から高校1年生まで幅広い層が通っています。講師は約12名在籍しており、大学生ならではのスケジュール変動に対応できるよう、余裕を持った体制を整えています。また、指導だけでなく地域ボランティアイベントへの参加やその企画・運営など、さまざまな活動にもメンバー全体で取り組んでいます。

次世代への継承と新たな挑戦

――今後の展望について教えてください。

次期代表としては、地域活性化への貢献を大きなテーマに掲げています。理工学部の学生が多い強みを活かし、小中学生向けの科学実験教室などを実施したいと考えています。大学生主体だからこそ柔軟に動ける点を活かし、地域とのつながりを深めていきたいです。

――現在の課題と取り組みについて教えてください。

大きな課題は生徒募集です。地域特性として口コミや紙媒体の影響が強く、一般的なSNS施策が効果を発揮しにくい面があります。そのため、地域の新聞社が主催するイベントへの参加など、地域に根差した活動を通じて認知を広げる取り組みを進めています。

未来を見据え、学びをつなぐ

――最後に伝えたいメッセージをお願いします。

創業以来の理念である「Futureを見据えた指導」を大切にしながら、生徒と一緒に未来を考えていくことを重視しています。そしてもう一つの大切な考え方が「学びのバトンを次の世代につなぐ」ということです。

学びを通じて得た経験や価値観を、次の世代へとつないでいく。その積み重ねが、生徒一人ひとりの可能性を広げ、社会全体にも良い影響を与えていくと考えています。

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