全国の駅前に「整える」を――スパイスで体の内側から変える挑戦

株式会社トトノエル 代表取締役 竹内 大輔氏

コロナ禍という未曾有の環境変化を“チャンス”と捉え、新たな一歩を踏み出した経営者がいます。株式会社トトノエル代表の竹内大輔氏です。タクシー運転手として7年半勤務していた竹内氏は、コロナ禍をきっかけにキッチンカー事業へと舵を切りました。現在はスパイスを活用したメニューで「体の中から整える」食を提供し、将来的には全国の駅前に店舗を展開するという大きなビジョンを掲げています。本記事では、創業の背景から経営観、今後の展望までを伺いました。

コロナ禍を“チャンス”に変えた起業の決断

――御社の事業内容について教えてください。

現在はチキンオーバーライスを主力商品にキッチンカーを営んでいます。スパイスやヨーグルトソース、鶏肉などを使い、体に良い食事を意識しています。ターゲットは30代、40代の女性です。「体の中から整えてみませんか」というメッセージを掲げ、社名のとおり“整える”ことをコンセプトにしています。

チキンオーバーライスを提供する店舗は他にもありますが、「チキンオーバーライスといえばここ」という存在はまだ確立されていないと感じています。ハンバーガーや牛丼のように、誰もが思い浮かべるブランドがまだない。そこにチャンスがあると考えています。

――どのような思いで今の事業を始められたのでしょうか。

以前はタクシーの運転手を7年半ほどしていました。コロナ前から都内各所でキッチンカーを見かけることが増え、こうした形態が広がっていることは感じていました。コロナ禍に入り、銀座や日本橋など飲食店が壊滅的な状況になる一方で、UberEatsのようなデリバリーは伸びていました。

タクシー業界も大きな打撃を受けましたが、キッチンカーであれば移動しながら販売できる。固定店舗と違い、立地に縛られないビジネスモデルです。これは厳しい状況下でも可能性があるのではないかと考えました。2年ほど準備を重ね、開業に至りました。

――もともと独立への思いはあったのですか。

タクシー運転手時代から、投資やブログ執筆など、何かしら自分で挑戦することは続けていました。その中で店舗を持ち、自分で事業をやりたい気持ちもありました。ただ、固定店舗は資金面のハードルが高い。一方タクシーで都内がどんな様子かはほぼ網羅しており、人の流れは肌感覚でわかっていました。そこで移動販売であれば、その強みを活かせると考えました。

振り返れば、最大のターニングポイントはやはりコロナ禍です。あの出来事がなければ、一生タクシー運転手を続けていたかもしれません。当時乗車された経営者の方々が「こんなチャンスは二度と来ない」と口を揃えて言っていたことも印象的でした。その言葉に背中を押され、自分も挑戦しようと思えたのです。

「信頼」をすべての基盤に経営する

――組織運営で意識していることはありますか。

大きな組織でのマネジメント経験があるわけではありません。だからこそ、マニュアルに当てはめるのではなく、その人の良い部分を見て伸ばしたいと考えています。人を見抜く力があるとは言えませんが、自分をさらけ出し、信じてもらうしかないと思っています。

疑っていてはきりがありません。まず自分がオープンになることで、信頼関係を築きたい。その上で、のびのびと力を発揮してもらい、成果を上げ、その分をきちんと還元できる組織にしていきたいです。

――経営判断の軸にしている価値観はありますか。

お客様ファーストです。キッチンカーは対面販売で、しかも食品を扱っています。安全で安心でき、体に良いものを提供しなければ次にはつながりません。信頼がすべての基盤だと考えています。

インバウンドを見据え、大手がやらないことをやる

――今後取り組みたいことを教えてください。

目先ではセントラルキッチンへの移転を予定しています。契約直前の段階で、実現すれば販路拡大を進めたいと考えています。現在はキッチンカーでの移動販売ですが、将来的に固定店舗を持つことも視野に入れています。

さらに、スパイスを活用した食品にとどまらず、美容やヘルスケアなど「内側からきれいになる」分野へも広げていきたい。長いスパンでの構想ですが、10年以内に形にできればと考えています。

――飲食業界に対するお考えはありますか。

インバウンドが中心になっていくのではないでしょうか。そのため、外国人に刺さるメニューや見せ方を意識する必要があると感じています。うちも日本人4割、外国人6割くらいの構成を想定した設計を考えています。

また、大手がやっていないことをやる店舗が伸びている印象もあります。その点で、チキンオーバーライスはまだ空席がある。単に「おいしい」だけでなく、体験や価値を提供できれば人は集まるはずです。一方で、大手チェーンが参入すれば脅威になります。だからこそ日頃から大手の動向を研究し、学び続けています。

「全国の駅前に店舗を構える」というビジョン

――現在の課題は何でしょうか。

人材確保です。商品や出店場所はある程度コントロールできますが、人材だけは思うようにいきません。共にビジョンを見てくれる仲間が増えなければ、全国展開は実現できません。ゼロから一緒に挑戦してくれる人との出会いが、いま最も求めているものです。

――尊敬する方はいらっしゃいますか。

福沢諭吉やサイバーエージェントの藤田さん、それから株式会社ゆとりの社長さんのYouTubeをよく見ます。若い方でこれだけしっかりした将来的なビジョンを持っていて、しかも今の20代をターゲットにした取り組みをしている。その発信内容から、世代の価値観などを学んでいます。

――リフレッシュ方法はありますか。

仕事が一番リフレッシュになります。あとは麻雀です。経営と麻雀は似ていると感じます。自分の手牌を見る視点、相手から見た自分、そして自分から見た相手という三つの視点がある。経営も同じで、多面的に状況を見る力が求められます。

――最後に、将来的なビジョンについてお聞かせください。

最終目標は「全国の駅前にトトノエルをつくる」ことです。そのためには資金調達や上場なども視野に入るかもしれません。日本中の誰もが知る店、会社にしていきたいと思っています。

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