「結婚したい」という気持ちを諦めさせない――30代経営者が描く新しい結婚相談所のかたち
婚活専門店スマイルアイランド 代表 島 智幸氏
結婚を本気で望む人が、年齢や年収、雇用形態といった条件によって一歩を踏み出せない現実があります。そうした状況に疑問を抱き、「結婚したい」という純粋な気持ちを後押ししたいと立ち上がったのが、婚活専門店スマイルアイランドの代表、島智幸氏です。自身も結婚相談所を利用して結婚を経験した当事者であり、その体験をもとに、会員と同じ目線に立ったサポートを行っています。本記事では、事業への想いや経営観、今後の展望について伺いました。
当事者だからこそ寄り添える婚活支援
――現在の取り組みや事業内容について教えてください。
婚活専門店スマイルアイランドという結婚相談所を運営しています。「TMS(全国結婚相談事業者連盟)」の加盟店として活動しており、結婚を本気で考えている方のサポートを行っています。
私自身は現在30代で、普段は別の仕事にアルバイトという雇用形態で従事しています。正社員と同じ時間・日数で働きながら、並行して結婚相談所を運営しています。
特徴として大きいのは、私自身がもともと結婚相談所を利用して結婚した当事者であることです。結果的に離婚は経験しましたが、それも含めて結婚というものは素晴らしいと感じています。実際に活動していたからこそ分かる会員側の気持ちや不安があります。その目線でアドバイスやサポートができることが、強みだと思っています。
――事業を立ち上げた当初の想いについてお聞かせください。
結婚相談所を利用した経験から、結婚は本当に良いものだと実感しました。だからこそ、本気で結婚したいと思っている人には諦めてほしくないという気持ちが強くあります。
特に男性の場合、年収や雇用形態によって入会を断られるケースが少なくありません。契約社員や派遣社員、アルバイトというだけで難しいとされることもあります。私はそこに違和感を覚えました。
雇用形態や年収だけで判断されるのは悲しいことです。大切なのは「結婚したい」という本気の気持ちではないでしょうか。その想いがある方であれば、できる限りサポートしたい。そのため、20代の方や年収が高くない方でも利用しやすい相談所を目指しています。
人と人をつなぐ喜びが導いた経営の道
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
結婚相談所を利用している頃から、「相談所側として関わるのも良い仕事だな」と感じていました。
離婚の際、財産分与などを経て金銭的な準備が整ったこともあり、思い切って始めようと決意しました。以前から心のどこかにあった「やってみたい」という気持ちが、形になった瞬間でした。
――これまでのキャリアの中で、ターニングポイントとなった出来事はありますか。
もともとは福祉系の国家資格を持ち、福祉の仕事に従事していました。人事労務や採用などの事務業務も経験しましたが、正直なところ、大きなやりがいや楽しさを感じることはありませんでした。
一方で、プライベートでは人と人をつなぐことが好きでした。共通の知り合いではない人同士を引き合わせ、そこから仲良くなっていく様子を見るのがとても楽しかったのです。
その感覚が、「これを仕事にできないか」と考えるきっかけになりました。結婚相談所は、まさに人と人をつなぐ仕事です。自分の強みや喜びを活かせる分野だと感じ、目指すようになりました。
信頼関係を軸にした経営判断
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
現在は個人事業として運営しているため、採用などの大きな組織的判断はありませんが、判断基準として大切にしているのは信頼関係です。
どれだけ良いサービスであっても、担当者や営業の方とのやり取りで不信感を覚えると前向きにはなれません。逆に、信頼できる、人として尊敬できると感じられる相手であれば、一緒に取り組みたいと思えます。
人となりや誠実さは、数字や条件以上に重要な要素です。目に見えない部分ではありますが、その感覚を大切にしています。
――今後、どのような人と一緒に働きたいとお考えですか。
現時点では従業員はいませんが、将来的に一緒に取り組みたいと感じる方はいます。やはり最終的には信頼できるかどうかです。
言語化が難しい部分もありますが、話してみて「この人なら」と感じられること、尊敬できる点があることが大切です。スキル以上に、人と人としての相性や信頼を重視したいと考えています。
結婚相談所の認知向上とブランド展開への挑戦
――今後の展望について教えてください。
現在は集客面で苦戦している部分もあります。より多くの方に結婚につながる機会を届けられるよう、取り組みを強化していきたいと考えています。
また、将来的には「スマイルアイランド」というブランドを広げていきたい思いがあります。加盟店として活動していますが、自身のブランドをフランチャイズのような形で展開していけたらと考えています。
――課題に対して、どのような取り組みをされていますか。
結婚相談所そのものの認知がまだ十分ではないと感じています。昔のイメージのまま止まっている方も多く、実際の活動内容が知られていない現状があります。
そのため、ビジネス交流会などでは、まず結婚相談所とはどういうものかを知ってもらうことを重視しています。自社への勧誘よりも、業界全体の理解を広めることを優先しています。
結婚は人生における大きな選択です。私の相談所でなくても構いません。他の相談所であっても、幸せな結婚につながるのであればそれで良いと考えています。まずは正しい情報を知ってもらうことが、第一歩だと思っています。
温泉で整える心と、経営者への敬意
――尊敬している方や影響を受けた存在について教えてください。
特定の一人というよりも、事業を営む経営者の方々を尊敬しています。交流会などで出会う経営者の方々は、それぞれの分野で挑戦し続けています。その姿勢に触れるたび、刺激を受けています。
成功している方のセミナーに参加したり、直接話を聞かせていただいたりすることもあります。そうした機会が、自身の視野を広げるきっかけになっています。
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
温泉が好きで、電車で行ける範囲の温泉施設やスーパー銭湯に足を運びます。ゆっくりと湯に浸かり、気持ちを整える時間が大切なリフレッシュになっています。
日々の活動の中で感じる悩みや課題も、一度リセットすることで前向きに捉え直すことができます。
結婚を望む人が、条件によって門前払いされることのない社会をつくりたい――そのような想いを大切にしながら、これからも誰もが前向きに一歩を踏み出せる環境を広げていきたいです。