AI実装を、研究から現場まで。日本とベトナムをつなぎ、企業の真の課題に向き合う

Kiai Soft Japan合同会社 代表 飯島 裕介 氏

Kiai Soft Japan合同会社は、日本とベトナムのエンジニアが連携し、DXやAI開発の実装を支援する企業です。AI開発ではPoCから本実装まで伴走し、顧客の潜在的な課題を見極めたうえで最適な技術活用を提案。品質とコストの両面から企業の課題解決を支えています。今回の取材では、同社が掲げる理念や想い、今後の挑戦などについて伺いました。

研究と実装をつなぎ、AI開発を現場で使える形へ

——現在取り組まれている事業について教えてください。

現在は、AIの開発を支援することが多くなっています。PoCから始まり、実際の本実装までお手伝いするケースが増えています。DX、あるいはAXとも言いますが、そうした実装支援を、日本とベトナム双方のエンジニアを組み合わせたサービスとして提供しています。

AIは、単に技術を導入すればよいというものではありません。お客様の業務や課題に合わせて、どのような形で実装するのかを考える必要があります。そのため、企画や実証実験の段階から入り、最終的に企業の現場で使える状態まで伴走することを大切にしています。

——他社にはない強みはどのような点にありますか。

強みは、AIの研究や実証実験から、企業への実装まで一貫して支援できる点です。東京農工大学で准教授を務める方にも経営に参画していただいており、AIに関する研究や検証の知見を、実際の企業の開発に活かせる体制があります。

また、ベトナムと日本の両方で開発していることも強みです。リーズナブルにDXやAI実装を支援できることは、大きな特徴だと思います。代表を含め、日本語能力や日本での就労経験を持つメンバーもいるため、日本で求められる仕事の進め方を理解したうえで、ベトナムの開発力を活かすことができます。

経営判断の軸は、お客様の「真の課題」に向き合うこと

——経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

新卒でIT企業に入り、メディアやマーケティングオートメーションのツールを提供する会社などで経験を積みました。その中でITに詳しくなり、独立後にベトナムでECサイトの展開に関わる機会がありました。

日本の有名な健康食品を海外に展開したいという話があり、そこに手を挙げて参加したことが、ベトナムのエンジニアの皆さんの実力を知るきっかけになりました。

——経営判断で大切にしている価値観はありますか。

一番大事にしているのは、お客様の潜在的なものも含めた、本当の課題にフォーカスすることです。そこが分からないまま開発を進めてしまうと、間違ったものをつくってしまいます。

ITシステムの開発でも、AIの実装でも、根本にある課題が何かを見極めなければ、全然違うものができてしまいます。

そのため、お客様への提案内容を決めるときも、会社としてサービスを考えるときも、常にお客様の課題が起点になります。AI人材の採用や獲得に力を入れているのも、お客様の課題を解決するために必要だからです。

経営判断でも、ソリューションの提案でも、「何を解決すべきか」を最も大切にしています。

——個人的な価値観として、譲れない想いはありますか。

二つあります。一つは「好きこそ物の上手なれ」です。自分には向いていない、得意ではないと思って、最初から取り組まない人もいます。しかし、本当に好きで情熱を持てるものであれば、自分で勉強してどんどん吸収できると思っています。

社員に対しても、なぜそのキャリアを選んだのか、今後のキャリアが本人の興味や関心に合っているのかを聞くようにしています。好きではないことは成長も遅くなりやすいですし、本人の動機づけを考えることも、経営として大切だと思っています。

もう一つは、「自ら機会をつくり、機会によって自らを変えよ」という言葉です。今のように先が見えにくい時代には、絶対に正しい答えがあるわけではありません。

だからこそ、まずは自分で機会をつくり、その機会を活かして成長し、自分自身を変えていく努力が大事だと考えています。

感謝と共有を大切にする、日越チームのコミュニケーション

——会社の理念や文化には、どのような想いが込められていますか。

会社の文化として、「誠実」「シェアリング」「ありがとう」「尊敬」といった考え方を大切にしています。背景にあるのは、日本での就労経験を通じて学んだ仕事の進め方や、感謝の気持ちを持って仕事に取り組む姿勢です。

お客様やパートナーに対して感謝の気持ちを持つこと、報告・連絡・相談に代表される情報共有の文化を大切にすること。そうした日本の仕事の良さを、ベトナムの組織にも取り入れたいという想いがあります。

——社内のコミュニケーションで大事にしていることは何ですか。

一番大事なのは、感謝の気持ちを持ってコミュニケーションすることです。何かをしてもらったら「ありがとう」と伝える。これは仕事以前に、人とのコミュニケーションとして大切なことだと思っています。

また、小さなことでもすぐに共有する、報告する、相談するということも重視しています。日本では当たり前になりつつある部分もありますが、ベトナムで浸透させることは大切です。

日本人の仕事の進め方に合わせ、高いレベルで報連相ができるようにしていくことを意識しています。

外注ではなく、利害をともにする開発へ

——今後取り組んでいきたい挑戦や展開はありますか。

今後は、AIの領域でお客様と共同でソリューションやサービスをつくっていく取り組みに力を入れたいと考えています。ジョイントイニシアティブのような形で、お客様と一緒にサービスをつくり、利害をともにしながら展開していくことを中長期の展望として持っています。

単に開発を受ける外注先ではなく、一緒に利益や責任を共有しながら開発していく体制をつくっていきたいです。

また、自社で開発するサービスとして、二つほど展開を予定しているものがあります。一つは、ベトナムと日本のコミュニケーションの壁をなくすサービスです。

もう一つは、DXやAIの企画をもとに、簡単なデザインや試作品をスピーディにつくるためのプロダクトです。これまでの開発で培ってきた知見を活かし、企画から試作までをより速く進められるようにしたいと考えています。

体を動かし、景色を水槽で表現する時間

——休日はどのようにリフレッシュされていますか。

趣味はアウトドアとインドアの両方にあります。アウトドアではテニスが好きです。学生時代から続けていて、テニス推薦で高校に進んだこともあります。スポーツは好きな方ですし、仕事柄ずっと座っている時間が長いので、運動は大事にしています。

インドアでは、水槽やアクアリウムが好きです。魚を飼うというより、水槽をつくること自体が趣味になっています。水草を使ってきれいにレイアウトしたり、旅行で見た景色を思い出しながら、それを水槽の中でどう表現するかを考えたりしています。

ベトナムの景色や、日本で見た景色を思い出しながら水槽をつくる時間は、よいリフレッシュになっています。仕事でパソコンに向かう時間が長い分、画面から離れて、体を動かしたり、自然を感じられるものに触れたりすることを大切にしています。

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