地方企業のIT活用を支え、現場とともに進む――ティープラスワンが目指す伴走型支援
合同会社ティープラスワン 代表 相澤 隆志氏
地方の中小企業では、人手不足や業務負担の増加が深刻になる一方で、ITやデジタル活用が十分に進んでいない企業も少なくありません。合同会社ティープラスワンは、そうした現場に寄り添いながら、IT導入支援や教育、コンサルティングを通じて業務改善を後押ししている会社です。本記事では、代表の相澤隆志氏に、事業を始めた背景や経営で大切にしている考え方、今後の展望などについて詳しく伺いました。
目次
地方の中小企業に寄り添う、実行支援型のITサービス
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
最近は、地方でITに詳しくなく、活用にも課題を抱えている中小企業のお客様を支援するサービスをご提供しています。また、IT導入の支援に加えて、活用するための教育も行っています。
さらにITに関するコンサルティングも手がけていますが、単に助言をするだけではなく、自分でも手を動かしながら導入支援まで行う、実務に踏み込んだITコンサルタントを目指している点が特徴です。
当社では、机上の提案だけで終わらせず、お客様と一緒に進めることを大切にしており、実際の導入や運用まで見据えて支援することで、現場で本当に役立つ形にしていきたいと考えています。ITが苦手な企業であっても、取り入れやすく、使い続けられる支援を行うことが重要だと思っています。
――御社が運営されている「DX学校」にはどのような価値を感じていますか。
中小企業にIT教育を行う際、何をどのように教えればよいかは意外と難しいものです。その点、DX学校ではカリキュラムが体系立てて用意されており、とてもわかりやすいと感じています。
そのカリキュラムを活用しながらお客様にITやデジタル活用を伝える一方、最近はAIの進化がとても速いため、最新の状況も踏まえながら、お客様の業務や目的に合わせて「こういった形でご提供できます」「このように活用すると情報を取得しやすくなります」といった実践的なご提案を行っています
より深い支援を――銀行系IT会社での経験を経て起業
――この仕事を始めたきっかけを教えてください。
前職では銀行系の会社に在籍し、最後の8年間はIT子会社に出向して役員を務めていました。そこでは社内DXの支援や推進に加え、銀行の取引先である中小企業へのIT支援も行っていましたが、そのなかで、IT活用があまりにも遅れている企業が多いと感じたんです。今は本当に人手不足が深刻で、ITを使って乗り切っていかなければならない状況にあるにもかかわらず、そこに手がつけられていない会社が多い――だからこそ、もっと深く支援したいという思いが強くなり、起業しました。
――社名にはどのような想いが込められているのでしょうか。
社名の「ティープラスワン(T-Plus1)」には、今まで培ってきた信頼(Trust)、技術(Technology)、そしてプラスワン(お客様や従業員、地域社会、パートナーなど、関わるすべての人たちにとって価値を一つ上乗せできる存在でありたい)という意味が込められています。
人に優しく、数字とのバランスを取る経営を目指して
――経営の軸になっている価値観は何ですか。
大切にしているのは、人に優しくあることです。ただ、事業を継続していくためには数字も必要です。優しさだけでは成り立ちませんし、数字だけを追ってもよい会社にはなりません。ですので、人間関係を大事にしながら、必要なことはきちんと実行する――そのバランスを取りながら経営していきたいと考えています。
――現在の組織体制について教えてください。
将来的には人を増やしたい考えはありますが、現時点では一人で事業を運営しています。AIが部下のような存在になっていて、実務面でも非常に助けられています。
その一方で、横の連携はとても大切にしており、DX学校でのつながりや、同じような業種の方々との協業などを通じて、必要なときに連携できる関係を築いています。
――コミュニケーションで意識していることは何でしょうか。
オンラインですぐにやり取りできる時代ですが、実際に会って話すことを大事にしています。対面だからこそ聞けることもありますし、その場の空気感の中で伝わることもあります。効率だけを求めるのではなく、相手ときちんと向き合う時間を持つことが重要だと感じています。
――今後採用するとしたら、どのような人と働きたいですか。
まずは理念に共感してくれる人です。そのうえで、前向きに一緒に成長していける人と働きたいと思っています。価値観を共有しながら、同じ方向を向いて進めることが大切だと考えています。
身体を動かすことがリフレッシュに
――お仕事以外のリフレッシュ方法を教えてください。
軽めのランニング等の身体を動かすことがリフレッシュになっています。昔はバレーボールをしており、今はソフトバレーボールを週に1回ほど続けています。地域の方々と一緒に取り組み、ときどき大会に出ることもあります。
また、休日に街中を走ったり歩いたりすることも好きです。今は犬を飼っていますのでなかなか旅行には行けませんが、旅行先でその街を歩くことも好きです。特別なことをするというより、実際にその場所を歩きながら空気を感じる時間が、自分にとってはよいリフレッシュになっています。
――日常的に大切にしている想いはありますか。
「未来をもっと明るくしたい」という想いがあります。そのために思いついたことや頼まれたことは、できる限りすぐに実行するようにしています。
日本全体のことを考えた場合、たとえば食料自給率の問題にも関心があり、個人事業として米作りにも取り組んでいます。また、民生委員の活動にも携わるなど、事業だけに閉じず、地域や社会のためにできることはできる限り引き受けたいと考えています。
ITとデジタルの力で企業成長を実証し、新しい可能性を広げたい
――現在、仕事を進めるうえで感じている課題はありますか。
中小企業のお客様は本当に忙しく、ITやデジタルを進めたほうがよいとわかっていても、日々の業務に追われてなかなか着手できないケースがみられます。本来は先に取り組めば時間の余裕が生まれるはずなのに、忙しさゆえに進められず、結果としてずっと変われない、といった状況のお客様も多く、そういった方とどのようにして接点を持ち、前に進めていくかは大きな課題だと感じています。
――今後取り組んでいきたい挑戦について教えてください。
今はお客様の会社のIT支援を中心に行っていますが、将来的には一つのアナログな世界でがんばっている企業を買収し、そこに、ITやデジタルを活用して成長させていくことにも挑戦してみたいと考えています。現時点で特定の業種を決めているわけではありませんが、ITやDXの力で企業がどこまで変われるのかを、自ら実践しながら示していけたらと思っています。