保育を軸に広がる挑戦――子ども第一の理念が導く経営のかたち

株式会社ライフらび 代表取締役 小澤純平氏

株式会社ライフらびは、保育事業を中心に複数の事業を展開する企業です。現在は事業の大半を保育運営が占めながら、不動産や運営支援、人材紹介といった領域にも広がりを見せています。その根底にあるのは一貫して「子どもを第一に考える」という姿勢です。本記事では、小澤純平氏に、事業の特徴や経営に対する考え方、そしてこれからの展望について伺いました。

保育を核に据えた事業展開と、現場から生まれる強み

――現在の事業内容について教えてください。

現在は全体の約95%が保育の運営事業で、残りの5%として不動産事業、施設運営の支援事業、そして保育業界に特化した人材紹介事業を展開しています。全部で4つの事業を柱として進めている形です。

――事業の特徴や強みはどのような点にありますか。

大きな特徴は、自社で実際に保育施設を運営している点です。そのため、利用者や支援先に対して現場に基づいた提案ができることが強みになっています。単なる支援事業者ではなく、実務経験を持つ立場として関われる点は他社との差別化につながっています。

また、小規模認可保育を中心に運営する中で、国の基準の1.5〜1.7倍の人員配置を行うなど、手厚い体制を整えています。さらに園バスや専用の園庭といった、小規模施設では珍しい環境整備にも取り組んでおり、保育の質を高める工夫を重ねています。

子ども第一という、揺るがない軸

――理念やビジョンについて教えてください。

一番大切にしているのは、子どもを第一に考えることです。大人の都合ではなく、「子どもにとってどうか」を基準に判断する。その考え方は現場だけでなく、会社全体の意思決定にも通じています。

ただ、その理想を実現するためには、職員の環境が整っていなければ意味がありません。制度や休みの取りやすさなども含めて、働きやすい環境づくりにも力を入れています。

――経営判断の軸となる価値観は何でしょうか。

すべての判断基準は「子どもにとって良い影響があるかどうか」です。保育事業だけでなく、不動産や支援事業なども含め、それが最終的に子どもたちの環境向上につながるかを常に考えています。直接的でなくても、巡り巡ってプラスになるかどうかを重視しています。

母の姿から受け取った想いが、原点にある

――経営者になられたきっかけを教えてください。

もともと独立を強く志していたわけではありません。前職では不動産仲介業に携わっており、その経験をもとに同期とともに会社を立ち上げました。不動産事業は自然な流れでしたが、保育事業については母の存在が大きく影響しています。

母が児童福祉施設で働いていたこともあり、幼い頃から業界の話を聞く機会がありました。その中で、保育業界の労働環境など、さまざまな課題を意識するようになり、「自分でも何かできないか」と考えるようになっていきました。

ただ、それを実現する前に母は他界してしまい、一緒に何かを形にすることはできませんでした。それでも、その出来事があったからこそ、この分野への想いはより強くなったと思います。その想いを形にするかたちで、約10年前に事業をスタートしました。

主体性を引き出す、あえて“教えすぎない”組織づくり

――組織運営で意識していることは何でしょうか。

あまりこちらから細かく指示を出しすぎないようにしています。最初から全部教えるというよりも、まずは自分でやってみてもらう。分からないなりに動いて、うまくいかなかった経験も含めて、その人の力になると思っているからです。

もちろん、放置するわけではなくて、必要なタイミングで助言をしたり、相談があればしっかり向き合います。少し遠回りに見えるかもしれませんが、その積み重ねが結果的に主体性につながると考えています。

――コミュニケーション面での工夫はありますか。

定期的な面談は大事にしています。私自身が年に2回、全職員と話す機会を設けていますし、各施設でも責任者が四半期ごとに面談を行っています。

一人の視点だけでなく、複数の目で関わることで、ちょっとした変化にも気づきやすくなる。それぞれの立場から見た情報を共有しながら、個々に合った育成やサポートにつなげています。

――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。

まずは子どもを大切に思える気持ちがあることが前提です。その上で、自分の将来について考えながら成長していこうという意欲がある方と一緒に働きたいですね。5年後、10年後を見据えて、自分なりにステップアップしていきたいという気持ちを持っている方は、きっとこの仕事にも向き合えると思います。

広がるニーズに応える次の一手

――今後の展望について教えてください。

今後は、療育や児童発達支援の分野にも取り組んでいきたいと考えています。コロナ禍をきっかけに、人との関わりが減ったことで、子どもの発達に影響が出ていると感じる場面が増えました。現場にいると、その変化を日々実感します。

既存の保育事業とも親和性が高く、連携することでより良い環境を提供できるはずです。単独ではなく、全体として子どもを支える仕組みをつくっていきたいと考えています。

――今後の課題についてはどのようにお考えですか。

事業を広げていく中で、やはり人材の問題は大きいです。現在は役員2名で多くのことを進めていますが、どうしても限界があります。

そのため、事業の中心となって動ける人材の育成が重要な課題です。役員に限らず、「任せられる人」を増やしていくことが、今後の成長には欠かせないと感じています。

母から受け継いだ価値観とこれから

――影響を受けた人物について教えてください。

やはり母の存在が大きいです。仕事について直接何かを教えられたというよりも、働く姿を見てきた、という感覚の方が近いかもしれません。児童福祉の現場で働く中で、大変なことも多かったと思いますが、それでも子どもたちのことを第一に考えている姿が印象に残っています。自分がこの立場になった時に、同じように「子どもにとってどうか」を軸に考えたいと思ったのは、そうした姿を見てきたからだと思います。

――リフレッシュ方法について教えてください。

仕事のスイッチのオンオフは、できるだけ明確にするようにしています。
オンになるのは、朝スーツを着た瞬間です。逆に、オフへ切り替わるのは、仕事帰りの車内で好きな音楽を聴き始めた瞬間ですね。

オフの時は、なるべく仕事のことを考えないようにしています。そういう時間が、結果的にリフレッシュにつながっているのかなと思います。

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