ブラックボックスを打ち破る――建設業界の構造改革に挑む株式会社れおてん
株式会社れおてん 代表取締役 河上玲遠氏
建設業界に根強く残る「ブラックボックス構造」。その課題に真正面から向き合い、現場から変革を起こそうとしているのが株式会社れおてんです。現在は建設業の請負を軸に事業を展開しながら、コンサルティングや支援型PMOなどへと領域を広げる構想を描いています。本記事では、代表取締役の河上玲遠氏に、事業への想いや強み、今後の展望について伺いました。
目次
建設業界の“ブラックボックス”に切り込む――現場から始まる構造改革
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
現在は建設業の請負を中心に事業を行っています。今後はコンサルティングや支援型PMO、PMといった形で、いわゆるコンサルティング業にも広げていきたいと考えています。現時点では数社のクライアントと関わり、小さな業務から請け負いながら、自社の人材を現場に入れて改善提案を行っています。
具体的には、現場の業務改善や事務面の改善など、実際に中に入り込んで課題を見つけ、改善していくというスタイルが中心です。
――その事業における強みはどこにありますか。
現状はまだ小規模な組織ということもあり、私自身の営業力が強みになっています。いわゆる「懐に入る力」で案件を獲得しているケースが多く、営業からカスタマーサクセスまで一貫して自分で担っています。
一般的には属人化を避けるべきと言われますが、今のフェーズで型化しても意味がないと考えています。だからこそ、まずは自分が前に立ち、戦闘力で勝負している段階です。
――事業に取り組まれた背景や想いについて教えてください。
建設業界はブラックボックスが非常に多いと感じています。多重下請け構造や不透明な取引が当たり前になっており、適正とは言えない状態が多く見られます。実際に話を聞く中でも、赤字でも仕事を受けてしまう企業や、不合理な取引が存在していると感じています。
そうした構造を変えたいという想いが強くあります。すぐに変えられるとは思っていませんが、5年、10年と時間をかけて、まずは地域単位からでも改善していきたいと考えています。業界のイメージ自体も「汚い」「ダサい」といったものから、「稼げる」「かっこいい」へと変えていきたい。そして、大卒の方がどんどん入ってくるような業界にしたいと思っています。
「かっこいい仕事」を求めて辿り着いた経営者という道
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともと野球をやっていたので、プロ野球選手のような「かっこいい仕事」に強い憧れがありました。ただ、自分には難しいと感じる中で、お医者さんや宇宙飛行士といった職業にも魅力は感じつつ、現実的ではないと考えるようになりました。
その中で、自分が納得できて「かっこいい」と思えた仕事が「社長」だったんです。特別なきっかけがあったわけではなく、「かっこいい仕事がしたい」という想いが原点であり、10代の頃から一貫して持ち続けてきました。
――これまでのキャリアでターニングポイントはありましたか。
明確なターニングポイントはありません。長くホストとして働く中で多くの人と出会い、その積み重ねの中で徐々に起業への流れができていきました。
大学を卒業したタイミングで法人を立ち上げましたが、それも特別な決断というよりは自然な流れでした。これまでの選択をその都度正解にしていこうと考えてきた結果だと思っています。
――ご自身の価値観や考え方に影響を与えたものはありますか。
ホスト業界での経験は大きいです。世間的にはネガティブに見られることもありますが、7年間身を置く中で、業界の価値観やイメージが変化していくのを実感しました。
その経験から、業界のイメージは数年単位で大きく変えられると考えています。建設業界を変えたいという想いも、そうした実感が背景にあります。
少数精鋭だからこそ築ける信頼関係と組織づくり
――現在の組織体制について教えてください。
現状は非常に小規模で、正社員予定のメンバーが1名、業務委託の営業、現場アルバイトが数名という体制です。これから拡大していくフェーズにあります。
――組織運営で大切にしていることは何でしょうか。
私のやりたいことを理解し、その意図を汲み取って行動してほしいと伝えています。「各自の考えで動く」というよりも、同じ方向を向いて動くことを重視しています。
また、業績が上がった分はしっかり還元することも大切にしています。私に共感して集まってくれている仲間に対しては誠実であり続けたいと考えており、信頼関係を前提に、お互いに成果を出していく組織を目指しています。
――社員とのコミュニケーションで意識していることはありますか。
一人ひとりとしっかり向き合うことです。少人数だからこそ、食事を通じたコミュニケーションを大切にしています。腹を割って話すことで信頼関係が深まると考えています。
このスタイルは会社が大きくなっても続けていきたいと思っています。
事業拡大の先に見据える社会への影響――描く未来と次なる挑戦
――今後の展望について教えてください。
まずは現在の事業に集中し、着実に拡大していきたいと考えています。2期目で10人規模、その後30人、100人と段階的に組織を成長させていくことを目標としています。採用においては、学歴よりも要領の良さや、縦社会を理解している体育会系の経験を持つ方を重視しています。
その上で、将来的には政治の世界にも関わりたいと考えています。地元への想いが強く、市政に関わることで地域の課題解決に取り組みたいというビジョンがあります。建設業界を変えるにあたっても、国全体を一度に変えるのは現実的ではないため、まずは市単位から始め、県、関東、東日本、そして全国へと段階的に広げていきたいと考えています。
――新たに挑戦したいことはありますか。
事業としては大きく広げすぎず、軸を大切にしたいと考えています。その一方で、発信力という意味ではテレビ出演やインフルエンサー的な活動にも興味があります。
現在は趣味としてYouTubeも運営しており、少しずつ反響も出てきています。あくまで主軸ではありませんが、結果的に認知が広がれば良いと考えています。
自身を形づくった出会いと価値観
――影響を受けた方や尊敬する方についてお聞かせください。
地元の先輩である株式会社Rakam代表の三井龍一郎さんは、幼稚園から大学まで同じで、大学受験で迷っていた際に背中を押してくれた存在です。常に一歩、二歩先を行く姿を、今も追い続けています。
また、ホスト時代に長年かわいがっていただいたAIR GROUP「club EARTH」に所属する乙弥さんは、求心力や後輩との関わり方において非常に影響を受けた方です。現在もその姿勢を参考にしており、先日も宮崎でゴルフ合宿をご一緒しました。
さらに、現役の競艇選手として走り続けている父も、尊敬する存在の一人です。
――最後に、今後に向けた想いをお聞かせください。
とにかく「ブラックボックスの開封」がすべての軸です。建設業界の構造を変え、誰もが納得できる形にしていきたい。その先に、業界のイメージ改革や人材流入の変化があると考えています。
時間はかかるかもしれませんが、確実に変えていく。そのために、まずは目の前の事業に全力で取り組んでいきます。