アートで紡ぐ“多様な視点” ――Perspectivesが描くコミュニケーションのかたち

合同会社Perspectives 代表 山路 淳子氏

合同会社Perspectivesは、ペットアートとファインアートを軸に、アートを通じたコミュニケーション価値の創出に取り組む企業です。2025年1月に設立され、多様な視点を意味する「Perspectives」という社名のもと、顧客との対話を重視した作品づくりを展開しています。本記事では、代表の山路淳子氏に事業の特徴や創業の背景、経営に対する考え方、今後の展望について伺いました。

多様な視点から生まれるアートビジネス

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

同社の事業は大きく二つの柱で構成されています。

一つはペットアートで、犬や猫をはじめとするさまざまなペットの似顔絵を制作する取り組みです。単なる肖像ではなく、ストーリー性のあるシーンの中にペットを描き込むことで、その個性や飼い主の想いを表現する点が特徴です。イベント形式で都内各地や商業施設などに出店し、顧客との対話を重ねながら作品を完成させています。

もう一つはファインアートで、ペット以外の芸術作品を制作し、主にギャラリーで展示しています。両軸を通して、アートの幅広い価値を提供しています。

同社は自らを「コミュニケーションカンパニー」と位置付けています。アートを通じて人と人の想いをつなぐことを大切にしており、顧客との対話を起点に作品を生み出す姿勢が特徴です。

――理念や大切にしている考え方を教えてください。

「多様な視点」を重視しています。一つの物事を多角的に捉えることで、より豊かな表現や価値が生まれると考えています。

また、仕事一つひとつに誠実に向き合うことも重要な理念です。顧客のニーズや要望に応じて個別にカスタマイズし、独創的な作品を生み出すことを目指しています。そのためには顧客との対話が欠かせません。

顧客のビジョンと自社の表現を融合させることで、満足度の高い作品を提供していきたいと考えています。

アーティストから経営者へ――事業拡大の転機

――事業を始めたきっかけを教えてください。

共同経営者であるアーティストのアンディ・バーガーは、もともとは個人でアーティスト、そしてイラストレーターとして活動していました。言葉からイメージを膨らませ、絵として表現する経験を積んできた中で、ペットアートという形に発展しました。

ペットを単に描くだけでなく、物語の中に登場させるような作品にすることで、飼い主やペットの個性がより豊かに表現できると感じました。顧客が喜んでくれることが大きなやりがいとなり、この分野を事業として展開していきたいと考えるようになりました。

イベントでは「絵本の1ページのような作品」をコンセプトに掲げ、作品づくりを行っています。

――経営者になった背景について教えてください。

以前は個人のアーティストとして活動していましたが、会社を設立したことで市場が大きく広がりました。個人では難しかった企業との契約やチェーン展開のある企業との連携が可能になり、イベントの機会も増えています。

現在では多くの依頼をいただき、数ヶ月先まで予約が入るようになりました。一つひとつの作品を丁寧に仕上げながらも、継続的に仕事がつながっていく仕組みができたことは、大きな変化だと感じています。

顧客との対話を軸にした経営判断

――経営判断の軸となる価値観を教えてください。

最も重視しているのは、顧客との対話です。ペットは家族の一員であり、顧客にとって非常に大切な存在です。その想いを丁寧に汲み取りながら、アーティストとしての表現と融合させていくことが重要だと考えています。

作品は日常的に目にするものだからこそ、見た人が幸せな気持ちになれることが大切です。そのため、顧客の気持ちに寄り添いながら制作する姿勢を常に意識しています。

――これまでのキャリアでの転機を教えてください。

大きな転機は、ペットカフェでの体験でした。近所のカフェで多くのペットと飼い主が集まる様子を見て、そこにいるペットたちを描いたことがきっかけです。

その場で描いた作品が好評となり、ペットアートの可能性を実感しました。顧客に喜ばれる体験を通じて、自身の表現が価値になると気づいたことが、現在の事業につながっています。

少人数体制だからこその課題と可能性

――組織運営について教えてください。

現在は正規の社員を雇用しておらず、実質的にアーティスト1名体制で運営しています。そのため、繁忙期には多くの依頼を抱えながら対応している状況です。

依頼が増える一方で、制作には時間がかかるため、新規の注文を制限することもあります。今後の成長を考える上で、人材体制の整備は課題の一つです。

――今後どのような人材と働きたいと考えていますか。

営業面での市場開拓を担える人材や、SNSを活用したPR・マーケティングに強い人材がいると心強いと感じています。また、顧客管理などの仕組みづくりにも取り組める人材がいれば、事業の拡大につながると考えています。

ギャラリー展開と新たな挑戦

――今後の展望について教えてください。

表参道のギャラリーで作品展を開催する予定があり、ファインアートとペットアートの両方を発信していく計画です。

さらに将来的には、様々な業種の企業とのタイアップ、百貨店の画廊でペットアートの作品展を開催することも目指しています。現在は商業施設などでのイベント出店が中心ですが、より本格的な展示の場へと広げていきたいと考えています。

――課題とその取り組みについて教えてください。

百貨店などとの関係構築が課題の一つです。現在はショッピングセンターや百貨店の売場でイベントを実施していますが、そこから一歩進んだ展開が求められています。

新たな取り組みとして、クレジットカード利用者向けの特典企画なども始めています。こうした施策をきっかけに、徐々に関係性を深めていきたいと考えています。

アートと人生を豊かにする価値観

――影響を受けた人物について教えてください。

アートとビジネスを両立させた人物に影響を受けています。具体的にはキース・ヘリングやアンディ・ウォーホルのような存在に敬意を持っています。

また、動物の個性を豊かに表現する作品にも強く惹かれており、そうした表現から多くの刺激を受けています。

――最後に、リフレッシュ方法を教えてください。

茶道に関連する活動や、歌を歌うことがリフレッシュになっています。共同経営者でアーティストのアンディ・バーガーはライブハウスで歌うこともあり、表現することそのものが日常の活力につながっています。

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