本当に良いものだけを届けたい――コーティングの価値を追求し続けるOLFEの想い
株式会社OLFE 代表取締役 干場 隼氏
株式会社OLFEは、自動車のコーティング事業を軸に着実に実績を積み重ねる企業です。近年は、気温上昇などへの関心の高まりに伴い、建物の窓ガラスに対する遮熱コーティングという新たな領域へと挑戦を広げています。目に見えにくいからこそ価値が伝わりにくいコーティングの世界において、「本当に良いものを届けたい」という強い信念を持って事業を展開する代表の干場隼氏に、取り組みの背景や経営観、そして未来への展望などについて伺いました。
コーティングの可能性を広げる
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
現在は、自動車のコーティングを主軸としながら、新たに建物の窓ガラスに施工する遮熱コーティング事業を展開しています。これは、ガラスに特殊なコーティングを施すことで紫外線や赤外線を吸収し、室内温度の上昇を抑える技術です。従来のフィルムとは異なり、見た目を大きく変えることなく効果を発揮する点が特徴で、見た目を損なわずに暑さ対策ができる点に価値があります。
特に近年の気温上昇の影響もあり、暑さ対策への関心は確実に高まっています。しかし、フィルムはある程度認知されている一方で、「コーティング」という選択肢はまだ十分に浸透していないのが現状です。そのため、まずはこの技術の存在を知ってもらうこと自体が重要な課題だと感じています。
――どのような場所への展開を考えていますか。
今後は、特に保育施設や教育機関への導入を広げていきたいと考えています。子どもたちは体温調整が難しく、熱中症のリスクも高いため、室内環境の改善は非常に重要です。そうした命に関わる部分に対して、自分たちの技術で貢献できる可能性があると感じています。
また、店舗や施設など人が多く集まる場所においても、快適性の向上という観点で価値提供できる分野だと考えています。
――御社事業の強みを教えてください。
当社で採用しているコーティング材は、高耐久かつ高性能である点が特徴です。一般的な製品のなかにはプライマー(接着剤)を使用するものもありますが、それが劣化すると性能が落ちてしまうのが難点です。一方で、当社のコーティング材はガラスに直接定着するため、長期間にわたり効果を維持できる構造になっています。
“好き”から始まったキャリアを「価値の提供」への転換
――この業界に入られたきっかけを教えてください。
学生時代に、自動車のゲームに夢中になったことが原点です。ゲームのなかで気に入っていた自動車があったことがきっかけで実際の自動車にも関心を持ち、板金塗装の仕事に就きました。
ただ、板金塗装は部分的な修復が中心です。対してコーティングは、自動車全体を美しくできる仕事であり、その点に魅力を感じてコーティング業へと進みました。
――現在の事業に至るまでの転機はありましたか。
独立当初は、大手中古車販売店の下請けとして数をこなす仕事をしていました。しかし、お客様が高額な費用を支払っている一方で、現場では短時間・低単価で施工されている現実に疑問を抱くようになっていったんです。その経験から、「本当に価値に見合ったサービスを提供したい」という想いが強くなり、自分の店舗を構える決断をしました。「価格ではなく、価値で選ばれる仕事をしたい」という考えに変わった瞬間だったと思います。
その後も「良い商品とは何か」を探し続けるなかで、現在の遮熱コーティング技術に出会いました。既存のお客様に対しても、新しい価値を提供できる可能性を感じています。
関わるすべての人を大切に
――御社の理念について教えてください。
「一は全、全は一」という言葉を大切にしています。自分に関わる一人ひとりに対して最大限の価値を提供し、その積み重ねが全体をつくるという考え方です。
お客様だけでなく、関わるすべての人との関係を大切にし、同じ方向を向いて進んでいける関係性を築きたいと考えています。
――経営判断の軸となる価値観は何でしょうか。
単純なお金儲けではなく、人と人との関係性を大事にすることです。必要のないものを売ることや、嘘をつくことはしたくありません。本当に必要としている人に対して、正直に価値を届けたいと考えています。
私がこのように考えるようになったのには、保険営業の方との出会いが大きく影響しています。「商品を売るのではなく、問題を解決する」という姿勢に触れ、自分の仕事の在り方も大きく変わりました。押し売りではなく、納得して選んでもらう――その姿勢を貫いていきたいと思っています。
――組織運営で意識していることはありますか。
現在は基本的に一人で運営しつつ、業務委託の方に協力してもらっているのですが、少人数だからこそ、一人ひとりとの関係性を非常に大切にしています。また、指導においては、昔のような「見て覚えろ」というスタイルではなく、しっかりと説明し、実際に見せながら理解してもらうことを意識しています。わからないことを聞きやすい環境をつくることで、結果的に仕事の質や効率も高まると考えているためです。
課題と向き合いながら、“選ばれる価値”をつくる
――今後の展望についてはどのようにお考えですか。
事業としては、遮熱コーティングの認知拡大と集客が大きなテーマです。コーティングは一度施工すると長期間効果が続くため、リピートが生まれにくいビジネスモデルです。そのため、継続的に新規顧客を獲得していく必要があります。
また、コーティングの価値が伝わりにくい点も課題です。目に見えない分、「どれも同じ」に見えてしまうことが多いのですが、そのなかで、自分の想いや製品を選んだ理由などをしっかり伝えることが重要だと思っています。
一方で、個人的なビジョンとしては、子どもたちへの支援にも取り組んでいきたいと考えています。具体的には、子ども食堂のような場をつくり、そこに経営者の方々を招いて、お金や仕事について学べる機会を提供したいです。努力したい気持ちがあっても環境的に難しい子どもたちに対して、選択肢を広げる場をつくりたいという想いがあります。
企業側にとっても将来の人材と出会う機会になるなど、双方にメリットのある仕組みであれば、お金だけではない価値を社会に提供できるでしょう。今後はそうした仕組みづくりを進めていければと思います。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
コーティング業界は、どこも良いことが書いてある分、違いが分かりにくい世界です。だからこそ、「何を選ぶか」だけでなく、「誰から買うか」が大切だと思っています。
私は、嘘をついたり押し売りをしたりすることなく、本当に良いと思ったものだけを届けたいと考えています。話を聞いて納得していただいた方にだけ提供する――それが私のスタンスです。ですので、商品そのものの良し悪しだけでなく、「なぜそれを選んだのか」「どんな想いで提供しているのか」を感じ取っていただけたら嬉しいです。