比較できる仕組みで、保険選びの不安をなくす――ツリーファイナンシャルが描く新しい金融体験
ツリーファイナンシャル株式会社 代表取締役 中村 昴喜氏
ツリーファイナンシャル株式会社は、「お金や保険に悩みを持つ人」と「課題解決を担うファイナンシャルプランナー(FP)」をつなぐマッチングサービスを展開する企業です。保険業界が抱える構造的な課題に向き合いながら、ユーザーとFPの双方にとって納得感のある仕組みづくりを進めてきました。本記事では、代表の中村昴喜氏に、現在の事業の考え方や今後の展望などについて伺いました。
複数の選択肢を提示することで、納得できる意思決定を支える
――現在の事業内容と、その特徴について教えてください。
当社では、主に「マネードットコム」というサービスを運営しています。保険やお金まわりに悩みを持っている一般の方と、それを解決するファイナンシャルプランナーの方をマッチングするサービスです。
特徴は、一般的な1対1のマッチングではなく、1人のユーザーに対して必ず複数のファイナンシャルプランナーを紹介している点です。保険選びにおいては「どの商品に入るか」だけでなく、「誰から話を聞くか」が結果を大きく左右します。
複数のFPと話をすることで、同じ条件でも提案内容や考え方に違いがあることが分かり、ユーザー自身が納得して判断できるようになります。
――なぜ、その仕組みにたどり着いたのでしょうか。
もともと保険代理店として保険の販売をしていたのですが、そのなかで、よく分からないまま保険に入ってしまっている方や、本当に必要な保障が提示されていないケースを多く見てきました。「勧められたから」「断りづらかったから」という理由で加入している方も多く、内容をきちんと理解しないまま契約している現状に、強い違和感を持っていました。
また、強引な営業によって保険に加入する気持ちがなくなってしまう方も少なくありませんでした。
1対1のマッチングだと、紹介されたFPが自分に合っているかどうかが分からず、いわば“当たり外れ”が出やすいように感じていました。ユーザー側には比較材料がなく、「この人の言うことを信じるしかない」状態になってしまう。それが不安や後悔につながっていると感じていました。
そこで、複数のFPと比較できる形にすることで、ユーザー自身が納得して選べる環境をつくりたいと考えたんです。
学生時代の経験が芽生えさせた「経営」への意識
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
大学時代の4年間続けていた、インターンの経験が大きく影響しています。一緒に働いていたメンバーのなかには、学生のうちに起業したり、会社を上場企業に売却したりする人もいました。そうした、いわゆる視座の高いメンバーと日常的に仕事をするうちに、「自分も会社を立ち上げて世の中にインパクトを与えたい」と思うようになりました。
ただ起業すること自体が目的というよりも、自分が違和感を覚えた課題に対して、責任を持って向き合える立場になりたいと考えるようになったのが大きかったと思います。
――仕事をするうえで大切にしている価値観は何でしょうか。
常にお客様ファーストで考えることです。「どうしたらお客様に喜んでいただけるか」「どのような仕組みであれば本当に役に立つのか」――そうした視点を軸に、経営判断をしています。
また、「凡事徹底」という言葉も大切にしています。成功者の話を聞いても、特別なことをしているわけではなく、当たり前のことを当たり前にやり続けている人が多いと感じます。基礎基本を疎かにせず、やり続けることが重要だと考えています。
派手な施策よりも、目の前のお客様への対応や、サービスの改善といった地道な取り組みを積み重ねることが、結果的に信頼につながると感じています
情報を開き、否定しない組織が主体性を育てる
――現在の組織体制や、社内の雰囲気について教えてください。
現在、メンバーは14名ほどで、雰囲気はかなり自由だと思います。プライベートでゴルフに行くくらい、関係性もフラットです。経営会議の内容も隠さずに共有するなど、情報はオープンにしています。
――組織運営で意識していることはありますか。
「否定しない」という点は大事にしています。
意見が出てきたときに、頭ごなしに否定するのではなく、まずは背景や意図を聞く。
そうすることで、メンバーが安心して意見を出せる環境が生まれると考えています。
また、会社の目標やビジョンはメンバーに明確に伝えます。方向性が整理されることで、メンバーが自らプロジェクトを企画したり、能動的に動いてくれたりするようになったと感じています。
また、「間違ったことをしない」「嘘をつかない」ことも重視しているポイントです。お客様のためになるサービスを提供している以上、そこは絶対にぶらさず続けていきたいと思っています。
新しいことより、今ある価値を広げていく
――現在、課題として感じている点は何でしょうか。
採用です。人がまだ足りていないので、営業職を中心に採用を進めていきたいと考えています。人数を増やし、体制を強化していくことが必要だと感じています。
一緒に働くうえで、キャリアや年齢にはあまりこだわっていません。重視しているポイントは「素直さ」です。
知識や経験ももちろん大切ですが、それ以上に、お客様の声や周囲の意見を素直に受け止め、より良い形に変えていける人と一緒に働きたいと考えています。
――今後の展望について教えてください。
マネードットコムをはじめ、運営しているサービスを「知らない人がいない」状態にすることが目標です。
保険やお金の相談で迷ったときに、まず思い浮かべてもらえる存在になることを目指しています。