医療福祉の採用課題に真正面から向き合う――脱・人材紹介で業界構造を変える挑戦
キャンディータフト株式会社 代表 阪内悠一氏
深刻な人手不足が続く医療福祉業界。採用費の高騰や人材紹介依存という構造的な課題に対し、「脱・人材紹介」という選択肢を提示しているのがキャンディータフト株式会社です。医療福祉業界専門の採用代行サービスを展開する同社は、設立から間もないながらも口コミを中心に導入が広がっています。代表の阪内悠一氏に、事業への想いとこれからの展望を伺いました。
医療福祉業界に特化した採用代行という選択
――現在の事業内容と、会社として大切にしている考えを教えてください。
医療福祉業界専門の採用代行サービスを提供しています。一言で言うと、「採用のプロの力をアルバイト価格で借りられる」サービスです。医療福祉業界は人手不足が非常に深刻ですが、多くの事業者は専任の人事を置けない構造になっています。その結果、高額な人材紹介に頼らざるを得ない。そこを変えたいというのが根底にある想いです。
――競合と比べた強みはどこにありますか。
人材紹介と比べると、採用コストを大幅に抑えられる点です。そもそも医療福祉業界は、全業界の中でも最も人手不足が深刻で、採用が非常に難しい業界です。多くの事業者は、採用に十分な時間や人材を割けず、人材紹介に頼らざるを得ない状況です。
各事業者が自力で採用できるようになるためにはノウハウ・人材・コストという3つの壁があり、多くの事業者がそこにつまずいています。そこで私たちは、アルバイト価格という低コストで、脱・人材紹介を実現できる採用代行の仕組みを提供しています。サービス開始からまだ1年ほどですが、すでに医療福祉業界で50法人以上に導入いただいています。そのうち90%以上が、利用法人からの口コミ紹介です。実は、当社には営業担当が一人もいません。それでも広がっているのは、他の採用サービスと比べて「使いやすい」「本当に助かる」と感じていただけているからだと思っています。
――低価格を実現できている理由は何でしょうか。
採用業務の窓口は当社の担当スタッフが担いますが、業務の中で自動化できる部分は、独自の社内システムによって効率化しています。人がやるべき部分とシステムで補える部分を切り分けることで、品質を保ちながら低価格を実現しています。結果として、少ない人数でもクライアントの採用をしっかり支援できる体制をつくっています。
採用一筋15年。経営者になった理由
――これまでのキャリアと、起業のきっかけを教えてください。
15年ほど、採用に関わる仕事にずっと従事してきました。採用に関するノウハウは幅広く蓄積できたのですが、それを「一番課題の大きい業界で役立てたい」と考えるようになったんです。調べていく中で、医療福祉業界の採用が非常に深刻な状況にあることを知り、この業界で取り組むことを決めました。
事業は広げすぎず、深めていく
――今後の展望について教えてください。
新規事業などは一切考えておらず、この採用代行の仕事を一本で突き詰めていきたいと考えています。実際にサービスをご利用いただく中で、「本当に助かった」「採用が楽になった」と感謝の言葉をいただく機会が多く、これこそが採用支援として理想的な形だと感じています。そのため、事業を広げることよりも、今のサービスの質を高め続けることを重視しています。拡大についても、急いで大きくするつもりはありません。無理のないペースで、必要としてくださるお客様を少しずつ増やしていければ、それで十分だと考えています。
仕事そのものが、日々の原動力
――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法はありますか。
正直に言うと、特別な趣味はないですね。仕事にまっしぐらという感じです。ただ、仕事と家庭、その両方を楽しみながら過ごせているので、それ自体が良いリフレッシュになっています。
医療福祉の採用問題を解決し続ける。それが会社の存在意義
――最終的に、会社としてどのような存在を目指していますか。
私たちの軸は一貫して、医療福祉業界の採用問題を解決していくことです。今も、私たちが関わることで「採用費が削減できた」「必要な人材を採用できた」という事例が少しずつ積み重なっています。これを今後は、自分たちの実力や体制に見合った形で、より多くの事業者さんに届けていきたいと考えています。それ以外に目指しているものは特にありません。
オンラインで完結できる業務が中心なので、エリアは特に限定していません。ただし、日本国内の医療福祉業界にしっかり向き合っていきたいという想いはあります。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
中小企業であっても、世のため人のために解決できる課題は本当にたくさんあると思っています。自分たちの規模や立場だからこそ向き合える問題もありますし、そこに本気で取り組むことで、社会は少しずつ良くなっていくはずです。ぜひ一緒に、日本をより良い方向へ進めていけたら嬉しいですね。