地域農業を支え、未来へつなぐ――持続可能な経営を目指すLife&Lifeの挑戦

Life&Life株式会社 代表取締役 佐藤 芳明氏

Life&Life株式会社は、農業を主軸に事業を展開し、「お客様のおいしいのために」という理念のもと作物の生産・提供を行っている企業です。米を中心に枝豆やブロッコリーを生産し、さらにワイン用ぶどうの栽培にも取り組むなど、多角的な農業経営を実践しています。本記事では、代表の佐藤芳明氏に、事業の特徴やこれまでの歩み、経営に対する考え方、そして今後の展望について詳しく伺いました。

地域を守るために選んだ農業の道

――現在の事業内容について教えてください。

事業の中心は農業で、お米を主軸に、枝豆やブロッコリーといった作物を組み合わせて生産しています。

また、規模としては大きくありませんが、ワイン用ぶどうの栽培にも取り組んでいます。このぶどうはワイナリーに直接販売しており、単一品種でワインとして製品化されています。経営面では赤字になる部分もありますが、自分の作ったぶどうだけでワインができるという希少性や付加価値があるため、生産を継続しています。

こうした取り組みの根底にあるのが、「お客様のおいしいのために」という理念です。単に作物を生産するのではなく、それを手に取る人、食べる人の存在を意識しながら、品質や提供の仕方にもこだわっています。

――なぜ農業を始められたのですか。

もともとはサラリーマンとして、プラスチック製品の金型製造に携わっていました。しかし、親戚が農業を辞めるという話を耳にしたことをきっかけに、地域の状況を改めて見つめ直すようになったんです。周囲を見渡すと、担い手がほとんどおらず、このままでは地域の農業が立ち行かなくなるという強い危機感を覚えました。

当時は社会的にも大きな出来事が続き、勤めていた会社の状況も不安定でした。そうした背景も重なり、「地域の農業を何とかしなければならない」という想いが強まり、就農を決意しました。親の世代を飛び越えて自ら農業に入ったのは、それだけの使命感があったからです。

一人法人だからこそ実現する柔軟な経営

――現在の組織体制について教えてください。

現在は、一人法人として経営しています。家族はいますが役員にはせず、パートとして関わってもらう形をとり、働いた分を適切に還元することで関係性を明確にしつつ、経営責任を集中させることでリスクを抑えています。また、意思決定のスピードを維持するという点でも、この体制は有効だと考えています。

繁忙期には家族を含めて最大で4〜5名ほどの体制になりますが、基本はコンパクトな組織で運営しています。

――組織運営や今後の体制についてどのように考えていますか。

今後については、従業員を雇用するのか、それとも周囲の農家や法人と連携していくのか、さまざまな可能性を視野に入れています。農業分野では人手不足が深刻で、近隣の農家も余力がない状況です。そのため、状況に応じて柔軟に形を変えられる体制を整えておくことが重要だと考えています。

単独での成長だけでなく、地域全体としてどう持続していくかという視点も持ちながら、最適な形を模索していきたいです。

規模拡大と効率化で持続可能な農業へ

――今後の展望について教えてください。

農地の面積は、自ら増やそうとしなくても自然と増えていく傾向にあります。担い手が減少しているため、引き受けざるを得ないケースが多いからです。そのため、単純に面積を拡大するのではなく、提携や集約によって効率を高めていく必要があります。

今後は、農地をまとめて管理しながら稼働効率を上げ、大規模化していくことが重要だと考えています。小規模のままでは農地の維持自体が難しくなるため、地域全体を見据えた経営が求められています。

――人材や販売面での課題についてはいかがでしょうか。

人材については、農業に限らずどの業界でも共通の課題です。給与や休日といった条件面での魅力、あるいは企業理念への共感、この2つの軸によって人は集まると考えています。理念に共感して「一緒にやりたい」と思ってもらえるかどうかも重要な要素です。

販売については、卸の仕組みがあるため大きな問題にはなりにくいと考えています。加えて個人販売にも取り組んでおり、特に飲食店への販売が中心となっています。ただし、価格の変動といったリスクもあるため、卸と直接販売を組み合わせながらバランスを取っています。

――事業を通じて実現したい社会像について教えてください。

まずは、農業という分野を持続可能なものにすることが重要です。そのうえで、会社として利益を上げ、その利益を社会に還元していくことを目指しています。

具体的には、就農当初から児童養護施設に対してお米や野菜を提供する活動を続けています。子どもたちに自分たちの作物を食べてもらうことで、味の違いや食の大切さに触れてもらいたいと考えています。これは単なる支援ではなく、未来への投資という意味合いも持っています。

目標を持ち、積み重ねることが未来につながる

――リフレッシュ方法や日常生活についてもお聞かせいただけますか。

農業は季節によって忙しさが大きく変わり、春から秋にかけては休みなく働く日々が続きます。そのため、限られた時間のなかで身体のメンテナンスを行うことが重要です。疲れを感じたときには日帰り温泉に行くなどしてリフレッシュしています。

また、以前は娯楽に時間を使うこともありましたが、現在は経営に関する学びや情報収集に時間を充てることが増えました。他県を訪れることで、その土地の文化や人の違いに触れ、新たな視点を得ることも意識しています。

――最後に、これから起業する方や経営者へのメッセージをお願いします。

ビジネスにおいて、お金のために働くのか、それとも社会や地域のために働くのかによって、取り組み方やモチベーションは大きく変わります。最初は利益を目的としていても構いませんが、最終的には社会や地域に貢献するという大きな目標を持つことが、長く事業を続けるうえで重要だと思います。

また、「誰のために作っているのか」という視点を持ち続けることが欠かせません。お客様の存在を意識し、商品をていねいに扱い、しっかりと届ける――その積み重ねが信頼につながり、結果として事業の持続性を高めていくのだと考えています。

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