“犬の衣食住すべてを支えたい”──唯一無二のドッグアパレルを創る、Wanhomeの挑戦
Wanhome株式会社 代表取締役 麻生 久未保氏
オリジナル型紙から生地選び、縫製、販売までを一貫して行う希少なドッグアパレルブランドとして成長を続けるWanhome株式会社。代表の麻生久未保氏は、愛犬との暮らしから着想を得て“ワンちゃんのための大人服”を追求し、全国の飼い主から厚い支持を集めています。本記事では、創業の背景からこだわりのものづくり、組織運営、そして未来の展望まで、お話を伺いました。
唯一無二の“大人服のようなワンコ服”を届ける
――現在の事業の特徴や強みを教えてください。
自社で型紙づくりから生地選び、縫製、販売まで一貫して行っていることが最大の特徴です。ドッグアパレルは既製の型紙を使い、海外でまとめて生産する企業も多いのですが、当社は一切それをせず、ワンちゃんの体型に合わせて一つひとつ型を取っています。
私は生地を見るのが得意で、触った瞬間に「洗ったらどうなるか」「肌への負担はないか」が分かります。初めての素材は必ず洗って乾かして状態を確認するなど、徹底して“安心して着られる素材”だけを使用しています。
さらに、4匹の愛犬と暮らしているため、サイズ感や毛色による似合わせも自然と分かります。マルシェでは、その子の雰囲気や飼い主さんの好みに合わせた“似合わせコーデ”が好評をいただいています。細かなセミオーダーにも対応しており、ここまで柔軟にできる会社はほとんどないと思っています。
「作るしかない」と始まった10年の挑戦
――起業のきっかけを教えてください。
創業は約10年前、子どもを出産したタイミングでした。当時飼っていたシュナウザーに“自分が着たいと思う服”を着せたいと思い、既製品を探しましたが、理想的なデザインが見つかりませんでした。「ないなら作るしかない」と思い立ち、服づくりを始めたのが最初です。
野外のワンコマルシェで販売した初日に予想以上の反響をいただき、そこから一気に忙しくなりました。
前職でホームページ制作や雑貨の販売に携わっていた経験があり、写真撮影やデザインも自分でできたため、創業時の負担は少なく済みました。Instagramもコツコツ続け、現在は1万人以上のフォロワーに新作やお出かけ先の情報を発信しています。
ものづくりの根底にあるのは、“やられたら嫌なことはしない”“みんなが笑顔になれる選択をする”というシンプルな価値観です。家族でお店を訪れる方も多く、全員が楽しく帰っていけるよう、接客でも心配りを大切にしています。
育てる文化と、失敗を受け入れる採用基準
――社員とのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
スタッフには毎日作業内容の日報を書いてもらっています。成果を“見える化”し、給与明細には私からメッセージを添えることで、一人ひとりの成長を丁寧に見守っています。
採用ではミシン経験の有無より、失敗したときの姿勢を重視しています。初めて触るミシンでうまくいかなくても、「もう一度やらせてください」と前向きに挑戦できるかどうか。技術は後から身に付くので、人柄と素直さを大切にしています。離職率がほとんどないのも、この文化のおかげだと感じています。
“衣食住を提供するワンちゃんの総合施設”へ
――今後の展望について教えてください。
一番の夢は、ドッグラン付きの大型店舗をつくることです。洋服の販売だけでなく、手作りご飯やおやつの教室、ワンちゃんの相談スペースなど、“衣食住すべてが完結する場所”をつくりたいと考えています。
また、オンラインでのライブ販売にも挑戦したいです。サイズ選びに悩む方が多いため、リアルタイムで着用感を伝えられる仕組みがあると、より安心して購入いただけるはずです。
さらに、デパートの催事への出店にも興味があります。マルシェとは違う客層に知っていただき、新しい出会いを増やしていきたいと思っています。
旅とカメラがデザインの源泉
――お休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。
家族と4匹のワンちゃんを連れてハイエースで車中泊をするのが一番の楽しみです。先日は香川県まで出かけ、写真を撮ったり、ご当地の美味しいものを食べたりしてリフレッシュしました。
遊ぶほど新しいデザインのアイデアが浮かび、翌週には新作がどんどん生まれます。旅と自然は、私にとって欠かせないインスピレーションの源です。
これからも旅をしながら、ワンちゃんと飼い主さんの心が弾むデザインを生み出していきたいと思います。