子育てと逆境を力に変える──“開運ネイル”で心に寄り添うサロンのかたち

VenusTotalBeauty 代表 齋藤 歩 氏

子育てと仕事の両立に悩む中から、自らの手で道を切り拓いてきた齋藤歩氏。ネイルという枠にとどまらず、「心に寄り添う存在」として独自の価値を生み出しています。本記事では、開運ネイルという独自サービスの背景や、経営に込めた想い、そして今後の展望について伺いました。

開運ネイルで“お守り”のような価値を届ける事業

――現在の事業内容について教えてください。

私は大阪の淡路でネイルサロンを運営しています。特徴は、一般的なネイルではなく「開運ネイル」というサービスを提供している点です。

ジェルネイルの中にパウダー状のパワーストーンを練り込んでいて、見た目の美しさだけではなく、お守りのような意味合いを持たせています。お客様の願いや状況に寄り添いながら施術することも多く、その人にとって意味のあるネイルになるよう意識しています。

――他社との違いはどこにありますか。

単純に可愛くするためのネイルではなく、気持ちを支える存在として選んでいただける点が特徴です。勝負を決めたいときや大事なタイミングで選ばれることも多く、そういった意味でも唯一無二の商品だといえます。

ネイルという形を通して、その人の背中を押す役割を担っています。見た目だけでなく、気持ちの面にも寄り添える存在であることが、大きな違いです。

――現在の運営体制について教えてください。

店舗は1つで、スタッフと2人で運営しています。大きく展開しているわけではありませんが、その分一人ひとりのお客様としっかり向き合うことができています。来ていただくお客様に対して、ただ施術するのではなく、その人の状況や気持ちに寄り添いながら対応することを大切にしています。

専業主婦からの挑戦──自分で生きるための選択

――創業のきっかけを教えてください。

もともと何かやりたいという気持ちはありましたが、専業主婦からのスタートでした。当時子どもが3人いて、熱を出したりするとすぐに迎えに行かないといけない状況で、外で働くのは難しかったんです。

誰かに頼るのではなく、自分でできることをやるしかないと考えたのがきっかけでした。自分でできる働き方を考える中で、起業という選択にたどり着きました。

――なぜネイルを選んだのですか。

特別な資格もなく、自分に何ができるか考えたときに、ネイリストの友人から「6帖のスペースがあればできる」と聞いたことが大きかったです。

美容も好きでしたし、それが一番早く自立につながる方法だと思い、ネイルを始めました。小さなスペースからでも始められるという点も、自分の状況に合っていると感じましたし、まずは一歩踏み出すことを優先しました。

――これまでの転機について教えてください。

マンションサロンから店舗に移ったタイミングや、子どもが増えていく中での経験が大きな転機です。

産後うつを経験したとき、自分自身が本当に救われたいと思っていました。そのときに、同じように苦しんでいる人がいるのではないかと考え、その人たちを救いたいという気持ちが生まれました。この想いが、今の事業の軸になっています。自分の経験が、そのまま誰かの支えになると気づけたことが、大きな変化だったと感じています。

現場に立ち続ける理由──経営と子育ての共通点

――組織運営で大切にしていることは何ですか。

現場に立ち続けることを大切にしています。実際にお客様と接していないと、リアルな声や細かな変化には気づけません。一度、任せる形も考えましたが、最終的に向かう方向性がずれてしまうと感じました。

だからこそ、自分の目で見て、自分の感覚で判断することを大事にしています。また、想いの部分まで共有することの難しさも感じており、自分自身が体現し続けることで伝えていくことが必要だと考えています。

――経営と子育ての共通点はありますか。

子育ても経営も同じで、トライアンドエラーの繰り返しだと思っています。正解があるわけではなく、その人やその状況に合わせて模索していくものです。やってみて、違ったら修正する、その積み重ねが今につながっています。

それぞれに個性があるように、関わり方も変えていく必要があると感じており、その柔軟さがどちらにも共通していると考えています。

――多くのお子さんを育てながらの経営についてどう感じていますか。

正直に言えば大変なことも多いです。ただ、子どもたちから学ぶことも多く、自分が育てているというより、育てられていると感じる場面もあります。困難な状況であっても、それが自分の気づきや成長につながっていると実感していますね。

一つひとつの経験が今の考え方や仕事にも影響しており、どんな状況も無駄ではないと捉えながら向き合っています。

医療と美容をつなぐ挑戦──届かない人に届けたい

――今後の展望について教えてください。

困っている人や苦しんでいる人を助けたいという気持ちは、仕事をするうえでの原動力です。今後は医療と美容をつなぐ取り組みをしていきたいと考えています。これまでのネイルという枠にとどまらず、より広い形で人の役に立てることを目指しています。

見た目を整えるだけでなく、心の部分にも寄り添えるような存在として、自分にできる形で広げていきたいと考えています。

――その背景にはどのような経験がありますか。

子どもが病気を持って生まれたことで、医療の現場と関わる機会が増えました。その中で、親が自分のことを後回しにしてしまう現実を知りました。本当は美容室に行きたい、ネイルをしたいと思っていても、それができない状況があります。

そうした人たちに、少しでも自分に戻る時間を提供したいと考えるようになりました。自分自身が感じた不安や葛藤があったからこそ、同じ立場の人に寄り添いたいという気持ちが強くなりました。

――現在の課題は何ですか。

医療機関との連携が現在の大きな課題です。病院や医師とのつながりをどのように築くかが、今後の鍵になります。こうした活動自体がまだ十分に知られていない現状もあります。

まずは存在を知ってもらうことが欠かせません。そのためにも発信の方法や機会を増やし、より多くの人に届けていく必要があります。今後は、その認知を広げていくことが大きなテーマです。

ワクワクを選ぶ人生──後悔しない選択を

――大切にしている価値観と、その背景にある想いを教えてください。

人生の選択に迷ったときは、無難な方ではなく、自分がやりたいと思う方を選ぶようにしています。損得ではなく、自分の気持ちに正直でいることを大切にしています。その理由は、自分の人生を後悔したくないという思いがあるからです。どんな結果になったとしても、自分で選んだ道であれば納得できますし、これまでの選択を振り返っても後悔はありません。

――読者へのメッセージをお願いします。

環境や状況を理由に諦めるのではなく、自分がどうしたいのかを大切にしてほしいです。どんなときも自分に問いかけながら選択していくことが大事だと思います。自分らしく生きることを大切にしてほしいです。

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