「心の奥底に触れる“気づき”を届けたい」ヒプノセラピーで人生の再出発を支えるメンタルケア
Harmony with 代表 西垣 友美氏
ヒプノセラピーを軸に、心の深層に働きかけるメンタルケアを提供するHarmony with。代表の西垣友美さんは、JICAでの12年間のキャリアを経て、まったく異なる領域へと飛び込んだ。“人生の選択肢としてのヒプノセラピー”を広めたいと起業した6年目の歩みについて伺いました。
目次
喪失の痛みに寄り添う――ヒプノセラピーを中心にしたメンタルケア事業
――現在の事業内容について教えてください。
主軸としているのは、催眠技法を用いた心理療法「ヒプノセラピー」です。喪失体験や人間関係の葛藤など、人生の中でメンタルが落ち込む場面は誰にでもありますが、その反応を“病気”と決めつける必要はありません。話を聞いてもらい、自分の思いを受け止めてもらうだけで、心が正常な状態へ戻る方は多く、私はそのための安全な場所をつくりたいと考えています。
診療内科では薬が処方される場合がありますが、根本の課題に触れられないまま、不調が長引く方も少なくありません。民間のメンタルケアは、そうした方にとっての新しい選択肢になり得ると感じています。今後は、ヒプノとカウンセリングを中心にサービス内容を再構築し、より深く寄り添える形へ整えていく予定です。
キャリアの転換点――JICAでの12年と、40歳で気づいた“人生の軌道修正”
――経営者になられたきっかけを教えてください。
前職のJICAでは、発展途上国からの研修員受け入れを担い、研修の企画・調整を行っていました。やりがいは大きかったものの、残業続きで生活の大半を仕事に捧げる日々。40歳を目前にした頃、「この働き方をあと10年続けられるのか」という不安が強くなりました。
さらに担当していた研修員が重病で倒れ、帰国後に突然亡くなるという出来事が重なりました。同い年の彼女の死は、「明日が当たり前に来るとは限らない」ことをはっきり突きつけました。もし自分が今のまま人生を終えたら後悔はある――そう気づいた瞬間、キャリアを変える覚悟が固まりました。
退職後に「興味はあったのにやってこなかったこと」を一つずつ体験していく中で出会ったのがヒプノセラピーです。1回のセッションで意識の階層が切り替わる感覚に深い衝撃を受け、「これを必要としている人は想像以上に多い」と確信し、この道で起業しました。
一人だからこそ築ける“深い信頼”
――クライアントと向き合う際、大切にされている姿勢はどのような点でしょうか?
個人事業として一人で運営しているため、クライアントとの関係性は非常に密度が高いです。「安心して話せる」と言っていただけることが多く、心の痛みや葛藤に触れる仕事だからこそ、まず“安全な場”を整えることを何より重視しています。
特に多い相談は親子関係です。40~50代の方が中心で、自分と親との関係を見つめ直すことで、自分の子どもへの接し方も自然と変わっていきます。インナーチャイルドを癒すプロセスを丁寧に行うことで、長年の関係性が好転するケースは少なくありません。
印象深いのは、父親と確執のあった2代目社長が、セッション後に腹を割って話し合えるようになり、最終的に事業統合に至ったという出来事です。わずか1回のセッションで人生が動き出す瞬間に立ち会えたことは、今も強く心に残っています。
バリでの新たな挑戦――“心を解放するリトリートツアー”へ
――今後挑戦したいことを教えてください。
ずっと計画してきたのが「リトリートツアー」です。現在はバリと名古屋の2拠点生活をしており、バリの自然豊かな環境は、心をほどき自分を取り戻すには最適な場所だと実感しています。来年以降は4泊6日のバリリトリートを本格的に企画し、深いメンタルワークと癒しを組み合わせた体験を提供したいと考えています。
事業としては、売上を3年で6~7倍に伸ばすことを目標にしています。そのためにも、これまで紹介中心だった集客を強化し、発信を進めていくことが現在の課題です。
心を整える時間――旅行と、自分を支える感性
――プライベートでは、どんな時間が心のリフレッシュになっていますか?
今は旅行が一番のリフレッシュです。以前は滝行、フラメンコ、ヨガが趣味で、どれも“自分の内側と向き合う時間”として大切なものでした。特にヨガでは最終ポーズのシャバーサナで思考が解け、インスピレーションが降りてくる瞬間があり、今の屋号「Harmony with」もそのときに浮かんだ言葉です。
これからも、人の心の回復に寄り添えるよう、自分自身の感性と向き合いながら、よりよいセッションの形を追求していきたいと思います。