横浜の食と人をつなぐ拠点へ――地域と共に歩む飲食店経営のかたち
株式会社よこはまグリーンピース 代表取締役 椿直樹氏
横浜の食文化や地域資源の魅力を発信しながら、飲食店経営を続ける株式会社よこはまグリーンピース。代表の椿直樹氏は、40年にわたる料理人としての経験を持ち、その半生の多くを横浜の地産地消活動に注いできました。地域の生産者や学校、企業などと連携しながら、飲食店を単なる食事の場ではなく、人と人をつなぐ場として育んでいます。今回は、事業への想いや経営観、今後の展望についてお話を伺いました。
地域とのつながりを大切にした飲食店づくり
――現在の事業内容について教えてください。
当社は飲食業を中心に事業を展開しています。また、料理講習の講師としての活動も行っており、今後は別の分野での講師活動も始めていきたいと考えています。
――事業の特徴や他社にはない強みはどのような点でしょうか。
私は料理人として40年の経験があり、その半分以上を横浜の地産地消推進活動に携わってきました。お店で使用する野菜は自ら畑へ取りに行き、農家の方々と直接取引を行っています。
そうした活動を続ける中で、生産者との関係だけでなく、地域の方々とのつながりも深まっていきました。企業との連携はもちろん、小学校や中学校、高校などとも関わりを持ちながら、地域と共に歩む飲食店づくりを進めています。
――理念やビジョンに込めた想いを教えてください。
単に利益を追求し、店舗数を増やしていくことを目指しているわけではありません。以前は横浜市内18区それぞれにお店を持てたらという想いもありましたが、今は一店舗一店舗を通じて地域全体を盛り上げられる存在になれればと考えています。
飲食店はお客様とお店だけで成り立つものではありません。スタッフや生産者、協力してくださる企業の皆さまと共に支え合いながら成り立つものだと思っています。
飲食店経営への挑戦と横浜への想い
――会社を立ち上げた経緯を教えてください。
私の両親はサラリーマンで、もともと事業を営んでいたわけではありません。そんな中、あるご縁から居抜き物件と出会ったことがきっかけでした。
当時すでに横浜の地産地消活動を行っていましたが、小さなお店からでも明るい未来を描くことができると感じ、起業を決意しました。ただ、資金はほとんどなかったため銀行融資を受けてスタートしました。
経営のノウハウもない状態での船出でしたが、起業した時期が東日本大震災の直前だったこともあり、創業から間もない頃は資金面で大きな不安を抱えていました。
――経営判断を行う上で大切にしていることは何でしょうか。
何かを判断するときには、その決断が横浜の地産地消やまちづくりにとってプラスになるかどうかを常に考えるようにしています。
――社名の由来について教えてください。
創業当時は5~6人ほどの仲間が集まり、「横浜に村を作ろう」という夢のような話をしていました。その時に、一つのさやの中にたくさんの豆が入っているグリーンピースのようなイメージがあり、それが社名の由来になっています。
現在は当時のメンバーは残っていませんが、その頃の想いが会社名には込められています。
現場に立ち続ける経営者として
――社内のコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
私は今も現場に立っています。キッチンで一緒に料理を作ることもありますし、フロアに出て接客をすることもあります。
まずは自分自身が手本になるように行動することを意識しています。また、仕事の話だけではなく、日常的な雑談も大切にしています。何気ない会話を通じてコミュニケーションを深めることを心掛けています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
今後、自分の考え方や行動を伝えていくための取り組みとして、「横浜野菜の仕事人」※単語要確認 という認証制度を立ち上げる予定です。
料理を作る技術や接客のスキルだけでなく、自分の地元を愛することや、人とのつながりを大切にすることも重要だと考えています。そうした価値観を共有し、一般的な飲食業の枠を超えて地域との関わりを深く考えられる人と一緒に働きたいと思っています。
家族との時間を大切にしながら未来を描く
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
常に仕事のことを考えているので、完全に頭から離れることはありません。ただ、仕事を頑張る理由の一つは家族の存在です。
そのため、家族と過ごす時間をいかに作るかを大切にしています。一緒にいる時間の中でも仕事のことを考えてしまうことはありますが、それでも家族との時間を確保することを意識しています。
――最後に、今後に向けた想いをお聞かせください。
飲食店として地域を盛り上げる存在であり続けたいと考えています。生産者や地域の方々とのつながりを大切にしながら、横浜の魅力を発信し続けていきたいと思います。