人道への想いを原点に、42年――外国語サービスで信頼をつなぐウィルウェイの歩み

ウィルウェイ株式会社 代表取締役 光股 勇之進氏

ウィルウェイ株式会社は、翻訳・通訳・外国語指導を中心に、外国語に関わる幅広いサービスを提供してきた企業です。創立は1984年。以来42年間、80~90言語に対応する翻訳・通訳を軸に、企業研修や国際ビジネス支援まで事業領域を広げてきました。その原点には、代表である光股氏が若き日に船員として世界を巡った経験、そして人道に対する強い想いがあります。本記事では、事業の特徴から創業の背景、経営の苦境と支え、そして今後の展望までを伺いました。

翻訳・通訳を軸にした外国語総合サービス

――現在の事業内容と特徴について教えてください。

当社は社名はウィルウェイ株式会社なのですが、一般的には「ウィルウェイ株式会社 翻訳通訳国際センター」という呼び方をしております。この名前の通り、翻訳や通訳、外国語関連のサービスを行っている会社です。

翻訳については80~90言語に対応しており、日本語から外国語、外国語から日本語、さらには外国語から外国語への翻訳も行っております。分野も幅広く、医学・医療、医薬、法律、科学技術、宗教など多岐にわたります。

――通訳サービスについてはいかがでしょうか。

通訳は同時通訳から逐次通訳まで対応しております。国際会議やセミナー、フォーラムなど、さまざまな場面で実績があります。

同時通訳の場合は、通訳者の手配だけでなく、同時通訳機材も必要になりますが、その点も弊社で一括して対応が可能です。対応言語についても非常に幅広く用意しており、翻訳・通訳ともに長年のネットワークを活かした体制が強みだと考えております。

――翻訳・通訳以外の事業についても教えてください。

もともと翻訳・通訳を手がける前は、「ウィルウェイ外国語スクール」という外国語指導のスクールを営んでいました。その流れで、現在も企業向けの語学研修や、個人の目的に応じた外国語指導を行っております。

また外国語関連サービスの一環として、日本国内外でのビジネスサポートも手がけてきました。そちらでは市場調査や競合調査、人事、仕入れ、販売、管理、税務に関わる情報提供など、外国で事業を行う際の支援を包括的に行っております。

船員としての経験が原点にある経営の道

――経営者になられた経緯を教えてください。

私は元々、日本郵船で外国航路の航海士の仕事をしておりました。タンカーや自動車運搬船やコンテナ船や重量物運搬船などのさまざまな船に乗り、世界中を周る仕事です。

そこで20代後半に差し掛かった頃、ベトナム難民船を多く見かけるようになりました。南シナ海で、新天地を求めて漕ぎ出たベトナム難民たち、赤ちゃんも子どももおじいちゃんもおばあちゃんも含む老若男女を、40人くらい乗せた小さなボロボロの船が、望遠鏡の向こう側に見えるわけです。

彼らは大型船が通ると、「ヘルプアス!(助けてくれ!)」と言って白いシャツをこちらに振って示してきました。その際、ヨーロッパの船であれば人道的な見地から差別をせずにエンジンを止めて縄橋を降ろして助けていました。しかし、日本の船は当時エコノミックアニマル、経済優先主義で動いており、本社から「人道ではなく経済を優先しろ」と電報が入り、彼らを助けることができませんでした。おそらく、私が見た船の中にはそのまま沈没した船もあったと思います。

――その時に「人道」への思いが生まれたのですね。

当時の私は25、26歳の正義感が強い青年でしたので、船長に直談判したりもしていましたが、決まって「関わるな」という指示でした。船長というものは意思一つで船の運命を決めることができると思っていましたが、やはり本社からの命令には逆らえないんだな、やっぱり宮仕えなんだなと、モヤモヤとしたものが胸中に芽生えていきました。

私はいずれ船長になる立場でしたが、人道的な行動が全くできない、目の前の助けを求めている人を見捨てなくちゃならない、こうした状況に「このまま船長になることはできない」と思い、30歳になった時に退社をしました。そこから、航海士の業務で培った外国語を活用したサービスを立ち上げ、今に至ります。

――ビジネス支援やコンサルティングの経験はどこで培われたのでしょうか。

いわゆるコンサルティングを専門的に学んだわけではありませんが、船に乗っていた頃、航海士という立場で、乗組員に対して助言や指導を行う役割がありました。

また、船舶衛生管理士の資格を取得し、薬の管理や軽いけがの治療を行うこともありました。集団生活の中で、人に寄り添い、わかりやすく伝える経験を積んできたことが、今につながっていると思います。

何度も「奇跡」に助けられた

――経営者として大変だったことはありますか。

42年間の中で、10年に一度くらいのペースで大きな危機がありました。資金繰り、人材の問題、大きな受注を逃したことなど、さまざまです。「もう終わりだ」と思うような場面もありましたが、そのたびに不思議と助けが入る。人とのご縁や、偶然とは思えない出来事に救われてきました。そうした「奇跡」に救われて42年続けてこれたわけですから、有難いなと思います。

精神論になってしまいますが、私は毎朝仏壇に水をあげて、線香、蝋燭をつけて「父さん、母さん、先祖の皆さん、今日また頑張りますので、導いてください、お守りください」と言って、手を合わせ、お鈴を鳴らしてから会社に行っています。自分が諦めなければ、それを先祖も見てくれていて、応援してくれているのだとやっぱり感じます。また人との出会い、長く続いている人との付き合いの中で、その時に助けてくださる方がいたりと、そういう様々な要因が40年60年100年と続く企業さん、商店さんにはあるんじゃないかなと実感しております。

――仕事を続ける原動力は何でしょうか。

やっぱり感謝されることでしょうか。「他社では見つからなかった通訳者を手配してもらえて助かった」「おかげでビジネスが無事に進んだ」といったメールをいただくと、本当にうれしいです。どんな商売でも同じだと思いますが、お客様の安心や喜びの声が、次も頑張ろうという気持ちにつながります。

事業承継を見据えたこれから

――最後に、今後の展望について教えてください。

今すぐにではありませんが、体が動くうちに、ウィルウェイ株式会社を外国語サービス全般に関心のある方へ引き継ぎたいと考えております。ネームバリューのある会社ではありませんが、42年間続けてきた実績と信頼があります。この事業を次の世代につなぐことが、自分の使命だと思っております。

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