おもてなしを世界へ。ホテルの価値を磨き、観光業界の未来を支える

株式会社ブリッジフォスタージャパン 代表取締役 CEO 石川 眞大 氏

ホテルが本来持つ価値や魅力を引き出し、選ばれ続けるホテルづくりを支援するブリッジフォスタージャパン。同社は、経営支援や人財育成、新規ホテルの開業準備サポートを手がけています。帝国ホテルをはじめ、沖縄や京都で総支配人、新規ホテルの立ち上げを経験してきた石川氏に、同社設立の想いや理念、業界課題への向き合い方、今後の展望を伺いました。

日本のおもてなしを、アジアへ、世界へ

——まず、事業内容について教えてください。

弊社は、ホテルが本来持つ価値や魅力を最大限に引き出し、選ばれ続けるホテルづくりを支援する会社です。主な事業として、ホテルの価値向上に向けた経営支援、人財育成、新規ホテルの開業準備サポートを行っています。

ホテル業界にはさまざまな課題がありますが、その中で、現場に近い立場から支援できることを大切にしています。経営面だけでなく、人財の育成や開業準備など、ホテルが継続的に価値を提供していくために必要な部分をサポートしています。

私たちの特徴は、単なる経営数値の改善だけではなく、現場のサービス品質、人財育成、ホテルの個性づくりまで一体で支援できる点にあります。ホテルの現場を理解したうえで、経営とサービスの両面から支援できることが、弊社の強みだと考えています。

——「おもてなしを世界に」という理念には、どのような想いが込められていますか。

今のホテル業界は、人手不足が非常に大きな課題です。日本人だけでは現場が回らない状況もあり、その中で、アジアの人たちを即戦力として育てていきたいと考えています。

一方で、日本のおもてなしは世界的にも注目されています。留学生の中にも、それを学びたいという人が多くいます。日本に留学している人たちにおもてなしを伝え、将来自分の国に戻ったときに、その国で貢献してもらうことも大切だと考えています。

私にとって日本のおもてなしは、単なる接客技術ではありません。相手を思いやり、先回りして行動し、目の前のお客さまに心から向き合う文化そのものだと思っています。

その価値を日本国内だけにとどめず、アジア、そして世界へ広げていきたい。それが「おもてなしを世界へ」という言葉に込めた想いです。

ホテル業界全体に貢献するための独立

——会社を立ち上げようと思った経緯を教えてください。

25年間勤務した帝国ホテルを退職した後、沖縄や京都で5年間、総支配人を務めたり、新規ホテルの立ち上げに携わったりしました。総支配人と新規立ち上げは、自分の中で目標にしていたことでもあり、その両方を経験できたことは、自分にとって大きな節目になりました。

私自身、帝国ホテルをはじめ、沖縄や京都のホテル現場で長年働く中で、ホテルの価値は、建物の美しさや設備の豪華さ、あるいはかっこいいコンセプトを掲げることだけで決まるものではないと実感してきました。本当に大切なのは、そのコンセプトに魂を込め、地域の文化や歴史、働く人の心配り、サービスの一つひとつを通じて、お客さまの心に残る体験として形にすることです。ホテルとは、単に施設やサービスを提供する場所ではなく、その土地ならではの魅力と人の温かさを通じて、お客さまの人生の一場面に寄り添う場所だと考えています。

だからこそ、現場で培った経験を一つのホテルだけで終わらせるのではなく、業界全体に還元していきたいと考えるようになりました。

こうした30年にわたるホテル業界での経験を経て、今度は外部からホテル業界全体に貢献したいと考えるようになりました。ひとつの会社やホテルに所属していると、どうしてもできることに限りがあります。

もっと広い視点で、いろいろなホテルに関わりながら業界に貢献したい。その想いが、ブリッジフォスタージャパンを立ち上げたきっかけです。

——判断をするときに大切にしている価値観はありますか。

一番大切にしているのは、お客さまにきちんと価値を提供できるかどうかです。会社として売上や利益はもちろん大事ですが、それ以上に、存在価値があるかどうかを重視しています。

貢献できないのであれば、仕事を受ける意味はありません。提供できる価値があるかどうかを判断し、提供できないと思う場合は、仕事を受けないこともあります。

お客さまに価値を届けられるかどうか。そして、その先にいるホテルの従業員やお客さま、さらには観光業界全体に少しでも良い影響を与えられるかどうか。それが、経営上の大切な判断軸になっています。

信頼関係を土台に、人間力を重視する

——社内外のコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。

会社は立ち上げて2年目、3年目という段階で、現時点では社員を多く抱えているというより、プロジェクトごとにパートナーと一緒に仕事をしています。その中で一番大切にしているのは、信頼関係です。

これはどのビジネスでも同じだと思います。社員がいたとしても、パートナーと仕事をするとしても、信頼関係がなければ成り立ちません。だからこそ、相手ときちんと信頼関係を築けるかどうかを重視しています。

ホテル業界は、人と人との関係性の上に成り立っている仕事です。お客さまとの信頼、従業員同士の信頼、経営者と現場の信頼。その土台がなければ、良いサービスも良い組織もつくれないと感じています。

——一緒に仕事をするうえで、どのような人を大切にしていますか。

人間力がある人と一緒に仕事をしたいと思っています。性格的には、明るく、元気で、ポジティブな人です。そういう人は、信頼関係を築くうえでも大切なベースを持っていると思います。

サービス業界では、共感力も非常に重要です。相手の気持ちを思いやること、察する力を持っていることは、ホテリエに必要な要素です。おもてなしにもつながる部分ですし、そうした人間力がある方であれば、一緒にやっていけると感じています。

スキルや知識は後から学ぶこともできます。しかし、人に対して誠実に向き合う姿勢や、相手の立場に立って考える力は、ホテル業界で働くうえでとても大切な資質だと思います。

人手不足の先に、個性あるホテルづくりを見据える

——今後取り組んでいきたい挑戦について教えてください。

ホテルの価値を最大限に引き出すホテルづくりのパートナーとして、日本のホテル業界をもっと元気にしていきたいという想いがあります。今、観光業は環境としては需要が強く、外国人のお客さまも増えています。観光業は、外貨を稼ぐ産業としても非常に大きな可能性を持つようになりました。

一方で、人手不足は深刻です。人がいないことで、今いる人が休みを取れずに疲弊し、辞めてしまう。さらに人がいなくなり、効率化を進めざるを得なくなり、その結果サービスのクオリティが落ちていく。そうした悪循環が起きています。

だからこそ、人が少ない中でも、ホテルサービスのクオリティをきちんと担保できるホテルをつくることが必要だと考えています。

そのためには、人財育成だけでなく、業務の仕組み化や効率化、そして現場が働きやすい環境づくりも欠かせません。人が疲弊するのではなく、誇りを持って働けるホテルを増やしていくことが、結果としてお客さまへのサービス品質向上にもつながると考えています。

また、個性のあるホテルづくりもしていきたいです。今は外資系ホテルも多く進出していますが、きれいな建物やかっこいいデザインがあっても、どこか同じように見えてしまうことがあります。そのホテルが持っている歴史や地域の文化、会社のカラーなどが見えにくくなっていると感じます。

お客さまが「きれいだから」「ブランドホテルだから」だけで選ぶのではなく、泊まってわくわくできるような、そのホテルらしさを感じられる場所をつくる。そのサポートをしていくことが、これからの挑戦であり目標です。

ホテルは、地域の魅力を伝える拠点にもなれる存在です。地域の文化や歴史、人の温かさをホテルの価値として磨いていくことで、観光業界全体の未来にも貢献していきたいと考えています。

仕事そのものが楽しい。出張が今のリフレッシュ

——経営の中で、これだけは譲れないという想いはありますか。

お客さまに価値を提供し続けられるかどうかです。会社として売上や利益は大事ですが、社会や人に貢献できなければ意味がないと思っています。

ホテル業界には、さまざまな課題があります。それは観光業界の問題であり、日本全体の問題でもあります。そこにどう貢献できるかを考え続けることが、自分にとってのやりがいにもつながっています。

私にとって仕事は、単に会社を成長させるためだけのものではありません。ホテル業界で働く人たちが前向きになり、お客さまにより良い体験を届け、その先で地域や社会にも良い影響を生み出していく。その循環をつくることに、自分自身の使命を感じています。

——リフレッシュの仕方について教えてください。

サラリーマン時代は、金曜日になるとほっとする感覚がありました。今は、ホテル業界に貢献したい、日本のおもてなしの価値を広げたいという自分の想いを仕事にできているため、仕事そのものを楽しめています。

会社を立ち上げたばかりで曜日感覚はあまりなく、国内外への出張も多いですが、現地の空気や文化、人の魅力に触れる時間が新しい気づきや発想につながっています。仕事でありながら、自分自身を前向きにしてくれる時間でもありますね。

これからも、日本のおもてなしの価値を世界へ届けながら、自分自身も成長し続けられるよう、一つひとつの仕事に真摯に向き合っていきたいと思っています。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。