家族のために選んだ単身赴任と再挑戦──「ここリラ」代表・渡辺英人が向き合う、心と体を整える仕事

ここリラ 代表 渡辺 英人氏

整体師として独立・開業を経験しながらも、体調不良や環境の変化をきっかけに一度は閉業を決断。家族との生活、単身赴任、再スタートといった数々の選択を経て、現在は出張型リラクゼーション事業「ここリラ」を立ち上げた渡辺英人氏。なぜ今この形の事業を選んだのか。本記事では、仕事にかける思い、これまでのキャリア、支えとなった価値観、そしてこれから目指す未来について、お話を伺いました。

家族とともに選んだ、今の事業のかたち

――現在の事業や生活の状況について教えてください。

私は今、出張型のリラクゼーション事業を個人事業主として行っています。拠点は千葉県で、現在は一人暮らしをしながら、都内を中心に出張する形で活動しています。家族は妻と4歳、2歳の子どもがいて、愛知県で暮らしています。いわゆる単身赴任のような生活ですね。

本当は、家族と一緒に暮らしたいという気持ちは今でも強くあります。子どもたちの成長を毎日そばで見たいですし、家族で同じ時間を共有できない寂しさを感じることもあります。ただ、現実的に考えたとき、妻や子どもたちが安心して過ごせる環境はどこかと考えた結果、妻の実家が近く、支え合える愛知で暮らすのが一番だと判断しました。私は仕事のために動き、家族は安心して暮らせる場所にいる。その役割を分けた選択だったと思っています。

――出張型の事業を選ばれた理由は何だったのでしょうか。

以前、整体院を構えていたときは、どうしても集客のために広告費がかかってしまい、経営面で大きな負担になっていました。その経験から、必要としてくれる方のもとへ直接伺う出張型であれば、その負担を抑えられるのではないかと考えたんです。

もう一つの理由は、忙しくて店舗に通う時間が取れない方の存在です。仕事が立て込んでいて体はつらいのに、ケアの時間が後回しになってしまう方は多いと思います。だったら、自分が行けばいいんじゃないかと。今は福利厚生として企業に伺い、従業員の方や経営者の方に施術を行う形を中心に考えています。

整体師として歩んできたキャリアと原点

――整体師を目指したきっかけを教えてください。

高校生の頃、部活動で怪我をして、接骨院に通って施術を受けていた時期がありました。そこで施術を受ける側として通う中で、「自分もこうやって人の体に向き合う仕事をしてみたい」と思うようになったのが、この道を志した最初のきっかけです。痛みや不安を抱えて通っていたからこそ、施術を受けた後に少し楽になる感覚や、気持ちが軽くなる感覚が印象に残っていて、自分も同じように人の役に立てる存在になりたいと考えるようになりました。

その思いから専門学校に進み、柔道整復師と鍼灸師の資格を取得しました。

――卒業後はどのような経験を積まれたのでしょうか。

卒業後は、この道を目指すきっかけにもなった、私が実際に通っていた接骨院に就職しました。患者さまと向き合いながら分院長という役職で約半年ほど現場経験を積ませてもらい、その後は紹介を通じて別の整体院に入社し、そこでは新店舗の立ち上げに関わり、はじめから店舗の責任者という立場で1年間勤務させて頂きました。

会社員としては約1年半ほど現場を経験しました。その経験を経て、25歳のときに独立・開業しました。

――独立に迷いはありませんでしたか。

正直に言うと、独立すること自体に大きな迷いはありませんでした。高校生の頃から、この道に進むならいずれは独立したいという思いがずっとあったからです。経営者になりたいとか、人の上に立ちたいという気持ちよりも、「自由でいたい」という思いのほうが強かったと思います。

決まったことを決まった通りにこなす働き方よりも、自分で考えて選択し、その結果に責任を持つ生き方のほうが自分には合っていると感じていました。簡単な道ではないことは分かっていましたが、それでも自分で決めた道を進みたいという気持ちが、独立への背中を押してくれたのだと思います。

支え合いを大切にする、組織と人との向き合い方

――これまで多くの困難を経験されていますが、乗り越える原動力は何でしょうか。

正直に言うと、まだ「乗り越えた」とは思っていません。今も人生の分岐点に立っている感覚ですし、日々行き詰まりを感じることもたくさんあります。ただ、ここまで来られたのは、決して自分一人の力ではありません。両親が産み育ててくれたこと、妻や子ども、友人、そしてこれまで支えてくれた方たちの存在があって、今の自分があります。

うつ病やパニック障害を経験したときも、離れずにそばで支えてくれたのは妻や家族でした。その存在がなければ、今ここに立っている自分はいなかったと思います。だからこそ、そうした人たちの応援に応えたいという気持ちが、どんなに苦しい状況でも諦めずに前に進む原動力になっています。

――仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

一番大切にしているのは、感謝の気持ちです。仕事ができているのは、お客様がいてくれるからですし、出張で移動できるのも、車を作ってくれた人、整備してくれた人、道路を整えてくれた人がいるからこそだと思っています。人は1人では決して生きられません。支え合いながら生きています。私たちが日頃、当たり前だと感じていることに対して、日々感謝を忘れないようにしています。

もう一つは、相手が喜ぶことをするという姿勢です。事業としての利益だけを優先するのではなく、まずは相手にとって何が喜びになるのかを考える。その上で自分の利益は一旦置いておく。そうした積み重ねが、巡り巡って自分に返ってくると信じています。

――組織や人との関係づくりについてはどう考えていますか。

今は一人で事業を行っていますが、人としてどう向き合うかはとても大切にしています。これまで苦難や行き詰まりを経験して、自分がどれだけ小さな存在かを思い知らされました。だからこそ、周りへの感謝や謙虚さを忘れず、一つひとつの出会いやご縁を大切にしていきたいと考えています。

心と体を守るために、これから挑戦したいこと

――今後のビジョンについて教えてください。

正直に言うと、今は長期的な計画を細かく描いているわけではありません。何年後にどうなっていたいか、といった具体的な数字や規模を決めている段階ではなく、まずは目の前のことに真摯に向き合っていきたいと考えています。その中で、自分自身が体調を崩した経験から学んだことを、今の事業を通じて少しずつ形にしていきたいと思っています。体の不調が表に出てからでは、生活や仕事に大きな影響が出てしまうことを、身をもって経験しました。

多くの人が、日々の忙しさの中で自分のケアを後回しにしていると感じています。仕事を優先し、疲れや違和感を覚えながらも「まだ大丈夫」「もう少し頑張れる」と無理をしてしまう。そうした小さな無理の積み重ねが、ある日突然、体や心の不調として表面化することも少なくないと思っています。だからこそ、そうなる前に、日常の中で緊張を緩め、ストレスをリセットできる時間や環境を届けたいという思いがあります。

――事業を通じて、どんな価値を届けたいですか。

私が提供したいのは、単なる施術のみではありません。もちろん体を整えることは大切ですが、それ以上に「安心できる時間と環境」も届けたいと考えています。施術を受けることで体が楽になり、同時に気持ちも少し軽くなる。その感覚があるだけで、翌日からの仕事や日常への向き合い方が変わることもあると思っています。

自分自身が心身の不調によって働けなくなった経験があるからこそ、同じようにつらさを抱える人の存在に気づける部分があると感じています。その経験を無駄にせず、少しでも同じ状況に陥る人を減らしたい。今はただ、その思いを軸に、目の前の一人ひとりと誠実に向き合いながら、できることを積み重ねていきたいと考えています。

原動力は家族との時間と、自分らしい未来

――個人的なリフレッシュ方法について教えてください。

車が好きで、運転している時間は自分にとって大切なリフレッシュのひとつです。都内を走っていると、普段なかなか見かけない車を目にすることも多く、そうした景色を眺めながら走るだけでも気持ちが切り替わります。

将来的には、家族みんなで出かけられるような大きな車に乗って、同じ時間を共有できたらいいなと思っています。家族と過ごす時間は、私にとって何より大切なものであり、日々を踏ん張るための原動力でもあります。今は単身で暮らしていますが、その先にある家族との時間を思い描くことで、今の生活にも意味を見いだしています。

――今の自分を支えている原動力について、どのように考えていますか。

今は家族と離れて暮らしていますが、この時間もすべて未来につながっていると信じています。行き詰まりを感じることもありますし、決して楽な状況ではありません。ただ、こうした状況にある今だからこそ、自分がより成長できるきっかけに立っているのだと思えるようになりました。

うまくいかないことや不安を感じる瞬間も含めて、今の経験がこの先の自分を形づくっていく。そう信じながら、支えてくれる人たちへの感謝を忘れず、これからも一歩ずつ前に進み続けていきたいと考えています。

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