キッシー®流の「仕事しながら遊ぶ」経営論――京都から世界へ!和の心と日本文化を届ける挑戦
株式会社エリアプロモーションジャパン 代表取締役社長 岸本喜樹朗博士(YouTuber キッシー®)
YouTuberキッシー®としても活動しながら、滝行や京都社員旅行の催行、能楽の公演制作・脚本など、多彩な分野で日本文化の魅力を発信している岸本社長。その根底には、「日本のおもてなしの心(和の心)を世界へ届けたい」という一貫した想いがあります。株式会社エリアプロモーションジャパンでは、京都を起点に日本の魅力を国内外へ伝える事業を展開。本記事では、現在の取り組みや経営における考え方、今後の挑戦、そして岸本社長ならではの仕事観について伺いました。
目次
京都から世界へ――日本文化を発信する事業展開
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、日本文化の原点ともいえる京都、そして日本そのものの魅力を世界の皆さまと共有することをミッションに事業を展開しています。
行政との関わりも多く、昨年1月には当社が策定した「経営革新計画」が京都府知事から認定を受けました。また、私が脚本を手がけた新作能は令和2年の文化庁芸術祭参加作品として認定されています。
そのほかにも、京都の神社で実施している滝行事業では、観光庁から「サステナブルな旅アワード」の奨励賞をいただきました。そうした評価をきっかけに、大阪・関西万博の会場でショーを披露する機会にも恵まれています。
――幅広い事業を展開されていますが、現在注力している事業は何ですか?
中小企業は多くの商品やサービスを抱えすぎると、経営資源が分散してしまいます。そのため、現在は「中期5ヶ月経営計画書」を作成し、主力事業を2つに絞っています。
1つは「滝行」、もう1つは「社員旅行や慰安旅行のサポート事業」になります。
一般的な観光バス中心の旅行ではなく、京都に到着された後の滞在を充実させることを重視しています。京都は移動だけでも時間がかかるため、ホテルを起点に周辺エリアをじっくり楽しむ方が魅力を感じていただけることも少なくありません。
現在は、この2つを中心事業として育てているところです。
変化に対応する経営――「商売と屏風」の考え方
――経営判断の軸になっている価値観や信条を教えてください。
私は、価値観や信条に固執しすぎることが、かえって経営の妨げになる場合もあると考えています。
そこで大切にしているのが、「商売と屏風は、曲げないと立たない」という考え方です。さらに、「商売と屏風は、広げると倒れる」とも言います。
経営環境は常に変化しています。その中で、自分の考えだけにこだわるのではなく、状況に応じて柔軟に形を変えていくことが重要だと思っています。
この2つの言葉は、当社の経営理念そのものと言えるかもしれません。
開かれた会社づくりと株式会社の本来の姿
――会社経営において大切にしている考え方を教えてください。
私は、株式会社の本来の姿を大切にしたいと考えています。
日本では、会社は給料をもらう場所だと思われがちですが、本来は利益を生み出し、その成果を関わる人たちへ還元する仕組みです。
当社の特徴は、外部株主の比率が高いことにあります。私自身の持株比率は全体の約60%で、そのほかにも専務取締役や複数の企業、さらには100万円ずつ出資してくださっている企業が約10社あります。
結果として、外部株主が約40%を占める開かれた会社になっています。
日本の中小企業には同族会社が多くありますが、私はより多くの人が関わり、支え合う形こそが重要だと考えています。会社は経営者個人のものではなく、社会と共に存在するものだという考え方で運営しています。
――経営の中で「これだけは譲れない」と考えていることはありますか?
会社は私的なものではなく、公のものです。
もちろん株主の皆さまへの還元は大切ですが、それだけではありません。会社がさらに成長するためには、地域の方々やお客様から評価していただくことが欠かせないと思っています。
特に小規模な会社だからこそ、お客様に喜んでいただけるかどうかが最も重要です。
私が大切にしているのは、「みなさんと共に在る」という考え方です。会社だけが利益を追求するのではなく、周囲の方々と共に成長していくことが経営の本質だと考えています。
2029年ナスダック上場へ――明確な目標を掲げた挑戦
――今後取り組んでいきたい挑戦や展開について教えてください。
当社では、2029年11月30日までにナスダック上場を実現するという目標を掲げています。
規模の小さな会社が上場できるはずがないと言われることもあります。しかし、私はそうした先入観にとらわれる必要はないと思っています。今年6月にナスダックに上場したイーロン・マスクさんが率いる〈スペースX〉でさえも、最初の頃は「民間の一企業が宇宙事業なんて出来るのか!?」と言われていましたが、挑戦し続けたからこそ上場が実現しました。
その目標に向けて、今年は売上1億円、来年は2億円、その次に3億5000万円を目指す計画です。そして、その先に2029年の上場があります。
目標を公言すると否定的な意見も出てきますが、挑戦しなければ何も始まりません。だからこそ、具体的な期限と数字を設定し、一歩ずつ前へ進んでいきたいと考えています。
仕事と人生を分けない――岸本社長が考える豊かな働き方
――お休みの日のリフレッシュ方法や、息抜きはありますか?
私にとってリフレッシュは仕事そのものです。
世の中では「ワークライフバランス」という言葉がよく使われていますが、私はワークもライフの一部だと考えています。仕事を大変なもの、お金を得るためだけのものと捉えるのではなく、人生そのものとして楽しむことが大切だと思っています。
そのため、仕事ができること自体に感謝していますし、「休みの日」だけが特別にあるわけではありません。かと言って、毎日仕事漬けという感覚でもないんです。
例えば、仕事で会食をしている時間も私にとってはリラックスのひとときだと思い込むようにします。美味しい料理を味わいながら、その土地ならではの魅力に触れられることに幸せを感じます。
だからこそ、「仕事しながら遊ぶ」という考え方を大切にしています。その延長線上で、グラミー賞の授賞式にもタキシードを着て参加し、産経新聞社から依頼された授賞式レポート原稿も仕上げました。
仕事と遊びを切り分けるのではなく、人生そのものを楽しみながら仕事に向き合う。それが私のスタイルです。このスタイルを「是非弊社社員の研修会でお話してください」という依頼を受けることもあります。御社でもいかがでしょうか?