正規ディーラー品質を“町の車屋”で。信頼を軸に走り続けるGARAGE moss
合同会社moss 代表 奥野 駿祐氏
中古車販売から整備、保険、買取、修理まで——車に関わる「販売と修理」を一気通貫で担うGARAGE moss。正規ディーラーで店長を務めた奥野氏と、工場長として現場を支えてきた三島氏が共同で立ち上げました。店名に込めたキーワードは「信頼」。苔(moss)の花言葉のように、互いに信頼し、お客様にも信頼される店を目指しています。本記事では、代表に現在の事業内容や独立のきっかけ、今後の展望について伺いました。
ディーラーの“きちんと”を、手の届く価格で
――まず、現在の事業内容を教えてください。
中古車販売と自動車整備を中心に、自動車保険、買取、修理まで、自動車全般の販売と修理事業をやっています。私たちはフィアットとアルファロメオの正規ディーラー出身で、正規ディーラーが持つ良さ——しっかりしている、きちんとしている——を突き詰めてきました。
一方で、それを実現するには看板や高い費用も必要です。だからこそ、その「きちんと」を町の車屋で体現し、一般のユーザーが「そう思う価格」に近いところで提供したいと考えています。
――御社の強みは何でしょうか?
強みは、販売と整備を両軸でやれることです。販売は、お客様の安心をいただければできます。ただ本当に大事なのは、その後の保証リスクに向き合う整備です。整備での絶対的な安心感があってこそ、長い付き合いにつながると思っています。
店長6年、組織への違和感が独立の起点に
――ご自身のキャリアと、経営者になろうと決めたきっかけを聞かせてください。
正規ディーラーで10年勤務し、そのうち6年は店長をやっていました。店長の中でも上まで上がり、課長職も決まっていました。ただ、そのたびに「誰のために仕事をしているのか」と考えるようになりました。
お客様のためになって、その対価がお金である——その思いと、会社の方針がずっと噛み合わない場面がありました。声を上げても変わらず、むしろ違う方向に行っていると感じることもあって、2年くらい悩んだ末に、極論どこへ行っても同じなら、自分でやるしかないと思ったんです。
だから、やらなくていいものはやらなくていい。たとえばオススメの添加剤でもお客様に必要のない状況なのであれば、お客様のためにならない提案はしない。その判断が短期的に正しいかは分からなくても、信頼関係が10年、20年続く方が、結果として利益になると信じています。
他社と仕事をする上で価値観が違うのが当たり前だと思っています。店長経験があるからこそ、誰にでもいわゆる「店長のような話し方」にはならないようにしています。また、思ったことがあっても一度自分の中で噛み砕いて、言わない選択をすることも多いです。基本は尊重、感謝、尊敬を軸にしています。
3期で“自分たちが抜ける”。その先に描く挑戦
――今後の展望と、挑戦したいことを教えてください。
会社としての目標は、3期までに自分たちが抜けることです。1年目に環境をつくり、2年目に土台をつくり、3年目に人を入れられる環境を整備していきたい。そのために、私自身が別で何か生み出せないかも考えています。
今考えているのは、カーセンサーやグーネットといった中古車事業の主要媒体の「情報発信支援」です。掲載はしていても、載せるだけ、写真を撮るだけで終わっているケースが多いと感じています。
私はディーラー時代にカーセンサー担当と月2回の打ち合わせを重ねて学んできましたし、独立後も施策を試して効果測定を続けています。立ち上げの時点で全国の掲載拠点ページを全ページ見たこともあります。
もっとやれることがあるはずで、そこに関われば車屋さん側ともウィンウィンになれると思っています。最終的にはディーラーのような大きなところに入り込めるくらいになりたいです。
また、2人に共通する大きな目標は「自分ら子どもたちに会社を残すこと」です。その先に、子ども食堂のような活動を含め、困っている人と向き合うことにも関わっていきたい。そこに行くためにはお金が要るので、まずは車屋として積み上げていきます。
――リフレッシュには、どのようなことを取り入れていますか。
休日は日曜日のみ。家族や子どもと過ごしています。リフレッシュは、毎晩妻とお酒を飲みながら映画やドラマを見たり、話したりすることです。
判断基準に置いているのは「楽しくなければ仕事じゃない」。ふざけるのではなく、2人がワクワクするかどうかで決めています。信頼を大事にしながら、ワクワクできる車と仕事を選び続けていきます。