AIエージェント時代の業務プラットフォーム――インターパークが描く効率化の未来と戦略転換
株式会社インターパーク 代表取締役社長 舩越 裕勝氏
株式会社インターパークは、クラウドサービスの開発・提供を行うIT企業です。インターネット黎明期から事業をスタートし、受託開発を経て、現在は自社サービスに特化した事業へと転換しています。マーケティング支援ツールや通信サービス、ノーコード開発ツールなどを展開し、企業の業務効率化を支援してきました。本記事では、代表の舩越裕勝氏に、事業の特徴やこれまでの変遷、経営の考え方、そして今後の展望について伺いました。
目次
自社開発・自社提供にこだわるクラウドサービス企業
――現在の事業内容について教えてください。
同社はITサービス、特にクラウドサービスを開発・提供するメーカーです。現在は主に三つのサービスを展開しています。
一つはマーケティングツール「サスケ (SAASKE)」、もう一つはスマートフォンに追加の電話番号を持てる「SUBLINE(サブライン)」という050アプリ、そしてノーコードで業務アプリを作成できる「サスケWorks」です。いずれも企業の業務効率化や利便性向上を目的としたサービスです。近年はこれらのサービスに AI機能の実装も進めており、営業活動の効率化や業務自動化を支援するプラットフォームへと進化しています。
――御社の強みはどのような点にありますか。
強みは開発力と、自社で作り自社で販売する一貫体制にあります。もともと開発会社としてスタートしているため、発想を形にする力があり、そのままサービスとして世の中に広げていくところまでワンストップで対応できる点が特徴です。
単に開発するだけでなく、普及まで責任を持つ体制が競争力につながっています。
インターネット黎明期から続く挑戦と進化
――創業のきっかけを教えてください。
創業は2000年から2001年頃で、インターネットが普及し始めた時期でした。当時からインターネットによって社会が大きく変わる可能性を感じており、それを世の中に広げることで、より効率的で価値のある社会を実現できると考えたことが出発点です。
当初は資金やノウハウも限られていたため、受託開発を中心に事業をスタートしました。Webサイトやシステムを顧客の要望に応じて開発する中で経験を積み、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)からSaaS、そしてクラウドへと時代の変化に合わせて事業を進化させてきました。
2015年頃には受託開発を完全にやめ、自社サービスに特化した現在の形へと転換しています。
――この分野を選んだ理由は何でしょうか。
インターネットやクラウドは必ず社会に必要とされる領域であり、自分自身が最も価値を発揮できる分野だと考えたためです。現在はAIという新たな波も来ており、インターネット黎明期と同じくらい大きな変化の時代だと感じています。特にAIとノーコードの組み合わせによって、専門エンジニアだけでなく、現場の担当者が自分で業務アプリを作れる時代が来ています。
経営の軸は「ものづくり」から「戦略」へ
――経営判断の軸について教えてください。
経営の軸は会社の成長に伴い変化してきました。創業当初は「良いものを作ること」に重きを置いていましたが、その後はチームづくり、さらにサービスの汎用性などへと関心が移っていきました。
現在は「戦略」が最も重要な軸です。どの市場でどのようにシェアを取るかを明確にし、そのためにサービスを設計するという考え方へとシフトしています。単にサービスを作るのではなく、市場を見据えて開発することが求められています。
――市場環境の変化はどのように感じていますか。
以前はサービスが珍しいこともあり、比較的自然に導入が進む側面もありましたが、現在は顧客が情報を精査し、比較検討した上で選ぶ時代です。そのため、自社の強みを明確にし、どの領域で勝つのかを戦略的に定める必要があります。
組織運営における「情報の透明性」
――社内コミュニケーションで意識していることは何でしょうか。
情報格差をできるだけなくすことを重視しています。会議の議事録を迅速に共有するなど、社内の情報をオープンにし、公明正大な組織運営を心がけています。また、指示系統の明確化も重要で、情報伝達の順序や組織構造にも配慮しています。
――採用において重視するポイントは何ですか。
経営者自身の基準よりも、現場のメンバーが一緒に働きたいと思う人材を重視しています。現場に最も近い人たちの判断を尊重することで、組織としての一体感や実務の適合性を高めることができると考えています。
戦略経営への転換と今後の挑戦
――今後取り組みたいことについて教えてください。
現在は戦略経営への転換に取り組んでいます。市場調査、営業、開発、組織体制を一体化させ、戦略に基づいた事業運営を実現することが目標です。また、AIとノーコードを組み合わせることで、企業の業務をよりシンプルにし、現場が自ら業務改善できる環境を広げていきたいと考えています。
これまでのように広く市場を見るのではなく、特定の領域で確実にシェアを獲得することを重視しています。競合との比較の中で、自社が強みを発揮できる分野を明確にし、そこで確実にポジションを築くことが重要だと考えています。
――現在の課題について教えてください。
直近の課題は事業計画の策定です。今後3年間でどこまで事業規模を拡大できるか、そのための組織体制や戦略をどのように構築するかを検討しています。現状の延長線上では目指す成長は実現できないため、新たな視点での計画づくりに取り組んでいます。
シンプルな効率化をすべての企業へ
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
同社が目指しているのは「ビジネスをシンプルに効率的に、そして価値あるものにする」ことです。その実現のために、コストパフォーマンスを重視し、月額数百円から利用できるサービスを提供しています。
特に、業務効率化の第一歩として、誰もが気軽に使えるツールを届けたいという思いがあります。Excelのように身近な存在として活用できるサービスを通じて、企業の課題解決を支援していきたいと考えています。今後はAIの力も活用しながら、誰もが簡単に業務を自動化できる環境を提供していきたいと思っています。