猫と人が安心して共に生きられる、持続可能な居場所づくりへ

猫のおうち探し 代表 折居 春香 氏

保護猫活動に関わる中で、里親探しの難しさや、ボランティアの方々が抱える負担を目の当たりにしてきた折居氏。猫の幸せを第一に考えながら、里親が見つからない猫たちにも、生涯安心して暮らせる居場所をつくりたい。そんな想いから、「猫のおうち探し」という活動に取り組んでいます。将来的には、猫がのびのびと過ごせる自然の中の施設や、人も猫の癒しの力に触れられる場所づくりを目指す折居氏に、現在の活動や事業を始めるに至ったきっかけ、抱えている課題などについて伺いました。

猫の幸せを第一に考え、生涯安心できる居場所をつくりたい

——現在の活動について教えてください。

もともとは、保護猫のボランティア活動をしていました。里親さん探しがとても大変で、困っている方が多いと感じたことがきっかけで、「猫のおうち探し」という活動を始めたいと考えるようになりました。

目標としているのは、里親さんが見つからない保護猫たちの終生の居場所づくりです。猫が一生安心して暮らせる場所をつくりたいと思っています。

猫に支えられた経験が、活動の原点になっている

——保護猫活動に関心を持ったきっかけを教えてください。

きっかけは、沖縄の保護猫施設で初めて猫の里親になったことです。その施設の方から、沖縄の野良猫問題や、ボランティアの方たちが体を酷使し身銭をきって活動されているというお話を伺いました。

もともと猫がすごく好きだったので、自分にも何か活動できないかな、お手伝いできないかなと思い、最初はボランティアとして関わらせていただきました。

母も昔から猫が好きで、40年近く保護活動をしていました。沖縄の実家には、いつも10匹ぐらい猫がいる環境で育ったので、私自身も本当に猫に育てられたような感覚があります。

学生時代に父が急死しました。その時、母がすごく落ち込んでしまい、私も支えなければいけないと思いながら、自分自身もしんどい時期がありました。そんな時に、自宅にいた猫たちが寄り添ってくれたのです。私たち家族にとって、それはとても救いになりました。

だからこそ、猫に対して恩返しができたらという想いがあります。楽しいことも悲しいことも、猫はそばで共有して支えてくれる存在でした。その経験が、今の活動につながっています。

保護猫活動の課題は、資金面と心の負担にある

——活動に関わる中で、特に解決したいと感じている課題はありますか。

保護猫ボランティアを少し経験させていただいて感じたのは、資金面の負担と、メンタル面の負担がとても大きい活動だということです。猫のために身を削って頑張って活動されている方たちの負担を、なるべく減らしたいと思っています。

たとえば、猫が病気にかかっていた場合の治療費や、お腹の中に赤ちゃんがいた場合の対応など、精神的にも重く感じる場面がありました。そうしたことも含めて、せめて資金面だけでも皆さんの負担を減らせるような活動にしたいです。

——活動の中で印象的だったことはありますか。

最初にボランティアとして入らせていただいたことが印象的でした。高齢の方のご自宅で、不妊去勢手術をするという知識がなく、猫が12匹まで増えてしまっている状態でした。

私が行くと猫たちは逃げてしまっていたのですが、その方が「おいでおいで」と呼ぶと集まってくるのです。猫のことを大切に思っていないわけではなく、動物病院がどこにあるのか、不妊去勢手術が必要だという知識がなかっただけでした。

その経験から、猫と一緒に過ごしたい方の気持ちもすごく分かるようになりました。奥様をご自宅で介護されていた方で、奥様も猫がいるとすごく喜ぶと伺いました。猫と触れ合うことで癒しをもらっているように感じたのです。

自分の母も、父が亡くなった後、猫の世話をしないといけないという理由で早く起きるようになり、健康的な生活につながっていました。

だからこそ、自分の年齢を気にして犬や猫を飼えない高齢の方や、本当は動物と暮らしたいけれど諦めている方にも、施設から一定期間預かるような形で、猫と過ごしていただける仕組みができたらいいなと考えています。

猫にも人にも癒しが生まれる、自然の中の施設を目指して

——今後、どのようなことに挑戦していきたいですか。

猫は、本来ずっと部屋の中に閉じ込められる存在ではなく、できればのびのびと自然の中で動き回ってほしいという気持ちがあります。将来的には、森の中に猫の終生の居場所を兼ねた施設のようなものをつくれたらいいなと思っています。

そこでは、猫たちがのびのびと過ごせるだけでなく、猫の癒しの効果によって、人のメンタル面にも良い影響が生まれるような場所にしたいです。猫カフェとは少し違って、猫と人が触れ合い、お互いに癒し合えるような環境を大切にしたいと考えています。

里親さんのもとに行っても、また帰ってきてしまう猫もいます。先住猫との相性が合わなかったり、脱走してしまったり、引っ越しなどで飼えなくなってしまうケースもあると聞きます。そういったことが起こらないように、本当に猫の老後まで考え、一生そこで暮らせる居場所をつくりたいです。

相手の気持ちを考え、猫の生涯を見据えて関わる

——一緒に活動する方との関係で、大切にしていることはありますか。

一緒に活動したいと思うのは、まず猫の幸せを一番に考えてくれる方です。猫に対して愛情を持っていることはもちろん、保護猫活動をされている方々に対しても敬意を持っている方と一緒に活動したいです。

保護猫活動は、誰かと競うようなものではないと思っています。猫の幸せを第一に考えられることが、とても大事です。

コミュニケーションでは、なるべく相手の気持ちになって考えるように努力しています。まだまだできていない部分もあると思いますが、困っている人を見捨てないことを大切にしたいです。

猫についても、一定期間だけではなく、生涯の幸せを考えられる方と関わっていきたいです。猫が一生安心して暮らせること、人も猫と関わることで癒しを感じられること。その両方を大切にしながら、これからの活動を進めていきたいです。

読書と掃除が、日々を整える時間になっている

——日頃のリフレッシュ方法を教えてください。

何も予定がない日は、読書をしたり、カフェに行って本を読んだりしています。家の中の整理整頓や掃除も好きです。

1日中掃除をしたり、家事をしたりすることが、私にとっては癒しになっています。猫がいると毛も抜けますし、特に生え変わりの時期は大変ですが、そうやって家を整える時間も、自分にとって大切なリフレッシュの時間です。

猫の幸せを考えながら、人と猫が安心して共に過ごせる場所をつくること。その想いを形にするために、まずは自分自身の力をつけ、同じ想いを持つ方々と一緒に、持続可能な活動へとつなげていきたいです。

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