AIに頼らず“個の力”を引き出す経営――もみたんカンパニーが描く自由なサロン運営のかたち
合同会社もみたんカンパニー 代表 南敦史氏
リラクゼーション業界において、店舗主導ではなく「個」を軸にした運営を行う合同会社もみたんカンパニー。セラピスト一人ひとりの個性や働き方を尊重しながら、自由度の高い環境づくりに取り組んでいます。本記事では、代表の南敦史氏に、事業の特徴やこれまでの経緯、今後の展望について伺いました。
目次
セラピストの個性を最大限に活かす運営スタイル
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
現在はリラクゼーションサロンの運営を中心に行っています。セラピストは基本的に業務委託という形で、それぞれに場所を提供し、自由に活動してもらうスタイルです。店舗として最低限のルールは設けていますが、基本的には個人の裁量に任せています。
また、別枠としてレンタルサロンのような形でスペース貸しも行っています。こちらは本体の事業とは切り分けており、場所代のみをいただき、利用方法は完全に自由です。空いているスペースを無駄にしないという考えから始めた取り組みです。
――他のサロンとの違いや強みはどのような点でしょうか。
多くの店舗はブランドやコンセプトを統一しますが、当社ではそこをあまり重視していません。それぞれのセラピストが自分のスタイルやスキルを発揮できることを大切にしています。個性を活かせる環境をつくることが一番の特徴です。
また、自由度がある一方で、お客様にしっかりサービスを届けられる点も強みです。個人で活動するよりも、店舗という形があることで、お客様との接点を持ちやすくなっています。
自身の体験から始まったセラピストの道
――事業を始めたきっかけを教えてください。
もともとは自分自身の体調不良がきっかけでした。病院ではなく、施術によって回復した経験があり、そこから興味を持って学び始めました。その後、さまざまな経験を経てセラピストとして働くようになりました。
最初から経営を目指していたわけではありません。働いていた店舗でいろいろな事情があり、結果としてお店を引き継ぐ形になりました。流れに身を任せてきた部分もありますが、その中で自分なりのスタイルができていったと感じています。
――経営者としての転機はどこにありましたか。
大きな転機はコロナ禍です。当時は雇われ店長として働きながら、自分個人の施術も別の場所で行っていました。そのタイミングで店舗の閉鎖の話が出たのですが、「せっかくの場所を活かしたい」という思いから引き継ぐことになりました。
そこから、自分がやっているなら他の人もできるはずだと考え、現在のような形に変わっていきました。
自立した組織づくりへの模索
――今後の目標について教えてください。
まずは、自分が現場から離れても回る状態をつくることが目標です。現在は営業時間の大半を現場で過ごしており、体力的にも負担が大きくなっています。
そのためには、セラピストの数を増やすだけでなく、お客様の数も増やす必要があります。来てもらったセラピストがしっかり稼げる環境を整えなければ意味がありません。
――組織運営で課題に感じている点はありますか。
今は基本的に業務委託のため、明確な組織という形ではありません。今後は、内部から任せられる人材を育てていく必要があります。
理想としては、現場をよく理解しているセラピストの中から、全体を見て動ける人に任せたいと考えています。そのためには、コミュニケーション能力や全体視点を持てるかどうかが重要です。自分本位ではなく、店舗全体を見て動ける人でないと難しいと感じています。
集客と仕組みづくりが今の最大の課題
――現在取り組んでいる課題と施策について教えてください。
今はとにかく集客が課題です。お客様の数が増えなければ、売上も上がらず、組織も拡大できません。
具体的には、ポスティングの再開や、SNSを活用したマーケティングに力を入れています。空き時間を使ってできることとして、Webでの発信を強化しています。
また、オフラインでも人とのつながりを増やすことを意識しています。知人を通じた紹介など、さまざまなルートからお客様を増やしていきたいと考えています。
――今後の展望についてどのように考えていますか。
しばらくは集客に注力し、お客様の数を増やすことが最優先です。その結果、自分一人では回らない状態をつくり、そこから人を増やしていく流れになると思います。今後1〜2年はその繰り返しになる見込みです。
最後まで現場に立ち続けた師から学んだこと
――影響を受けた人物や出来事について教えてください。
以前お世話になっていた整体師の方がいて、その方の生き方には大きな影響を受けました。一度は関係が途切れたものの、後に連絡をいただいたことがあり、その後の話を聞いて強く印象に残っています。
その方は病気を抱えながらも、亡くなる直前まで現場に立ち続けていました。新しいことにも挑戦し続けていて、「本当にこの仕事が好きだったんだ」と感じました。
自分も同じようになれるかは分かりませんが、その姿勢には強い尊敬の念を抱いています。
仕事中心の生活から次のステージへ
――リフレッシュ方法について教えてください。
正直なところ、ほとんど休みは取っていません。今年に入って店舗に来なかった日は数日程度です。
休みを取るときも、用事があるときに限られます。あとは同業者と交流したり、話をする時間がリフレッシュになっています。
ただ、現状は仕事中心の生活になっているため、今後は一歩引いて経営に専念できる体制を整えたいと考えています。