若者の挑戦を後押しする「学生起業大学」の挑戦

特定非営利活動法人学生起業大学 代表理事 田中 勇一氏

高校生・大学生の段階から「起業」という選択肢を現実のものにする――。そんな新しい学びの場を提供しているのが、田中氏が立ち上げた「学生起業大学」です。2020年にNPO法人として設立され、これまでに複数期の学生が受講してきました。「起業は人生と真剣に向き合うことから始まる」と語る田中氏に、事業への思いとこれからの展望を伺いました。

学生の可能性を広げる「学生起業大学」の理念

――現在の事業内容と特徴を教えてください。

立ち上げたのは2020年4月です。準備期間を含めると約2年をかけてNPO法人化しました。コンセプトは「15歳からの起業教育」。高校生・大学生を対象にした企業塾を運営し、昨年10月に第1期を開講しました。現在は3期生までが在籍しています。

――他の起業支援との違いはどこにありますか。

単に経営学やビジネススキルを教えるだけではありません。大切にしているのは「自分は何をやりたいのか」「命を懸けてでも成し遂げたいことは何か」と真剣に向き合うことです。そこにこそ起業の原点があると考えています。そのため、学生一人ひとりの内面と向き合いながら学びを進めることを重視しています。

銀行員から教育事業へ 経営者としての歩み

――ご自身が起業家になられた経緯を教えてください。

もともとは銀行員でした。海外留学の経験を経て、日本と海外の情報格差に気づいたことが大きな転機でした。帰国後に無謀ともいえる挑戦をして最初の起業は失敗しましたが、その経験から「自ら考え行動する力」を日本人が身につけなければ国は変わらないと痛感しました。そこから教育分野で事業を立ち上げ、今に至ります。

――経営者として大切にしている価値観は何でしょうか。

「日々できることを精一杯やる」ことです。明日死んでも悔いがないように、目の前のことに全力で取り組むことを心がけています。

――印象的な経験を一つ挙げるとすれば。

東京都が立ち上げた「新銀行東京」の創設に携わったことです。多くの困難に直面しましたが、仲間と共に前進する中で形ができていく過程を体験できたのは非常に大きな学びでした。

小さな組織だからこそ大切にする自主性と対話

――現在の組織運営について教えてください。

運営メンバーは約10名で、そのうち講師が5~6名です。まだ立ち上げ期なので、報酬面も含め大きな余裕はありません。だからこそ、まずは「ビジョンに共感できるか」を大切にしています。やりたいことと組織の理念が重なることで、自発的に動ける人が集まっています。

――社内のコミュニケーションで重視していることは何でしょうか。

「困ったらすぐ共有する」「情報は自分から発信する」ことです。定例会議だけでなく、必要な時には即座に集まって話し合うようにしています。小規模だからこそ意思疎通を密にし、スピード感を持って動けるよう心がけています。

人となりを支える価値観とリフレッシュ法

――影響を受けた人物はいますか。

松下幸之助氏です。誕生日が同じこともあり、子どもの頃から親近感を抱いていました。「社会を良くすること」を前提に経営を行っていた姿勢に強く影響を受けています。

――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。

音楽が好きで洋楽をよく聴きます。また、海に出てウィンドサーフィンを楽しむこともあります。自然に触れながら体を動かすことでリフレッシュし、新しい発想につながっています。

教育制度を変える未来への挑戦

――今後の展望をお聞かせください。

まずは小さな実績を積み上げることです。受講生が実際に起業する事例を生み出し、その成功体験を広げていきたいと考えています。特に地方には大きなニーズがあります。オンラインを活用し、各地域で少人数制の塾を展開し、地元に根ざした若者が地元でビジネスを起こす流れをつくりたいです。

最終的な目標は「教育制度そのものを変えること」です。大学進学が唯一の進路ではなく、15歳からでも自ら事業を立ち上げられるという選択肢を示したい。その事例を積み重ねることで、教育のあり方を社会に問いかけていきたいと思います。

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