運動で“なりたい自分”を設計する──女性の力を活かす株式会社SHAFTの挑戦

株式会社SHAFT 代表取締役 天野 真由美氏

運動を軸に「なりたい自分になって、笑顔いっぱいの幸せな人生を送るサポート」を掲げる株式会社SHAFT。動作改善を中心に、アスリート支援や女性向けプログラムなど幅広い取り組みを展開しています。創業の背景から今後の展望、そして女性プロフェッショナルチーム構想について、代表取締役の天野真由美氏に伺いました。

運動を軸に人生を設計する──SHAFTの理念と現在地

――御社の事業内容について教えてください。

私は「運動を軸になりたい自分になって、笑顔いっぱいの幸せな人生を送るサポートをする」というコンセプトで事業を行っています。メインは動作改善です。動作改善ができることは本当に幅広くて、高齢の方であれば健康寿命を伸ばすことにつながりますし、子どもたちであれば育成年代でしか伸ばせない能力を効率よく高めるサポートができます。

アスリートに対しては、夢の達成に向けたコンディショニングや障害予防、トレーニングを行っています。一方で、最近特に力を入れているのが女性支援です。出産後の体力回復や体型戻し、腰痛や肩こりなどの動作改善と、子どもの発達促進を同時に行えるエクササイズを体系化しています。元気なお母さんが増えることが、子どもの運動能力向上にもつながると感じているからです。

また、私はペルソナで区切るのではなく、「クラスター」で捉えることを大切にしています。同じ年代でも体力や思考、マインドはまったく異なります。だからこそ「40代女性」といった枠ではなく、「今どういう状態にあるか」という共通項でサポートを考えています。痩せたい方も、パフォーマンスを上げたい方も、まずは動きの土台を整えること。その積み重ねが結果につながると考えています。

――動作改善を軸にされている理由は何ですか。

多くの方が「痩せたい」「運動能力を上げたい」と思ったとき、本来必要な基礎段階を飛ばしてしまいます。ウォーキングで膝を痛めたり、腹筋で腰を痛めたりという話はよく聞きます。私はその土台となる動きの質を整えることが大切だと考えています。

社名のSHAFTは「Smile Happy Architect Fitness Together」の頭文字です。より良い自分、より自分にフィットする自分を一緒に設計し、伴走する存在でありたいという思いを込めています。運動は目的ではなく手段です。動作改善を通して、その人らしい人生を支えていきたいと考えています。

転職ではなく“天職”──創業までの歩み

――この道に進まれたきっかけを教えてください。

この職業は人の人生を変えることの出来る、素晴らしい職業だと魅了されたからです。専門学校を出てからずっとこの仕事一本でやってきました。自分にとっては転職ではなく天職です。

もともとはスポーツクラブで働いていました。結婚し、子どもが生まれてからもこの仕事を続けてきたのですが、子育てと仕事を両立しながら現場に立ち続ける中で、女性がこの業界で長く働き続ける難しさも実感しました。それでも私は、この仕事が好きだという気持ちが揺らぐことはなかったのです。

トレーナーという職業には国家資格がなく、民間資格が中心です。その中で信頼を得るため、医療の先生方と同じ目線で話ができるようにと考え、接骨院とジム、整形外科とジム、といったように医療とトレーニングの両方に身を置く働き方をしてきました。トレーニングとメディカルの連携が重要だと感じていたからです。トレーナーですと言えば名乗れてしまう業界だからこそ、自分自身の在り方や姿勢が何より大事だと思ってきました。現場での経験を重ねるたびに、「もっと本質的なサポートがしたい」という思いが強くなっていきました。

――創業の経緯について教えてください。

2020年2月22日に個人事業主としてスタートしました。その後店舗をオープンし、2025年5月に法人化しました。創業当初はコロナ禍の真っただ中で、「なぜこの時期に」と言われることもありましたね。それでも、場所が空き、準備が整い、今だと思えたタイミングだったので踏み出しました。

法人化した理由は、企業と健康経営に取り組むには会社であることが信頼につながると考えたからです。もう一つは、女性のプロフェッショナルチームを作りたいという思いです。女性トレーナーや治療家が、結婚や出産を理由にキャリアを諦めるのではなく、守られながら挑戦できる環境を作りたい。そのためには法人という形が必要だと判断しました。自分自身がこの業界で続けてこられたからこそ、次は続けられる環境をつくる側に回りたいと考えています。

支え合いの中で生まれた店舗とこれからの組織

――これまでのターニングポイントは何でしたか。

店舗を開いたときが一番の転機です。

実は、物件が出るタイミングと自分の準備のタイミングがなかなか合わず、お金を貯めている途中で先に物件が出てしまうこともありました。焦りもありましたし、借りられない現実に落ち込むこともありました。それでも「いつかやりたい」ではなく、「今やる」と決めたからこそ動き続けることができました。コロナ禍という逆風の中でも、自分がやると決めたことを信じたことが大きな転機でした。

借りるまでに断られたこともありますが、先輩経営者から「書面で出したらいい」とアドバイスをもらい、それを実行したことで道が開けました。税理士の先生も「利益が出るまではお金はいらないから、毎月来て帳簿をつけなさい」と支えてくださいました。本当に周りの方に助けられて、今があります。浜松という地域のつながりの強さにも支えられました。自分一人の力ではなく、多くの方の応援があって店舗を持つことができたと感じています。

――現在の組織体制はいかがですか。

今はまだ一人です。業務委託もいません。すべてを自分で回している状況ですが、その分、お客様一人ひとりと深く向き合える時間があるとも感じています。ただ、やはり一人ではできることに限界があります。

だからこそ、女性のプロフェッショナルチームを作ることが次の目標です。自分が持っていないカテゴリーの専門家とタッグを組み、ワンストップでサポートできる体制を作りたいと考えています。女性が結婚や出産でキャリアを止めるのではなく、支え合いながら続けられるチームにしたい。その土台づくりが、今の私にとって一番大きなテーマです。まずは同じ志を持つ仲間と出会い、小さな連携から形にしていきたいと考えています。

女性に特化した未来構想と3年後の目標

――今後の展望について教えてください。

女性に特化したパフォーマンスセンターを浜松に作りたいと考えています。女性アスリートや育児中の女性が安心して働き、利用できる場所です。女性トレーナーは数が少なく、結婚や出産を機に現場を離れてしまう方も多い現状があります。だからこそ、女性が続けられる環境をつくること自体が、この業界への一つの提案になると思っています。

例えば、料理が得意な方が施設にお弁当を提供し、それを働くお母さんが購入する。アクセサリー制作が得意な方が作品を置き、来館者が購入する。女性ならではの循環を生む場を作りたいのです。それがたまたまトレーニングジムである、というイメージです。トレーニングを受けに来た方が、そこで別の女性の挑戦に触れ、応援し合う。そんな小さな経済圏とコミュニティを生み出せたらと考えています。

単なる運動施設ではなく、「女性が自分らしくいられる場所」にしたいという思いがあります。育児中でも、何かに挑戦したい気持ちを持っている方はたくさんいます。その気持ちを否定せず、むしろ後押しできる空間を形にしていきたいです。

――3年後の目標はいかがですか。

今の3倍以上にしたいです。そのための課題は認知度の向上と仲間づくりです。まずは自分の取り組みをより多くの方に知ってもらうこと。そして同じベクトルを持つ仲間と出会うことが必要だと感じています。業界は今後、動作改善なのか、ボディメイクなのかといった形で分野ごとに分かれていくと思っています。その中で、自分の強みである動作改善と女性支援をどう打ち出していくかが勝負です。

最終的には、自分がいなくても回る仕組みを作りたい。自分が現場に立ち続けなくても、理念が受け継がれ、女性が生き生きと働ける環境が回っていく状態を目指しています。私は必要なときにサポートに入り、全体を見守る存在でありたい。その形が実現できたとき、本当の意味でのパフォーマンスセンターになるのだと思っています。

ワクワクを原動力に──行動基準とリフレッシュ法

――休日の過ごし方を教えてください。

体を動かすことが好きです。ウェイクボードをしたり、ランニングをしたり、散歩をしたりします。浜松祭りの準備をすることもあります。セミナー動画を見てまとめることも、自分にとってはリフレッシュです。アップデートすることがストレス発散になります。

仕事でも体を動かしていますが、プライベートで動く時間はまた違った感覚があります。純粋に「楽しいからやる」という時間が、自分を整えてくれます。季節によってやることも変わりますが、そのときに自分がやりたいと思ったことを素直にやるようにしています。そうやって心と体を整えることが、結果的に仕事のパフォーマンスにもつながっていると感じています。

――経営者やこれから起業する方へのメッセージをお願いします。

ワクワクすることに突き進んでほしいです。私は三つの言葉を行動基準にしています。

一つは「挑戦なくして成功なし」。失敗の反対は成功ではなく、挑戦しないことです。
二つ目は「死ぬこと以外はかすり傷」。本当に大きな損失になることはほとんどありません。
三つ目は「未来は今の積み重ね」。今を変えれば未来は変わります。

私は何かを決めるとき、「ワクワクするかどうか」を大切にしています。もちろん考えますが、最終的に背中を押すのは自分の感情です。ワクワクしたら、覚悟を持って行動する。それは自分との約束でもあります。

今の自分は過去の積み重ねでできています。だからこそ、これからの未来も自分の行動で変えられると信じています。これからもその姿勢で進んでいきたいと思っています。

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