小さな企業でも世界へ――SOMA株式会社が実現する海外展開のハードルを下げるクラウドファンディング支援

SOMA株式会社 CEO 内藤 拓馬氏

SOMA株式会社は、「誰もが手軽に海外展開できる世界を創る」を掲げ、企業の海外進出を支援する会社です。クラウドファンディングを活用したテストマーケティングを強みに、中小・小規模事業者の挑戦を後押ししています。本記事では、代表である内藤氏に事業転換の背景や経営判断の軸、組織づくり、今後の展望について伺いました。

海外進出を身近にするクラウドファンディング支援

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

2019年に創立し、現在は8期目になります。

もともとはAmazonや楽天などのEC物販からスタートしましたが、その後、海外から商品を輸入し国内のクラウドファンディングで販売する事業へと広げました。

しかし2022年の円安の影響で輸入の収益性が大きく悪化したため、輸出へと舵を切りました。現在は、日本企業の商品を海外のクラウドファンディングで展開する際の支援を行っています。

クラウドファンディングは予約販売ができるため、売れた分だけ仕入れや製造を行えます。在庫リスクを抱えずに市場の反応を確かめられる点が大きな特徴です。さらにWEB上で完結するため、渡航費や展示会費用も不要になり、低リスクで海外進出に挑戦できます。

当社はその出店代行を担い、企業のテストマーケティングを支援しています。

――海外進出支援では、どの国をメインに提案しているのでしょうか?

これまではアメリカのクラウドファンディングを中心に展開してきました。代表的なプラットフォームとしては「Kickstarter」を活用していましたが、最近は状況が変化しています。

トランプ関税や戦争の影響などでアメリカの景気が悪化し、想定通りに売れないケースが増えてきました。そのため、現在は台湾のクラウドファンディング「ZECZEC」を主軸に提案しています。

台湾は日本ブランドへの信頼が高く、距離や時差の面でも取り組みやすい市場です。まず台湾でテストし、その後アメリカへ展開するという流れを基本にしています。

日本の魅力を世界へ届けたい――事業に込めた原点

――この事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

10代後半から約7年間、アメリカのサンフランシスコに滞在し、サンフランシスコ州立大学を卒業後は現地の企業で働いていました。もともとはアメリカへの憧れから渡米したのですが、実際に生活する中で日本の良さに気付くようになりました。

帰国後に改めて日本を見ると、技術やサービスの質が高いにも関わらず、世界に対して発信しきれていないと感じたんです。日本人はもっと誇りを持って海外に出ていくべきだと思うようになりました。

今はAIやWEBの進化によって、言語や距離の壁も以前より低くなっています。そうした時代だからこそ、日本企業が世界に挑戦する後押しをしたい。その思いが、この事業の原点です。

――経営の道に進まれた経緯についてもお聞かせください。

アメリカのサンフランシスコにある企業で働いていたのが、キャリアの出発点です。ただ、同時多発テロ事件の翌年に就労ビザを更新できず、日本に帰国することになりました。帰国後は1年間だけコンサルティング会社で会社員として働き、その翌年に1社目を立ち上げています。

当時は飲食店の人材分野に関するコンサルティング事業を手がけていましたが、うまくいかず、4年ほどで会社を畳みました。その後は大手通信会社に入社し、15年ほど会社員として勤務しています。

現在のSOMA株式会社は、その在職中に副業として立ち上げた2社目です。しばらくは会社員と経営を両立していましたが、昨年大手通信会社を退社し、今は別のコンサルティング会社に勤めながらSOMA株式会社を経営しています。

――これまでのキャリアで、転機になった出来事は何でしたか?

大きく2つあります。

1つはアメリカでの経験です。ビザが更新できなかったことで帰国することになり、人生の方向が大きく変わりました。

もう1つは最初の会社の廃業です。この経験が現在の経営判断にも強く影響しています。

失敗経験を糧にした身の丈経営

――経営判断の軸になっている価値観や信条は何ですか?

1回目の会社での失敗経験が、今の経営判断の軸になっています。特に強く意識しているのは、固定費をできるだけ抱えすぎないことです。

当時は事業規模に見合わない形で正社員を雇ってしまい、それが経営を苦しくする一因になりました。その経験があるからこそ、今は無理に規模を追わず、自分の力量や事業の大きさに合った運営を大切にしています。

現在は私一人を中心に、業務委託やアルバイトの方と連携する体制を取っています。コストをコントロールしながら、事業を広げすぎず、身の丈に合ったレベルで着実に進めていく。その考え方を、経営の基本に置いています。

――現在の組織体制をどのように考えていますか?

正社員はいませんが、長く関わっている業務委託の方も多く、関係性としてはそれに近い形になっています。7~8年ほど一緒に仕事をしている方もおり、継続的な信頼関係を築いています。

働き方についても柔軟性を重視しており、家族やプライベートを優先してほしいと伝えています。

――スタッフが動きやすくなるために工夫していることはありますか?

仕事を依頼する際は、納期と内容を明確に伝えた上で、進め方は各自に任せています。全員がテレワークのため、Zoomなども活用しながら状況を確認する形です。

案件の負荷や困りごとがないかも定期的に見ながら、無理のない範囲で取り組めるよう調整しています。

国ごとに最適解を描く――海外進出支援の次なる展開

――今後取り組みたい挑戦や展開を教えてください。

現在はアメリカと台湾が中心ですが、今後はマレーシアやインドネシア、フィリピンなど東南アジアにも広げていきたいと考えています。

海外進出という軸は変えず、それぞれの国に適した形で展開できるようにしていきたいです。

――その実現に向けた課題と、今後の取り組みをどう考えていますか?

各国の市場や文化を理解することが重要だと考えています。そのためには、自分自身の知識を深めることに加え、現地のパートナーと連携していく必要があります。

人を増やすというよりも、アライアンスを広げながら事業を拡大していく方針です。

――業界は今後どのように変化していくと見ていますか?

これまで海外進出といえばアメリカが中心でしたが、今後は国ごとに最適な戦略を考える流れになると感じています。

一括りに「海外」と捉えるのではなく、商品ごとに適した市場を選ぶことが重要になっていくと思います。

発想の源泉と、家族と過ごすリフレッシュ時間

――尊敬している人物はいらっしゃいますか?

キングコングの西野亮廣さんです。エンタメとビジネスの両面で成果を出しており、クラウドファンディングの活用方法にも影響を受けています。

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

休日は家族と過ごす時間を大切にしています。中学生の息子と年長の娘がおり、一緒に出かけることが多いです。

家族との時間が一番のリフレッシュになっています。

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