品質とスピードで顧客満足を追求する――“ものづくりのコンビニ”を目指す経営哲学とは

株式会社アダムトライアルマネジメント 代表取締役社長 CEO 川原孝仁氏

株式会社アダムトライアルマネジメントは、ものづくりを軸としながらも、単なる製造業にとどまらず「サービス業」としての価値提供を追求する企業です。設立から5年を経て、社員数は22名に増加。幅広い業界に対応しながら、品質・スピード・柔軟性を武器に成長を続けています。本記事では、代表取締役社長CEO川原孝仁氏に、同社の特徴や経営観、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。

品質を軸にした差別化と事業の特徴

――現在の事業の特徴や強みについて教えてください。

設立から5年が経ち、次の4月で6年目に入ります。社員数も増え、現在は22名体制となりました。当社の特徴として大きいのは、「ビジネスサービス部」というマネジメント部隊を設けている点です。これは社内外問わず、提供するサービス全体の品質を管理・向上させるための組織です。

ものづくり企業である以上、製品品質は当然重要ですが、それだけでは不十分です。営業の対応スピードやレスポンス、顧客への説明の正確さなど、あらゆる接点における品質を重視しています。例えば「電話に出ない」「対応が遅い」といった不満も含めて、サービス全体の品質として捉えています。

この部隊は直接利益を生むわけではありませんが、あえて投資しています。中小企業にとって非収益部門への投資は簡単ではありませんが、ここが他社との差別化になっていると考えています。

――事業の幅についてはいかがでしょうか。

業界は多岐にわたり、現在は100社以上と取引しています。非常に小さな案件から大規模なものまで幅広く対応しており、信頼を積み重ねてきました。

「夢」と「ロジック」で導く経営

――理念やビジョンに込めた想いを教えてください。

当社には「ポジティブ・ドリームス・リスペクト」という3つの社是があります。中でも大切にしているのが「夢を持つこと」です。夢というと大きく聞こえますが、つまりは目標です。ゴールを明確にし、そこから逆算して道筋を描くことが重要だと考えています。

トップダウンでロードマップを設定し、1年・半年・3ヶ月と段階的に達成すべき目標を定める。その積み重ねが結果につながります。実際に私自身も「自社ビルを建てる」という目標を掲げ、それを実現してきました。社員には言葉だけでなく、自分の行動で示すようにしています。

――経営判断の軸について教えてください。

最も重視しているのは「数字」です。新しい取り組みを行う際も、必ず収支や見通しをロジカルに判断します。そこに感情は入れません。私は情のある人間ですが、経営判断においてはあえて排除しています。

お金を使うことに対しては非常に慎重です。確実に結果が出ると判断できる場合のみ動く。この姿勢が経営の安定につながっていると考えています。

組織は“家族”のように、そして挑戦できる環境へ

――組織運営で意識されていることは何ですか。

風通しの良さを大切にしています。例えば、社員は私の給与や領収書、会社の売上や粗利まで確認できる状態にしています。透明性を高めることで、会社の状況を全員が理解できるようにしています。

また、社員同士の関係性も非常に良好です。休日に一緒にキャンプに行くなど、家族のような関係を築いています。私自身も社員と日常的に会話をする時間を意識的に作っています。

――人材採用で重視している点はありますか。

「この人と働きたい」という基準はあえて設けていません。自分の好みで判断すると組織が偏ってしまうからです。むしろ、自分とは異なるタイプの人材が入ることで新しい価値が生まれると考えています。

実際に個性的な社員が入社したことで、職場の雰囲気が明るくなったケースもあります。多様性が組織に良い影響を与えると感じています。

――社内文化について教えてください。

挑戦しやすい環境だと思います。社員がやりたいことに対して否定せず、まずはやらせるようにしています。多少荒削りでも、経験を通じて成長することが重要です。

また、従来の製造業のあり方にも疑問を持っています。図面通りに作るだけでなく、営業やシステムと連携し、新しい価値を生み出す取り組みを進めています。

“ものづくりのコンビニ”という未来像

――今後の展望について教えてください。

最終的にはホールディングス化を目指しています。そして「ものづくりのコンビニ」のような存在になりたいと考えています。特定分野に特化するのではなく、「ここに頼めば何でもある」と思ってもらえる会社です。当社は付加価値をつけて高く売るというよりも、「安く・早く・顧客が満足する」ことを重視しています。ものづくりを手段として、顧客満足を追求するサービス企業でありたいと考えています。

――業界の今後についてどう見ていますか。

製造業は厳しい状況にあるという声も多く、実際に廃業する企業も増えています。しかし、ものづくり自体がなくなることはありません。正しいやり方をすれば、継続は可能だと考えています。

当社は創業2年目以降、黒字経営を継続しており、順調に成長しています。環境に左右されるのではなく、自らのやり方を磨くことが重要です。

――現在の課題について教えてください。

課題は常にありますが、現在は「守りの強化」がテーマです。来期は売上目標を据え置き、内部体制の強化に注力します。法令対応や社内ルールの整備、AI導入による効率化など、基盤を固める一年にしたいと考えています。

創業者への敬意と、自らの挑戦

――影響を受けた人物について教えてください。

創業者に強い尊敬を抱いています。ゼロからイチを生み出すことは非常に難しい。その価値を実感しているからこそ、同じ立場の人たちに共感しています。

――リフレッシュ方法について教えてください。

基本的に会社にいることが多く、明確な休日は設けていません。ただ、車やバイクが好きなので、そういった時間がリフレッシュになっています。また、会社の自室でプラモデルを作ることもあります。

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