現場に寄り添い、組織を変える――伴走型コンサルティングで地方企業に価値を届ける挑戦

株式会社豊明コンサルティング 代表取締役 上口幸博氏

株式会社豊明コンサルティングは、地方の中小企業を中心に、組織づくりや人材定着支援を行うコンサルティング会社です。代表の上口幸博氏は、長年の現場経験をもとに、企業に深く入り込む「伴走型支援」を強みとしています。単なる制度設計にとどまらず、現場に足を運び、社員と同じ目線で課題解決に取り組む姿勢が特徴です。本記事では、上口氏のこれまでのキャリアや独立の背景、現在の取り組み、そして今後の展望について伺いました。

現場経験から生まれた「伴走型支援」の原点

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

現在は、地方の中小企業を中心に、組織づくりや人事評価制度の構築、運用支援を行っています。単発の研修や制度設計だけではなく、実際に企業へ足を運びながら、継続的に関わる伴走型の支援が中心です。

たとえば、建設会社では新入社員の離職率を下げる取り組みや、ベテラン社員が持つ技術を次世代へ引き継ぐための仕組みづくりに携わっています。最近では、AIを活用して業務のマニュアル化を進めるなど、現場に合わせた具体的な支援も行っています。

評価制度についても、単に作るだけでは意味がありません。重要なのは、その制度が現場でしっかり運用され、組織に定着することです。そのため、制度設計から運用まで一貫してサポートすることを大切にしています。

――他社にはない強みはどのような点にありますか。

一番の特徴は「現場に入り込むこと」です。一般的なコンサルティングのようにオンラインや短時間の関わりではなく、実際に企業へ足を運び、社員の方々と直接コミュニケーションを取りながら支援を行います。

現場を見ることで、資料や数字だけでは分からない課題が見えてきますし、信頼関係も築きやすくなります。例えば建設現場であれば、現場を巡回しながら監督や職人の方と会話を重ね、実態を把握した上で改善策を考えます。

また、単に指示を出すのではなく、「一緒に考えて、一緒に進める」という姿勢も大切にしています。自分自身も行動で示すことで、より納得感のある支援ができると考えています。

転機となった現場での気づきと独立の決断

――これまでのキャリアと独立のきっかけを教えてください。

もともとはコンサルタントではなく、約20年間、パチンコ業界の企業に勤務していました。店長として全国の店舗を任され、2年ごとに転勤を繰り返しながら、さまざまな現場を経験してきました。

その中で感じていたのが、「組織づくりの難しさ」です。新しい店舗に異動すると、以前うまくいった取り組みを再現しようとしても、同じようにはいきません。従業員の経験やスキルが異なるため、一からチームをつくり直す必要がありました。

当初は「なぜできないのか」と考えていましたが、次第に「教えていないからできない」という当たり前のことに気づきます。組織の成果はすべて自分の責任であると考えるようになり、指導や育成の重要性を強く意識するようになりました。

その後、業界環境の変化や自身の価値観の変化もあり、独立を意識するようになります。決定的なきっかけとなったのは、家族の出来事でした。親が体調を崩した際に、仕事中心の生活を見直す必要があると感じ、退職と独立を決意しました。

――なぜ現在の事業内容を選ばれたのでしょうか。

当初はパチンコ業界に特化した支援も考えましたが、現場で感じていた課題は、業界を問わず共通していると気づきました。人材育成や組織づくりの悩みは、多くの企業が抱えているものです。

であれば、特定の業界に限定するのではなく、より幅広い企業に貢献できる形にしたいと考え、現在のスタイルに至りました。

地方企業に寄り添う実践型コンサルティング

――現在の取り組みや特徴的なプロジェクトについて教えてください。

現在は北陸エリアを中心に活動しており、きっかけの一つとなったのが、富山大学でのリカレント教育プログラムへの参加です。半年間、企業での実務と大学での学びを並行して行うプログラムで、地域企業の課題解決に取り組みました。

この経験を通じて、地方企業の課題に直接向き合う機会が増え、現在の活動につながっています。特に地方では、人材不足や高齢化といった課題が顕著であり、組織づくりの重要性を強く感じています。

――企業支援で大切にしている考え方は何でしょうか。

まず重要なのは、「採用よりも定着」です。人材不足に悩む企業は多いですが、採用だけを強化しても、すぐに離職してしまっては意味がありません。例えるなら、穴の空いたバケツに水を入れ続けるようなものです。

まずは離職を防ぐ環境を整え、その上で採用を行うことが重要です。そのために、評価制度や組織の仕組みを整備し、従業員が長く働ける環境づくりを支援しています。

また、経営理念やビジョン、評価制度、採用方針などをバラバラに考えるのではなく、すべてが連動した状態をつくることも重要です。これらが一貫していないと、組織はうまく機能しません。

「一人だからできる」柔軟な働き方と今後の展望

――今後の展望について教えてください。

現在は一人で事業を行っていますが、今のところ組織を大きくすることは考えていません。一人であることで、意思決定のスピードや柔軟性が保たれ、自分の価値観に沿った働き方ができると感じています。

また、拠点についても固定せず、北陸だけでなく、今後は他の地域へも関わっていく可能性があります。地方ごとに異なる課題があるため、さまざまな地域で経験を積みながら、より多くの企業に貢献していきたいと考えています。

――どのような企業と関わっていきたいと考えていますか。

大企業よりも、数十名規模の中小企業との関わりを大切にしています。その方が経営者や社員との距離が近く、変化を実感しやすいからです。

自分の関わりによって組織が変わり、現場の反応が直接返ってくる。そうした実感が得られる環境で仕事を続けていきたいと考えています。

また、最終的なゴールは「自走できる組織をつくること」です。支援が不要になる状態こそが理想であり、そのための土台づくりに貢献していきたいと思っています。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。