カンボジアの若き熱量と日本をITでつなぐ!双方の生産性を極限まで高める「共創型」DXイノベーション
株式会社Angkor Byte 代表取締役 福岡克也氏
日本の深刻なIT人材不足と、DX(デジタルトランスフォーメーション)の足踏み。この大きな社会課題に対して、海を越えた「カンボジア」の優秀な若者たちの熱量を原動力に、画期的なソリューションを提示する企業があります。それが、創業1期目ながら大企業やITフリーランサーから熱い注目を集める株式会社Angkor Byteです。平均年齢が非常に若く、成長へのハングリー精神に満ちあふれたカンボジアのエンジニアたち。彼らが持つ潜在能力を最大限に引き出し、日本のビジネスシーンへと還元していく代表取締役の福岡克也氏に、起業に込めた想いや独自のビジネスモデル、そして組織のあり方と未来の展望について詳しくお話を伺いました。
目次
カンボジアの熱量と日本のITニーズを橋渡しする
――現在の事業内容や特徴や強みについて教えてください。
私たちは、カンボジア現地でのオフショア開発を中心としたIT企業です。会社の理念として「Chance for Cambodia Innovation for Japan」を掲げています。
現在、カンボジアという国は国民の平均年齢が「26.4歳」と非常に若く、非常に優秀なITの才能を持った若者たちがたくさんいます。
一方で、日本は少子高齢化に伴う深刻なIT人材不足に悩まされており、企業のDX化や個人の生産性向上が急務となっています。そこで、カンボジアの優秀な若者たちと、日本のITニーズをダイレクトにつなぐことで、双方の課題を同時に解決したいと考えました。カンボジアの若者には正当な機会と豊かさを提供し、日本に対してはITの力で企業と個人の生産性を極限まで高めていく。この両輪を回していくことこそが、私たちのミッションです。
まずBtoB向けとしては、主に大企業様をターゲットとしたWebシステムの受託開発を行っています。特に私たちが得意としているのが、「Excelをベースに日々の業務を行っている企業様に対して、その使用感を維持したままシステムをWeb化する」という領域です。
もう一つのBtoC向けのサービスが、日本の「ITフリーランサー」の方々に対して、弊社の優秀なカンボジア人エンジニアを「部下」としてマッチングするという非常にユニークな取り組みです。
今後、AIのさらなる発達によって、日本人のエンジニアやクリエイターが最も強みを発揮すべきなのは、コミュニケーションやマネジメント、ディレクションといった「ソフトスキル」の部分です。
エンジニアから「雇用を生み出す経営者」への転身
――経営者になられた経緯を教えてください。
私自身がカンボジアの若者たちが持つ圧倒的な熱量と優秀さに触れ、心から感動したことです。「自分が一人のエンジニアとしてコードを書き続けるよりも、彼らに見合った正当な報酬と活躍の場を提供できる『仕組み』を作る側の人間になるべきだ」と確信したのです。
関わるすべてのステークホルダーを幸せにしたいと考えたとき、経営者として最もインパクトを与えられるのは「雇用の拡大」です。彼らの才能を世界へ繋ぎ、豊かな生活を提供したいという強い想いが、起業への何よりの原動力になりました。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
ビジネスにおいて2つの選択肢で迷ったときは、常に「どちらがより面白いか、ワクワクするか」を選択の軸にしています。
これまでの日本にはない新しい挑戦的なサービスを世の中に仕掛けていく方が、圧倒的に面白いですし可能性に満ちています。常に未来を面白くする方を選び続けたいですね。
また、1期目のベンチャー企業だからこそ「スピード」は徹底しています。連絡や要望へのレスポンス速度は特に意識しており、基本的にはすべての連絡を1分〜5分以内には返すスピード感を維持しています。
国境を越えたリモート環境で育む、友達のような信頼関係
――組織運営で意識していることを教えてください。
コミュニケーションにおいて、メンバーとはなるべく「友達感覚」でフラットに話すように心がけています。
日々の具体的なアクションとしては、毎朝必ずカジュアルな声かけから始めること。そして、一日の作業の締めくくりには、必ず「Thank you for your work.」と、感謝の言葉を添えて1日を終えることを徹底しています。
――採用や育成の面で重視しているポイントはどこでしょうか。
採用において私が最も重視しているのは、プログラミングの技術(ハードスキル)ではなく、圧倒的に「コミュニケーション能力や人間性(ソフトスキル)」です。学ぶ意欲があるか、最初の挨拶がきちんとできるかといった、基本的な人柄を感覚的に丁寧に見極めるようにしています。
お互いにとっての母国語ではない英語などの「第二言語」を介して会話をすることになります。そうした限られた言葉のやり取りの中でも、自分の考えを相手に分かりやすく説明しようと工夫してくれたり、豊かな感情表現を使って熱意を示してくれたりするかどうか。そこを一番大事にしています。
眠れるニーズを顕在化させる
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今後はもう一つの軸である「一般ユーザーやITフリーランサー向けの部下マッチングサービス」の普及に、より一層力を入れていきたいと考えています。
このサービスを進める上での大きな挑戦は、「個人が人を雇い、マネジメントを経験する」ということの価値やニーズを、どうやって日本の市場に顕在化させていくかという点です。
カンボジア人エンジニアの優秀さ、そして彼らが持つ根っからの明るさや真面目さには、絶対に喜んでいただけるという100%の自信があります。だからこそ、このサービスを広く知ってもらい、体験してもらうためのアプローチや仕組み作りを、クラウドファンディングの活用なども視野に入れながら、これから頭をひねって具体的に仕掛けていきたいですね。
貪欲に学ぶ姿勢の大切さを知った
――ご自身のキャリアや価値観に、大きな影響を与えた印象的なエピソードがあればぜひ教えてください。
学生時代に私の研究室へカンボジアからの留学生たちが15人ほどやってきた出来事です。
その時の彼らの姿勢が、日本のどんな文化や景色に対しても、とにかく貪欲に質問をぶつけてきてくれて一瞬も無駄にせず何かを学び取ろうとする熱量にあふれていました。
彼らとの出会いによって、私自身も「どんな環境にあっても、目の前のことからすべてのことを貪欲に学び吸収しよう」という姿勢へと、人生のスタンスが大きく変わりました。
――現在、多忙な経営日々を送られているかと思いますが、普段のリフレッシュ方法や趣味についてもお聞かせください。
私にとっての一番のリフレッシュは、やはり「カンボジアに足を運ぶこと」そのものですね。
現地に行くと、実はものすごくサウナやカフェのカルチャーが発展しており、日本の比ではないくらい街中にたくさんあって、驚くことに24時間営業しているカフェやサウナも珍しくありません。現地に滞在しているときは、仕事の合間に色々なカフェやサウナを巡ったりしています。