営業の力で企業と人材をつなぐ――フィールソンの成長戦略と“人”へのこだわり
株式会社フィールソン 代表取締役 佐藤航平氏
2025年6月に創業した株式会社フィールソンは、営業BPO事業を軸に急成長を続けるスタートアップ企業です。営業リソース不足に悩む企業に対し、人材を提供することで課題解決を図っています。設立から間もないながらも、組織づくりや人材育成に独自の工夫を凝らし、着実に事業を拡大しています。本記事では、代表の佐藤航平氏に、創業の背景や事業の特徴、組織運営の考え方、そして今後の展望について伺いました。
目次
営業BPO事業で企業の成長を支援
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当社は、営業リソースが不足している企業に対して、業務委託という形で営業人材を提供するBPO事業を行っています。企業が営業人材を外部で募集しているケースに対し、当社の従業員を送り込むことで営業活動を支援しています。
設立は2025年6月で、まだ立ち上げから間もない会社ではありますが、現在は正社員8名、業務委託10名の計18名体制で事業を展開しています。
――この事業を始められた背景や想いを教えてください。
もともと起業することを前提にサラリーマンを経験し、営業BPO事業での起業を志していました。このビジネスは、取引先企業と継続的に関係を築けること、そして共に事業を支えてくれる社員の存在があってこそ成り立ちます。
起業にあたっては、その両方が揃ったタイミングで踏み出そうと考えていました。ちょうどその準備が整ったタイミングで、妻の妊娠が分かり、「今しかない」と決断し、創業に至りました。
――御社の理念やビジョンについて教えてください。
社内に向けては、従業員が「入社してよかった」と思える環境づくりを大切にしています。人材業界は給与水準にばらつきが大きく、同じ仕事をしていても待遇に差が生まれやすい業界です。そのため、ボーナスの支給やインセンティブの明確化、誕生日プレゼントなど、具体的な還元制度を整えています。
一方で外部に対しては、「圧倒的クライアントファースト」を掲げています。競争の激しい業界の中で、設立間もない当社が価値を発揮していくためには、顧客に徹底的に向き合う姿勢が不可欠だと考えています。
経営者としての原点と価値観
――経営者の道に進まれたきっかけを教えてください。
大きく2つあります。1つは、サラリーマンとして人材業界に身を置く中で、給与の限界が見えてきたことです。より上を目指すには、自分でやるしかないと感じました。
もう1つは、前職で複数の派遣会社から集まる人材と関わる中で、「この人は自分が面倒を見た方が伸びる」と感じる場面が多くあったことです。そうした人材を自分の手で育てたいという想いが、経営者を目指すきっかけになりました。
――これまでのキャリアの中での転機はありましたか。
高校卒業後、千葉県の新日本製鉄で3年間働いていました。その後、お笑い芸人を目指して上京しようと地元の友人を誘いましたが、断られてしまいました。進路を見直す中で営業職に進むことを決めたのですが、この選択が今に至る出発点になっています。あのとき芸人の道に進んでいたら、今の自分はいなかったと思います。
主体性を引き出す組織づくり
――社員が主体的に動くための工夫を教えてください。
インセンティブ制度を明確に設けることで、成果に応じた報酬を可視化しています。また、より単価の高い案件に携われる営業スキルを身につけることで、クライアントへの請求単価が上がり、それが給与への還元につながる仕組みを構築しています。
現在のスキルに応じた単価を明確に伝えるとともに、就業先での経験を通じて成長すれば、より高単価の案件に挑戦できること、そしてその結果が会社の利益だけでなく個人の給与にも還元されることを丁寧に共有しています。将来的なキャリアや収入のイメージを具体的に伝えることで、モチベーション向上につなげています。
――コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
業務の特性上、メンバーはそれぞれクライアント企業で就業しているため、オフラインで顔を合わせる機会は限られています。その分、日常的に連絡を取り、営業状況や稼働状況を把握するようにしています。
――どのような人材と一緒に働きたいと考えていますか。
真面目で素直、そしてひたむきに取り組める人です。トーク力は後から磨けますが、そうした姿勢はすべての土台になるものだと考えています。
原体験が育んだ経営観と人への理解
――影響を受けた経験について教えてください。
実家は岩手県で、両親ともに経営者家系でした。ただし順風満帆ではなく、保証人トラブルで苦労している姿を見てきました。子どもの頃から「経営者にはなるな」と言い聞かされてきましたが、それでも経営者を志しました。創業を告げた際には強く反対されましたが、現在は応援してくれており、会社のことも気にかけてくれています。
経営の厳しさを身近に感じていたからこそ、リスクへの意識や慎重な判断力が身についていると感じています。
成長を見据えた挑戦と業界の未来
――今後の展望について教えてください。
現在のビジネスモデルは月額固定収益が見込めるため、売上の見通しが立てやすい特徴があります。初年度の年商は約4500万円〜5000万円の着地を見込んでおり、来期は年商1億円の達成を目指しています。
――その目標に向けた課題と取り組みについて教えてください。
売上拡大には単価の高い案件の獲得が不可欠です。そのための新規クライアント開拓に加え、従業員の育成やマネジメント、採用強化を並行して進めています。
――業界の今後についてどのように見ていますか。
AIによる営業活動の自動化は確実に進んでいくと感じています。実際にAIが電話営業を行うサービスも登場しており、その精度の高さに驚かされました。ただ、「最終的に価値を持つのは人である」という点は変わらないと考えています。AIを活用しながらも、人の価値を証明していくことが重要になると思います。
人間力を育む日常――仕事と向き合うためのリフレッシュ
――リフレッシュ方法について教えてください。
週に2回、バレーボールをしています。60人規模のチーム活動で年齢層も幅広いため、人間関係の調整やコミュニケーションの難しさを日々感じています。その経験が、人を見る力や組織運営にも活かされていると感じています。