地域に根ざし、健康をトータルで支える薬局へ――児島わかば薬局が描く新たな価値創造

児島わかば薬局有限会社 代表 勝樂眞一郎氏

調剤薬局として地域医療を支えてきた児島わかば薬局有限会社。近年、医療業界の環境変化が進む中で、従来の枠にとどまらない新たな取り組みを模索しています。処方箋対応に加え、健康維持や体のケアといった領域にも踏み込み、地域住民の生活に寄り添う存在を目指す同社。今回は、代表の勝樂眞一郎氏に、事業の特徴や経営の背景、今後の展望について伺いました。

調剤薬局の枠を超えた「健康サポート拠点」

――現在の事業内容について教えてください。

当社は調剤薬局として、主に処方箋を受け付ける業務を中心に展開しています。ただ、現在の薬局業界は厳しい状況にあり、従来の調剤業務だけでは成り立ちにくくなっています。そのため、一般向けの雑貨販売にも力を入れており、血圧計や体温計などの健康医療機器、サプリメントをはじめとした健康食品など、日々の健康維持・増進に役立つ幅広い商品を取り揃えています。さらにセルフケア用品やリラクゼーショングッズ、介護関連用品なども取り扱い、地域の皆様の多様なニーズに対応しています。

加えて、お客様の健康を総合的にサポートするという考えから、薬局内で体のケアとして、メディセルという機械を用いて筋膜リリースの施術も行っています。待合室の一部を改装し、施術用のスペースを設けて実施しています。地域の方々が気軽に立ち寄り、体の不調を相談できるような薬局を目指しています。

――筋膜リリースを導入された背景を教えてください。

もともと私自身が体のケアに興味を持っており、資格を取得したことがきっかけです。薬剤師ではない立場ですが、健康を支える方法は薬だけではないと感じていました。実際に施術を行うことで、薬局という場所でも体のケアができると考え、取り入れました。

家業を継ぐ形で踏み出した経営の道

――経営者になられた経緯を教えてください。

この薬局は妻の家系が代々続けてきたもので、妻が薬剤師として働いています。私はもともと別の業界で働いていましたが、結婚を機に薬局で働くようになり、その流れで経営を引き継ぐことになりました。自分で立ち上げたわけではなく、事業承継という形で経営に携わるようになったのが特徴です。

現在は約14年ほど代表として経営を行っています。組織としては家族経営で、妻の両親や兄弟とともに、私を含めて5名体制で運営しています。

地域密着と差別化で生き残る戦略

――今後の展望について教えてください。

現在は1店舗で運営していますが、将来的には3店舗程度まで拡大したいと考えています。在庫管理や運営面を考えると、その規模が理想的だと感じています。ただし、調剤薬局は病院との関係性が重要であり、簡単に出店できるものではありません。まずは現在の店舗をしっかりと地域に根付かせることが先決です。

そのうえで、薬だけに頼らない健康づくりを支援していきたいと考えています。私自身、運動が好きで、痛みは薬で一時的に抑えるだけでなく、運動や食事によって根本から改善できるものだと感じています。今後は運動器具を設置するなど、運動療法という形で健康をサポートできる薬局づくりも検討しています。

さらに、外部のトレーナーと連携し、体操教室の開催なども視野に入れています。薬局という枠にとらわれず、健康を総合的に支える施設へと進化させていきたいと考えています。

――現在直面している課題は何でしょうか。

薬局業界全体として厳しい状況が続いています。調剤だけに依存していると、今後はますます難しくなると感じています。また、大手ドラッグストアが調剤事業に参入してきたことで、競争は一層激しくなっています。

そのため、地域密着型の薬局として独自性を打ち出していく必要があります。差別化できるサービスを提供しなければ、生き残るのは難しい時代です。

加えて、在宅医療の対応も重要なテーマです。患者の自宅へ薬を届け、服薬指導を行う取り組みが増えていますが、人員の問題もあり、十分に対応しきれていないのが現状です。薬剤師の確保と人件費のバランスも大きな課題となっています。

地域医療との連携と信頼構築

――在宅医療や地域連携について教えてください。

今後は在宅医療が主流になっていくと考えています。すでに患者の自宅へ訪問し、服薬指導や管理を行う取り組みも始めています。

こうした業務では、ケアマネージャーとの連携が非常に重要です。どの薬局に依頼するかは、ケアマネージャーの判断に委ねられるケースが多いため、日頃から信頼関係を築いておくことが欠かせません。「何かあれば相談してください」といった関係性を築くことが、結果として仕事につながっていきます。

また、介護施設は今後も増えていく見込みであり、連携の余地はまだ大きいと感じています。ただし、人員の制約もあるため、対応できる範囲を見極めながら取り組んでいく必要があります。

仕事と向き合うためのリフレッシュ

――休日の過ごし方について教えてください。

現在はゴルフが一番の楽しみです。ここ4〜5年で始めたのですが、良いリフレッシュになっています。以前は子どもが3人いて、全員が野球をしていたため、休日はほとんどそのサポートに費やしていました。

今は子どもたちも成長し、時間に余裕ができたことで、妻と一緒にゴルフを楽しむことも増えました。仕事から離れてリフレッシュする時間は大切だと感じています。

「痛みのない社会」を目指して

――事業を通じて実現したい社会について教えてください。

やはり、痛みのない世界を実現したいという思いがあります。薬局には痛みや不調を抱えた方が多く来られますが、そうした方々を少しでも楽にできる存在でありたいと思っています。

薬の提供だけでなく、運動や食事といった面からもサポートし、病気を未然に防ぐことにも貢献していきたいです。地域の方々が元気に過ごせる環境をつくることが、最終的な目標です。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

これから起業を考えている方や経営者の方には、ぜひいろいろなことにチャレンジしてほしいと思います。私自身、まだまだできていない部分もありますが、恐れずに挑戦することが大切だと感じています。

仕事は大変なことも多いですが、それだけにとらわれず、リフレッシュできる時間や楽しみを見つけることも重要です。笑顔を忘れずに取り組むことで、より良い結果につながるのではないでしょうか。

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