人を育て、事業をつくる――仲間と稼ぐ力を育てる等身大の経営論

合同会社Ethilia 代表 童子 尚樹氏

合同会社Ethiliaは、EC事業、AI漫画広告を中心に、マーケティング支援やIT・Web事業等で企業の課題解決と成長を支援する企業です。時代の変化に合わせて柔軟に事業を展開しながら、多角的な領域にも取り組んでいます。代表の童子氏は、エンジニアとしての経験を背景に、仲間が稼げる仕組みづくりを重視した経営を実践しています。本記事では、事業の特徴や価値観、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。

多角的に広がる事業とその成り立ち

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社は複数の事業を横断的に展開しています。まず小売業としては、共同経営で1店舗の運営に関わっています。加えて、現在の主軸となっているのがEC事業です。「ミライセレクト」というECショップを立ち上げ、商品の開発から販売まで一貫して行っています。現在は、美容に特化した発酵ソイプロテイン「ソイっと美人」を自社で開発し、販売しています。

もともとエンジニアとして約20年の経験があるため、その延長でITコンサルティングにも携わっています。企業ごとの課題に応じた支援を行うほか、マーケティング領域では、日本酒ブランドの立ち上げに関わるなど、商品や事業づくりの段階から関わるケースもあります。

こうしたITコンサルやマーケティング支援を行う中で、デザインの必要性を感じる場面が増え、パッケージやWeb制作を含めたデザイン領域にも対応するようになりました。その流れでWebデザイン事業も立ち上がっています。

このように当社では、共同経営の小売業を起点に、EC事業を中心としながら、ITコンサルティング、マーケティング支援、Webデザインといった複数の領域を連動させながら事業を展開しています。

――新たに取り組まれている事業や今後の展開について教えてください。

事業は計画的に広げたものだけでなく、流れの中で生まれたものもあります。

最近ではアパレルの事業が立ち上がったほか、AIを活用した漫画広告の制作にも取り組めるようになりました。今後はそれらをマーケティング支援に活かしていく予定です。

状況や必要性に応じて、新しい領域に挑戦し続けているのが当社の特徴です。

仲間の成長を軸にした事業づくりの思想

――御社ならではの強みやこだわりはありますか?

事業として利益を出すことは前提にありますが、それ以上に重視しているのは、一緒に働く仲間がしっかり稼げるようになることです。その軸をもとに事業を組み立てています。

例えば、業務委託で関わっているメンバーの中には、将来的にデザインを仕事にしたいと考えている人もいます。ただ、未経験の状態では案件を獲得するのは難しいのが実情です。そこで当社では、自分たちで商品を販売できる仕組みを活かし、その人にデザインを制作してもらい、それをもとにTシャツなどの商品として販売する取り組みを行っています。

商品が売れれば利益が生まれ、その中からデザイン料を支払うことができますし、本人にとっても実績としてポートフォリオに活用できます。単に仕事を与えるのではなく、実際に収益が生まれる流れの中で経験を積める点が特徴です。

こうした取り組みを通じて、新しいことに挑戦しながら「稼げる力」を身につけてもらうこと、さらにその先で自分自身の事業を持てるようになることまでを見据えています。事業そのものが、人の成長につながる仕組みになっている点が当社の強みです。

――企業理念にはどのような想いが込められていますか?

「かくまでも醜き国になりたれば捧げし人のただに惜しまる」という短歌に強く心を動かされたことが原点にあります。

世の中に、自分さえ良ければいいという考え方が広がっているように感じたとき、この言葉に触れました。

自分だけの利益を追うのではなく、一緒に関わる人や周囲のことも考えて行動できる人を増やしたい。そうした想いから、事業を通じて人を育てていくことを大切にしています。

未経験から歩んだキャリアと価値観の原点

――これまでの経歴やエンジニアになられたきっかけを教えてください。

もともとITの分野を専門的に学んできたわけではなく、未経験からエンジニアの道に入りました。大学までは地元で心理学を学んでいましたが、特別に強みがあったわけでもなく、就職活動も大学4年生の5月までほとんどしていない状態でした。

周囲が内定を取り始めているのを見て、「就活はするものなんだ」と気づいたのがスタートです。そこから合同説明会に参加し、ゼロから育成するという方針を掲げている企業と出会いました。営業職には苦手意識があったこともあり、「一から学べるなら挑戦してみよう」と考えてIT業界に進むことを決めました。

2006年に入社して以降、エンジニアとして経験を積み重ねてきました。最初から明確な志向があったわけではありませんが、その環境に飛び込んだことが、現在の事業にもつながっています。

人との関係性を重視した組織づくり

――社内コミュニケーションで大切にしていることは何ですか?

特別に仕組み化しているというよりも、日常の中で自然にコミュニケーションを取ることを大切にしています。

仕事終わりに食事に行くことが多く、夜遅い時間でも「行くか」と声をかけて集まることがあります。近くに住んでいるメンバーもいるため、そうした時間を共有しやすい環境です。

食事自体が好きということもあり、一人で行くことはほとんどなく、必ず誰かと一緒に過ごしています。気分転換の側面もありますが、そうした時間の中で自然と会話が生まれ、結果的に仕事の話につながることも少なくありません。

――どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?

一番は人柄です。能力やスキルは後から身につけることができますが、人柄は簡単には変えられません。

そのため、素直で人として良いと感じられる人と一緒に働きたいと考えています。

事業として成立させる挑戦とこれからのビジョン

――今後取り組みたいことや挑戦を教えてください。

将来的には、飲食の分野にも挑戦したいと考えています。つくりたいのは、困っている人がいたら「無料で食べていっていいよ」と言えるようなお店です。

子どもだけでなく、大人でも生活に余裕がなくなる瞬間はあると思っています。特に社会の変化が激しい今は、若い人ほど不安を感じやすいはずです。そういうときに「ここに行けばなんとかなる」と思える場所があったらいいなと。

もちろん、単なるボランティアではなく、きちんと事業として成立させたいと考えています。安定して利益が出る状態をつくり、その中でお店を続けていける形にする。そうすればサービスも守れますし、そこで働く人の雇用も維持できます。

自分の好きな「食べること」をきっかけにしながら、そうした仕組みを実現していきたいと思っています。

――経営において「ここだけは譲れない」ということはありますか?

あまり強いこだわりは持たないようにしていますが、あえて挙げるなら「悪いことをしない」ということです。

そのうえで、一緒に働く仲間がしっかり稼げるようになること、さらにその先で自分の事業を持てるような道をつくること。この軸だけはぶらさずに経営しています。

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