「楽しい・嬉しい」を技術で形に。元任天堂のDNAとAIを駆使し、伴走型開発コンサルティングでITのミスマッチを解消する
株式会社ワンビッツ 代表取締役 西川 直剛氏
デジタルスタンプラリーやクーポン企画、高齢者向けのUDスポーツ、そしてプログラミング教育。多岐にわたる事業を展開する株式会社ワンビッツの根底には、一貫して「楽しいことで世の中を明るくしたい」という純粋な想いがあります。代表の西川直剛氏は、小学生時代にコンピューターの可能性に魅了されて以来、独学でスキルを磨き上げてきた生粋のフルスタックエンジニアです。
昨今、IT開発における「発注側と制作側のミスマッチ」が社会課題となる中、西川氏は持ち前の幅広い技術知見と、元任天堂のクリエイターらとの強力なネットワークを武器に、顧客の想いを形にする「伴走型コンサルティング」に注力しています。単なるシステムの構築にとどまらず、ユーザーインターフェース(UI)の細部にまで「遊び心」と「使いやすさ」を宿らせるその手法は、多くのクライアントから絶大な信頼を寄せられています。技術の進歩を誰一人取り残さない、温かなデジタル社会の実現を目指す西川氏の歩みと、これからの挑戦について話を伺いました。
目次
フルカスタマイズの企画開発で「驚き」と「喜び」を。世の中を照らすワンビッツの挑戦
——株式会社ワンビッツの事業内容と、掲げられている理念について教えてください。
弊社は、デジタルスタンプラリーやクーポンサービスの企画・開発・運営を軸に、ユニバーサルデザイン(UD)スポーツの提供やプログラミング教育支援など、デジタルとリアルを融合させた幅広い事業を展開しています。最大の特徴は「フルカスタマイズ」であることです。パッケージ化された既製品を売るのではなく、お客様の要望を一から聞き出し、共に作り上げていくスタイルを大切にしています。
根本にある理念は、「楽しいこと、嬉しいことで世の中を明るくしたい」という想いです。例えばスタンプラリー1つとっても、単に印を集めるだけでなく、アニメーションが動くなどド派手な演出を加えることで、参加者にワクワクを提供します。また、高齢者施設向けのUDスポーツでは、認知機能や体力の維持を「楽しみながら」行えるよう工夫しています。誰もが安心して楽しく働ける職場、そしてサービスを通じて笑顔が広がる社会。それがワンビッツの目指す姿です。
算数嫌いの少年が夢見た「魔法の箱」。独学で築いたエンジニアとしての誇り
——西川代表がこの道に進まれたきっかけや、大切にされている価値観を教えてください。
きっかけは小学生の頃、マンガ雑誌で「世界初のワンボードコンピューター」の記事を目にしたことでした。「これがあれば何でもできる」という魔法のような言葉に、算数嫌いだった僕は強く惹かれました。そこから独学でプログラミングを始め、中学生になる頃には自力でプログラムを組めるようになっていました。
キャリアを通じて大切にしているのは、「相手の立場に立ち、本質的な価値を提供すること」です。エンジニアの世界には「言われた通りに作る」という風潮もありますが、私は違います。お客様の要望の奥にある意図を汲み取り、プロの視点から「より良く、より楽しくなる」提案をすることを信条としています。また、経営判断の軸としては、自分や社員に無理な負担をかけず、世の中の役に立つと確信できるものを優先しています。
元任天堂のレジェンドらと共創。リスペクトと「遊び心」が最高のUIを生む
——少数精鋭で運営されていますが、外部パートナーとのコミュニケーションで工夫されていることはありますか。
現在は私と家内の2名がメインですが、プロジェクトに応じて非常に優秀な外部パートナーとチームを組みます。特に企画やデザインに関しては、元任天堂の「ゲーム&ウオッチ」開発に携わったレジェンドのような先輩に協力をお願いしています。彼らの発想力は凄まじく、例えば高齢者向けアプリの決定ボタンを「OK」ではなく「よし」とするような、心に響くユーザーインターフェース(UI)を提案してくれます。
チーム運営で心がけているのは、徹底したリスペクトです。相手の技術や経験を尊重しつつ、意見がぶつかる際も「人格攻撃」にならないよう細心の注意を払います。専門用語を使わず、誰もが直感的に理解できる言葉でゴールを共有する。このフラットで遊び心のある関係性が、結果として使う人を幸せにするプロダクトに繋がると信じています。
どのような形になるかはまだ分かりませんが引退されたエンジニアの方や首切りにあった方などお声がけし人員確保というのも課題ではあります。
ITのミスマッチをゼロに。熟練エンジニアの再雇用と「国産カカオ」が描く新境地
——今後の展望や、新たに取り組もうとされている挑戦について教えてください。
現在、特に注力しているのが「アプリ開発コンサルティング」です。ITに詳しくない発注者と開発側のミスマッチで、多額の費用をかけても失敗してしまうケースを数多く見てきました。そこを私が間に入り、技術的な交通整理からマネジメントまでを一貫して担うことで、開発の成功率を劇的に高めたいと考えています。また、大手企業の早期退職などで現場を離れた優秀なシニアエンジニアを、このコンサルティングチームに招き入れ、彼らの知見を再び社会に還元する仕組みを作ることが目標です。
さらに、全く別軸の挑戦として「カカオ栽培を通じた村づくり」も計画しています。希少な国産カカオを有機栽培し、性別・年齢・障害の有無に関係なく、誰もが自分にできることで楽しく働けるコミュニティを創りたい。山鹿市でのプログラミング授業も含め、地域の特産品とデジタルを掛け合わせることで、全国の地方を元気にしていきたいですね。
きゅうりの栽培から始まる「究極の料理」。原理原則を愛するプライベートのこだわり
——お忙しい中でのリフレッシュ方法や、趣味についてお聞かせください。
趣味は料理と園芸です。どちらも根本は同じで、「一から作り上げる」ことに喜びを感じます。最近では、どうしても「きゅうりのキューちゃん」を自作したくて、きゅうりの栽培から始めました。塩漬けの工程からこだわりがあります。