重なる光を洋服で表現する――OverRayが描くブランドの世界観と挑戦

OverRay 代表 岡田 泰典氏

OverRayは、「出会いや経験によって重なる光」をコンセプトに展開するアパレルブランドです。また、「Night Urban Wear」を掲げ、都市の夜に漂う静かな知性や個性、そしてそこに生まれる空気感を表現しています。ブランドを象徴する刺繍デザインや月をモチーフにした表現を通じて、人それぞれが歩んできた人生や個性を洋服として形にしています。本記事では、代表の岡田泰典氏に、事業内容やブランド誕生の背景、デザインへのこだわり、そして今後の展望などについて詳しく伺いました。

洋服を通じて“人生の光”を届けるブランドへ

――現在どのような事業を展開されていますか。

現在は、BASEを活用したECサイトを軸に、アパレルブランド「OverRay」を展開しています。中国のOEM先と連携しながら刺繍サンプルの制作を進め、SNSを通じた情報発信によってブランドの認知拡大に取り組んでいます。

また、ポップアップイベントへの出店に行うなど、オンラインだけでは伝えきれない商品の魅力やブランドの世界観を直接お届けする機会も大切にしています。ブランドとしてはまだ立ち上げ期にありますが、EC運営や発信方法を模索しながら基盤づくりを進め、一人でも多くの方にOverRayを知っていただけるよう取り組んでいるところです。

――ブランドにはどのような想いが込められているのでしょうか。

OverRayには、「出会いや経験によって重なる光を洋服として表現する」という想いを込めています。

ブランド名の「Over」には「重なる」「超える」、「Ray」には「一筋の光」という意味があります。人はさまざまな経験を重ねながら成長し、その過程で価値観や個性を育んでいくものです。成功体験だけでなく、悩みや挫折も含めた積み重ねが、その人らしさを形づくっていると考えています。

OverRayでは、そうした一人ひとりの歩みや背景に目を向け、それぞれが持つ個性や可能性を洋服を通じて表現したいと考えています。また、単に服を販売するのではなく、その人らしい空気感や世界観を表現する存在でありたいとも考えています。

「このままでいいのか」という想いから始まった挑戦

――ブランドを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

私はアシックスの『オニツカタイガー』で約7年間勤務し、販売や店舗運営、スタッフマネジメントに携わってきました。VMD(商品の陳列や店舗空間の演出を戦略的にデザインし、顧客の視覚に訴えかけて購買意欲を高めるマーケティング手法)にも関わり、商品そのものだけでなく、空間全体を通じてブランドの世界観や価値を伝えることの重要性を学びました。

一方で、経験を重ねるなかで「自分自身の手でブランドをつくり、より直接的に価値を届けたい」という想いが強くなっていきました。既存の枠組みのなかで成果を追求するだけでなく、自らの考えや感性を形にし、新たな価値を生み出す挑戦をしたいと考えるようになったのです。

その後、イベント会社で幅広い業務に携わりながら人脈や経験を広げ、ブランド立ち上げの準備を進めてきました。異なる環境で培った視点や経験も、現在のOverRayのブランドづくりに活かされていると感じています。

――決断を後押しした存在はありましたか。

大きな支えとなったのは、家族や友人の存在です。当時は将来について悩むことも多く、一人で考え込んでしまうこともありました。しかし、身近な人たちに相談するなかで視野が広がり、自分のやりたいことと改めて向き合うことができました。

特に親しい友人二人との出会いは、OverRayの原点ともいえる出来事でした。将来への不安や迷いを抱えていた時期に支えてもらった経験が、「人との出会いによって光が重なり、新たな可能性が生まれる」というブランドコンセプトにつながっています。ブランドを立ち上げたいという想いに対して前向きな言葉をかけてもらい、挑戦する決断を後押ししてくれました。人との出会いや対話によって新たな視点や気づきが生まれる――その経験は、OverRayのブランドづくりにおいても大切にしている価値観の一つです。

OverRayのデザイン哲学

――ブランドを象徴するロゴには、どのような意味がありますか。

ブランドの象徴となるロゴが「Raybloom」です。このデザインは、「三人寄れば文殊の知恵」という考え方から着想を得ています。異なる価値観や視点を持った人たちが集まることで、新しい発想や可能性が生まれる――その考えを、洋服にも反映したいと思いました。

ロゴには3色の糸を使用し、コントラストによって光を表現しています。また、月の満ち欠けのように姿を変えながらも本質は変わらない存在として、人の成長や変化も重ね合わせています。

人は誰かと出会い、影響を受けながら少しずつ変化していきます。その過程で生まれる自分らしい輝きを表現したいという想いを込めた、OverRayを象徴するシンボルです。

――デザインづくりで大切にしていることを教えてください。

まずは興味を持っていただくこと、そしてその先にあるブランドの世界観を知っていただくことです。

OverRayには「Raybloom」のほか、「Moonring」や、月明かりを思わせる淡い色彩の狐をモチーフにしたデザイン、反骨精神や内面に秘めた闘争心、挑戦する意志を表現した「デビルタイガー」など複数のデザイン軸があります。ポップアップイベントでは、動物をモチーフにしたアイキャッチ性のあるデザインをきっかけに足を止めてくださる方も多くいらっしゃいました。その場でブランドの背景やコンセプトをお伝えすると、「そういう意味があったんですね」と共感してくださる方もいます。このように、単に見た目のよさだけではなく、背景にあるストーリーまで含めて届けることが、OverRayらしさだと思っています。

試行錯誤の先に描く、ブランドの未来

――これからOverRayをどのようなブランドにしていきたいですか。

OverRayを通じて、「人生の積み重ねには意味がある」と感じていただけるようなブランドになりたいと考えています。目指しているのは、洋服を販売するブランドではなく、人それぞれが持つ物語や価値観に寄り添い、その人らしい光を表現できるブランドです。

誰もが悩みや迷いを経験しながら成長し、自分だけの色を見つけていきます。その過程を肯定し、そっと背中を押せるような洋服を届けたいんです。

現在はまだ試行錯誤の段階ですが、一つひとつの出会いを大切にしながら、より多くの方にOverRayの世界観を知っていただけるよう挑戦を今後も続けていきます。ブランドとして成長することはもちろん、洋服を通じて誰かの前向きな一歩を支えられる存在になれたら嬉しいです。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

人生には思い通りにいかない時期や、立ち止まってしまう瞬間があります。しかし私は、その経験や出会いは決して無駄にはならないと思っています。

私自身も多くの人に支えられ、悩みながら一歩を踏み出してきました。誰かとの対話によって救われたり、新しい道が見えたりすることがあります。

今悩みのなかにいる方も、その経験はきっと未来につながっていくはずです。それぞれが持つ光を大切にしながら、自分らしい人生を歩んでほしい――そしてOverRayの洋服が、その歩みを後押しする存在になれたら嬉しく思います。

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