営業組織の仕組み化と営業組織の成長を支援――Hibitoが目指す営業支援の新しい形

株式会社Hibito 代表取締役 渡邊 悠介氏

株式会社Hibitoは、法人向け営業支援サービスと個人向け営業コーチングサービスを展開する企業です。営業戦略の整理や営業プロセス設計といった仕組みづくりだけでなく、コーチングを通じた個人・組織の行動変容にも向き合いながら、成長フェーズにある企業の営業組織を支援しています。今回は、代表の渡邊悠介氏に、事業内容や創業の背景、今後の展望などについて詳しく伺いました。

営業支援と営業コーチングの2つを展開

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、主に2つの事業を行っています。1つは「Grips」という法人向けの営業支援サービスで、営業戦略の整理や営業プロセスの設計、実行支援などを行っています。もう1つは、「Ticket」という個人向け営業コーチングサービスです。

――どのような企業を支援されているのでしょうか。

これから伸びていく中小企業やスタートアップ、ベンチャー企業が中心です。特に営業組織が5~25人規模の企業が多く、企業全体としては30~100人程度の会社がメインとなっています。

こうした企業では、営業メンバーはいても、営業の仕組みづくりまでは十分に整っていないといったケースが少なくありません。営業マネージャーが営業企画や営業推進も兼務していることが多く、日々の業務に追われてしまい、戦略設計や実行体制の整備まで手が回らないような場面もよく見られます。

そこで当社は、外部パートナーとして対象企業に入り、営業戦略の整理や、実行に向けた設計・推進を支援します。営業組織の拡大フェーズでは属人的な営業になりやすく、成果の再現性が課題になることもあるため、そうした課題に対して営業の型化やプロセス設計を行いながら、組織として継続的に成果を出せる状態を目指しています。

――現在の組織体制について教えてください。

現在は、私を含めて16人の体制で運営しています。特徴的なのは、副業・業務委託メンバーを中心に構成されている点です。

メンバーには、現在も他社で営業や営業マネジメントを行っている現役人材が多く在籍しています。事業を大きくしていく経験や、営業組織を仕組み化していく経験を持った人材が集まっているため、実践的な支援が可能です。

営業代行ではなく“営業支援”に特化

――他社との違いについて教えてください。

一つの領域に限定せず、営業戦略の整理から営業プロセス設計、実行オペレーション構築まで一気通貫で支援している点が特徴です。単なる戦略提案ではなく、実際に現場で運用できる状態まで落とし込むことを重視しています。

また、経営層だけでなく営業現場ともコミュニケーションを取りながら、実務レベルの課題を把握したうえで支援を進めています。そのため、再現性のある営業体制の構築まで伴走できる点が強みだと考えています。

――営業代行とは違うのでしょうか。

はい。当社では、営業代行自体は行っていません。営業代行が必要な場合は、営業代行会社をご紹介しています。

当社は営業コンサルティングや営業支援に近い立ち位置で、戦略設計や組織づくりを支援しています。そのため、一時的に数字を作ることだけではなく、経営者が現場をマイクロマネジメントしなくても、メンバー自らがハンドルを握って成果を出せる状態を目指します。ノウハウや実際の商談数ももちろん重要ですが、内発的動機で営業活動に燃えている状態を経験し、いつでもその状態でがんばれるような経験をしてもらうということが自走するには重要だと思っています。

――コーチングを取り入れている理由は何ですか。

営業戦略やツールを導入するだけでは、組織成果につながらないケースが多いと感じているからです。特に成長フェーズの企業では、組織として同じ方向を向き、実行を継続できる状態をつくることが重要になります。

そのため、合宿や定期的なコーチングを通じて、方針策定だけで終わらせず、実行定着まで含めて支援しています。

営業組織づくりへの課題意識から創業

――起業に至った背景について教えてください。

以前はリクルートに在籍しており、社内の新規事業コンテストにも継続的に参加していました。もともと事業を立ち上げたいという想いがあり、将来的な起業を見据えながら経験を積んでいました。

その後、スタートアップ企業に参画し、約3年間にわたって営業だけでなく、事業推進や組織づくりなど幅広い業務を担当しました。最終的には営業責任者も務め、事業成長に伴う営業組織の構築や運営にも携わっています。

成長フェーズの企業で実務を経験するなかで、営業組織を拡大していく難しさや、再現性のある営業体制を構築する重要性を強く感じるようになりました。そうした経験を経て、現在の事業を立ち上げました。

――なぜ営業支援を事業に選ばれたのでしょうか。

自分自身が営業として成果に苦戦した経験があり、その中で「個人の能力に依存しない営業組織をどう作るか」という点に強い関心を持つようになりました。営業活動を仕組み化し、再現性を持たせることで、組織として継続的に成果を出せる状態を作りたいと考えていました。

一方で、営業プロセスやツールを整備するだけでは、必ずしも組織成果につながらないケースも多く見てきました。実際には、メンバー一人ひとりが目標に納得感を持ち、自発的に行動できる状態をつくることも重要だと感じていました。

そのため、営業戦略や営業プロセスの設計といった“仕組み”の支援だけではなく、個人や組織の行動変容を促すコーチングも組み合わせながら、営業組織全体の成果向上を支援する現在の事業モデルを構築しました。 

AIを活用した支援にも注力

――今後の展望についてお聞かせください。

今後は、営業領域におけるAIを活用した支援をさらに強化していきたいと考えています。

これまでセールステック領域にも携わってきましたが、営業ツールを導入するだけでは、営業組織そのものは変わらないと感じてきました。DXを推進するうえでも、最終的には個人やチームの行動変容までつなげることが重要だと考えています。

そのため、当社ではAI活用を単なる業務効率化ではなく、営業組織全体の生産性向上や営業プロセス変革の一環として捉えています。コーチングを組み合わせながら支援することで、新しい営業手法やテクノロジーを組織に定着させやすくなると考えています。

また、AIを使うことで、今までできなかったことが、仕組みによってその日のうちにできるようになることも本質的にとても面白いことだと思っています。その成功体験が現場のブレーキを外して可能性を開いていくということにとてもワクワクしています。

――具体的にはどのようなAI活用を想定されていますか。

例えば、商談録画データをもとに提案書を自動生成するワークフローの構築などです。

AIによって営業活動の効率化は今後さらに進んでいくと思いますが、一方で「組織としてどのように活用するか」という設計がより重要になってくると感じています。そのため、単なるツール導入支援ではなく、営業現場への定着や運用まで含めて支援していきたいです。

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