子どもたちの未来に向き合う――Growing Effortsが描くバスケットを通じた育成と挑戦
株式会社Growing Efforts 代表取締役 黒岩 元希氏
株式会社Growing Effortsは、バスケットボールを軸に子どもたちの育成やスポーツ環境の提供に取り組む企業です。スクール運営や指導者の派遣、イベント開催などを通じて、地域の子どもたちがスポーツに触れる機会を広げています。自身の競技経験を活かしながら、子どもたち一人ひとりに寄り添う指導を実践しています。本記事では、代表取締役の黒岩 元希氏に事業の背景や経営への想い、今後の展望について伺いました。
子どもたちにスポーツの機会を届けるスクール事業
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
もともとは個人でバスケットボールのスクール事業やイベントの開催を行っていました。現在は法人化し、複数のトレーナーとともに活動しています。主に小中学生を対象に、さまざまな地域で指導を行っています。
特徴としては、子どもたちに集まってもらうのではなく、指導者が各地へ足を運ぶスタイルをとっている点です。これにより、時間や距離の制約でスポーツに取り組めない子どもたちにも機会を提供できるようにしています。
――事業を始めた背景や想いを教えてください。
近年、学校の部活動が縮小し、外部委託が進む中で、子どもたちがスポーツに触れる機会が減ってきています。学校の先生だけで指導することが難しい状況もあり、専門的に教えられる環境が不足していると感じていました。
バスケットをもっとやりたいと思っている子どもたちがいても、環境が整っていないために続けられないケースもあります。そうした子どもたちに対して、指導者が直接現地に行くことで、少しでも環境を整えたいという想いでこの事業を始めました。
プレイヤーから指導者へ――経験を未来につなぐ決断
――経営者になられた経緯を教えてください。
もともとは学校の先生を目指していましたが、バスケットボールを通じてさまざまな経験をする中で、海外挑戦やプロとしての活動も経験しました。その中で、子どもたちにバスケットを教えたいという想いが強くなりました。
学校という枠にとらわれず、別の形で子どもたちに関わることができるのではないかと考え、指導者としての道を選びました。子どもたちが一箇所に集まるのではなく、自分が各地へ行く形で環境をつくりたいと考え、事業をスタートしました。
――法人化のきっかけについて教えてください。
当初は個人で活動していましたが、一緒に取り組む仲間が増えてきたことが大きなきっかけです。コロナ禍という厳しい状況ではありましたが、協力してくれる人たちを守る必要性を感じ、法人化を決断しました。
事業としては収益面での難しさもありますが、子どもたちだけでなく、一緒に働く仲間の存在も大切にしたいという想いが強くありました。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
子どもたち一人ひとりに対して責任を持つことです。私たちにとっては短い期間でも、子どもたちにとっては人生の中で重要な時間です。その時間に関わる以上、最後まで責任を持って向き合いたいと考えています。
たとえ少人数のスクールであっても、簡単にやめるのではなく、できる限り継続し、サポートしていきたいという想いがあります。
主体性を尊重する組織づくり
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在は社員3名で運営しています。それぞれがトレーナーとしての役割を持ちながら、現場ごとに判断して行動してもらっています。代表としての立場はありますが、細かく指示を出すのではなく、各自の判断を尊重しています。
社内でのコミュニケーションでは、小さなことでも共有することを大切にしています。保護者からの意見や現場での出来事など、気づいたことは都度共有するようにしています。定期的なミーティングだけでなく、日常的なコミュニケーションを重視しています。
――どのような人材と一緒に働きたいですか。
まずは同じ方向を向ける人です。子どもたちの成長や環境づくりに対して、責任を持って向き合える人と一緒に働きたいと考えています。
スキルや経験も大切ですが、それ以上に想いや姿勢を重視しています。コミュニケーションを大切にしながら、子どもたちのために行動できる人を求めています。
環境の変化を追い風に、新たな展開へ
――今後の展望や挑戦について教えてください。
今後はフランチャイズのような形で事業を広げていくことも検討しています。この事業は人に大きく依存するため、同じ想いを持つ人材が不可欠です。そうした仲間を増やしながら、活動の幅を広げていきたいと考えています。
また、スクール以外にもウェアの販売やイベントなどに挑戦してきましたが、現時点では模索段階です。今後は事業の軸を見極めながら、持続可能な形を模索していきたいと考えています。
法人化したことで固定費も増え、余裕がある状態ではありません。新たな挑戦をするための投資も難しい状況にあるため、融資や助成金を活用しながら、少しずつ前に進めていきたいと考えています。
――業界の今後についてどのように見ていますか。
部活動の縮小が進む中で、スクールやクラブチームの重要性は今後さらに高まると感じています。一方で、クラブチームは競技レベルが高く、誰でも参加できるわけではありません。
そのため、より多くの子どもたちがスポーツに触れられる場として、スクールの役割はますます重要になると考えています。
挑戦を続ける姿勢が未来を切り拓く
――影響を受けた考え方について教えてください。
バスケットボール選手の言葉から影響を受けました。周囲から「無理だ」と言われても、それはあくまで他人の基準であり、自分の可能性を決めるものではないという考え方です。
自分の挑戦を周囲の声で諦めるのではなく、信じて続けることの大切さを学びました。この考え方は、今の活動にもつながっています。
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
現在はほとんど休みがなく、日々バスケットの指導に向き合っています。仕事と感じるというよりも、自分のやりたいことを続けている感覚に近いです。
体力的に大変なことはありますが、この活動を続けられていること自体にやりがいを感じています。