ITと労務の力で働く人を支える――中小企業診断士・社会保険労務士 赤城正孝氏が描く企業支援のかたち
中小企業診断士/社会保険労務士 赤城正孝 氏
中小企業診断士と社会保険労務士という二つの専門資格を活かし、企業の経営支援や労務管理支援を行っている赤城正孝氏。システムエンジニアとして培ったITの知見を強みに、人事・労務分野のデジタル化にも力を入れています。今回は、事業への想いや独立の経緯、今後目指している方向性について伺いました。
ITと労務の両面から企業を支援する
――現在の事業内容について教えてください。
私は中小企業診断士と社会保険労務士として活動しており、お客様は企業(法人)が中心です。主な業務としては、社会保険労務士としての労務管理支援や給与計算、各種手続きのサポート、そして中小企業診断士としての補助金申請支援や経営相談を行っています。現在は中小企業診断士としての業務割合が大きいものの、今後は労務管理や給与計算など、社会保険労務士としての支援にもより一層力を入れ、 経営と労務の両面から企業を支援できる体制を整えていきたいですね。
――他の事務所にはない強みはどのような点でしょうか。
私の強みは、システムエンジニアとして約8年間働いていた経験があることです。ITに関する知識やシステム活用の視点は、一般的な社会保険労務士事務所との差別化につながっていると思います。
現在特に力を入れているのが、人事・労務分野のデジタル化です。勤怠管理や給与計算などをシステム化し、業務効率を高める支援を行っています。
ただ、私としてはシステム導入そのものが目的ではありません。まずは勤怠管理や給与計算の仕組みを整え、その先で企業全体の業務改善につなげていきたいと考えています。
本当に実現したいのは、労務分野だけにとどまらず、バックオフィス全体の業務改善です。企業の管理業務を効率化することで、経営者や従業員の皆様が本来注力すべき事業活動に時間を使える環境づくりを支援していきます。
経営視点との出会いが独立への転機になった
――独立されたきっかけについて教えてください。
もともとはシステムエンジニアとして働いていました。最後に勤めていた製造業の会社では、生産管理部門へ異動することになったんです。
工場の生産計画や進捗管理、原価管理などに携わる中で、単なるシステムの知識だけではなく、経営的な視点が必要だと感じるようになりました。そこで出会ったのが中小企業診断士という資格です。
当時は、会社の社長を支える存在になりたいという想いがありました。その後、事情があって会社を離れることになったのですが、それならば資格を活かして独立しようと考えたんです。
2020年に開業し、現在は個人事業主として活動しています。社会保険労務士については後から資格登録を行い、事業の幅を広げてきました。独立当初は中小企業診断士業務が中心でしたが、現場を見るうちに労務支援の重要性をより強く感じるようになり、現在のスタイルに行き着きました。
――経営者として大切にしている考え方はありますか。
私の中で譲れないのは「違法状態を放置しないこと」です。
労務管理の現場では、法律上問題のある状態が見つかることもあります。もちろん、今すぐ全てを改善するのが難しいケースもあるでしょう。ただ、「一緒に改善方法を考えたい」という姿勢であれば、全力でサポートしたいと思っています。
一方で、「違法だと分かっていても変えるつもりはない」という考え方には賛同できません。そうした状態では人材も定着しづらくなりますし、企業の成長にもつながらないと考えているからです。
だからこそ、法令を守りながら企業と働く人の双方が幸せになれる環境づくりを大切にしています。
専門家同士の連携で企業を支える体制づくり
――組織運営や仲間との関わりについて教えてください。
私は個人事業主ですが、弁護士など他の専門家と同じ事務所で活動しています。私自身が直接雇用している従業員はいませんが、事務所全体としてはスタッフがおり、運営面を支えています。
事務所として目指しているのは、ワンストップサービスの提供です。
お客様の相談内容は、労務だけで完結するとは限りません。労務以外の法律の問題であれば弁護士、登記であれば司法書士というように、さまざまな専門家の力が必要になります。
そのため、どの専門家に最初に相談が入ったとしても、適切な専門家へつなげられる体制を整えています。お客様にとっては複数の窓口を探す手間が減りますし、よりスムーズな課題解決が可能です。
専門家同士が密に連携することで、一つひとつの課題に対してより良い提案ができる。その環境づくりも、私の大切な役割だと考えています。
起業直後の経営者を支える存在を目指して
――今後の展望について教えてください。
今後は、起業したばかりの経営者を重点的に支援していきたいと考えています。
初めて従業員を雇う時、多くの方は労務管理や手続きの煩雑さに直面します。社会保険や労働保険の手続き、勤怠管理、給与計算など、創業期に初めて経験することが非常に多いんです。
しかし、本来経営者が最も時間を使うべきなのは、売上や利益を伸ばすためのコア業務ではないでしょうか。だからこそ、専門的な労務管理は外部の専門家に任せていただきたいと思っています。
また、今後は人材不足がさらに深刻化していきます。その中で、勤怠管理や給与計算などを人手だけで回していくことは難しくなるかもしれません。
ITやデジタルツールを活用しながら業務を効率化し、限られた人材をより重要な業務へ集中させる。そうした仕組みづくりを支援していきたいですね。
3年後には事業規模をさらに拡大し、自身のスタッフを迎えながら組織として成長していくことも目標の一つです。
サッカーとキャンプで心を整える時間
――休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。
趣味は二つあります。
一つ目はサッカー観戦です。私は福島出身で、地元チームを応援しています。試合を見るために福島へ足を運ぶこともありますね。特に有名選手が出場する試合はやはり特別で、スタジアムの雰囲気も含めて大きな刺激をもらっています。
もう一つはキャンプです。一人で行くこともありますし、友人と少人数で出かけることもあります。大人数で賑やかに過ごすというよりは、自然の中でゆっくり過ごす時間が好きなんです。
現地で購入したお刺身を楽しみながら景色を眺めたり、炭火を見つめながら自然の音に耳を傾ける静かな時間を過ごすことが、私にとってのリフレッシュになっています。
――最後に、これから起業を目指す方へメッセージをお願いします。
これから起業を考えている方にお伝えしたいのは、「お客様のどんな課題を解決するのか」を徹底的に考えることです。テクニックは後から学べます。しかし、自分が何を実現したいのか、お客様が何を求めているのかを見失わないことが何より大切だと思います。
まずはそこをぶらさずに考え抜き、自分ができることでお客様の課題解決に向き合うことが重要ではないでしょうか。私自身もその初心を忘れず、これからも働く人たちの活躍を後押ししていきたいと考えています。