個性を輝かせ、自己肯定感を育む。色彩教育が拓く「自分らしく生きる」社会への道
特定非営利活動法人色彩生涯教育協会 代表理事 高田裕子氏
「色」は単なる視覚情報ではなく、その人自身の「個性」を表すもの。特定非営利活動法人色彩生涯教育協会(CLE協会)は、色彩学を通じて自己理解を深め、全世代の自己肯定感を高めることを目的に活動しています。代表の高田裕子氏は、20代という若さで色彩の民間資格を自ら構築し、社会的な信頼を築くためにNPO法人を立ち上げた情熱的なリーダーです。
現在、同協会が発行する資格取得者は1,700名を超え、その活動は教室の中だけに留まりません。中学校・高校への出前授業、フリースクールでの資格取得支援、高齢者施設での色彩レクリエーション、さらには乳がん検診を啓発するピンクリボン運動など、「学びを社会貢献にアウトプットする」という独自のサイクルを確立しています。文部科学大臣賞を3度受賞するなど、教育団体としての信頼も厚い同協会が目指す、色彩教育の未来と「自分色」で輝く社会の在り方について伺いました。
目次
色彩を武器に社会へ貢献する「アウトプット型」モデル
——御社の事業内容と、NPO法人として大切にされている活動のサイクルについて教えてください。
当協会は、パーソナルカラーアナリストなどの色彩に関する民間資格の発行と、公的な色彩検定の指導を行う教育団体です。最大の特徴は、資格を取って終わりではなく、その知識を「社会貢献」としてアウトプットする場を重視している点にあります。
具体的には、中学校の家庭科の教科書にパーソナルカラーの内容が導入されたことに伴い、先生方に代わって当協会の講師が全国の中高へ出前授業に伺っています。また、フリースクールの子どもたちへの色彩検定指導、高齢者施設での色彩レクリエーション、企業向けの女性福利厚生セミナーを通じたピンクリボン運動など、多岐にわたる活動を行っています。色を学ぶことで自分自身の個性に気づき、自己肯定感を高めた方々が、今度はその力を使って誰かの役に立つ。この循環こそが、私たちの存在意義です。
100人の壁を乗り越えた執念のスタート
——20代で協会を立ち上げられたとのことですが、経営の道に進まれたきっかけや当時の苦労をお聞かせください。
最初は、自分が取得したパーソナルカラーの技術を活かして独立したいと考えたのが始まりでした。ただ、個人客を相手にするだけではビジネスとして不安定だと感じ、企業研修や学校教育に導入してもらうための「資格」を自ら作ったんです。24歳の時、意気揚々と企業に売り込みに行きましたが、「個人が発行する資格なんて信頼できない」と一蹴されてしまいました。
そこで、社会性を担保するためにNPO法人を立ち上げましたが、今度は「有資格者が100人以上いないとビジネスとして成立しない」と言われ……。当時は私一人でしたから、気が遠くなるような思いでしたが、一人ずつ丁寧に仲間を増やし、今では1,700人を超える組織に成長しました。立ち上げの動機は「自分の技術に社会的な信頼を与えるため」という切実なものでしたが、そのプロセスが今の強固な基盤を作ったのだと感じています。
理念としてはパーソナルカラーというものは個性だと考えています。隠れた個性などを見つけ自己理解を深めて社会に関わる力を育てることが大切だと考えています。
深める進化と、進む進化。変化を恐れない組織へ
——現在、230名の講師陣を抱えていらっしゃいますが、組織運営において大切にされているコミュニケーションは何でしょうか。
私たちは「現状維持は退歩である」と考え、常に「より良くするための改善」を最優先にしています。事務局や講師陣には、時代や環境の変化に合わせて「何か変えた方がいいこと」があれば、率先して意見を出してほしいと伝えています。
一緒に働きたいと思うのは、自分の頭で考え、そのアクションが「誰の役に立ち、必要とされ、感謝されるか」という軸からズレない人です。学びを「深める進化」と、活動を前に「進める進化」。この両輪を回しながら、自律的に判断できるプロフェッショナルな集団でありたいと考えています。スタッフ同士が刺激し合い、常に新しいチャレンジができる雰囲気作りを意識しています。
信頼を積み重ね、2030年への架け橋に
——今後の展望や、新たに取り組んでいきたい挑戦について教えてください。
現在取り組んでいる中高への出前授業をさらに発展させ、大学の正規カリキュラムの中に当協会の色彩プログラムを導入することを目指しています。学生たちが在学中に資格を取得し、社会に出た際にその知識をコミュニケーションや自己理解のツールとして活用できる仕組みを作りたいと考えています。
学校教育への導入には、何よりも「信頼」が必要です。幸い、当協会は色彩検定の教育実績が評価され、文部科学大臣賞を3度受賞することができました。また、現在はSDGs(持続可能な開発目標)のパートナーとして法政大学や関西大学とも連携を始めています。2030年に向けて、これらの大学とのパートナーシップを深め、教育現場での実績と信頼をさらに積み重ねていくことが、次なる大きな挑戦です。
人生を変えた「失恋」と、最良のパートナー
——高田代表の価値観に大きな影響を与えた出来事や、お休みの日の過ごし方について教えてください。
実は、私の原動力は学生時代の「失恋」にあるんです。当時の彼に「夢や目標がないから魅力がない」と振られたことが、コンプレックスを克服して夢を見つけたいと自分を奮い立たせるきっかけになりました。その後、28回も告白し続けて、10年後にその彼と結婚できたのですが、主人は常に新しい視点をくれる、最も尊敬する存在です。
現在は海外に拠点を置いていますが、忙しい日々のリフレッシュには週2回のテニスが欠かせません。頭をフル回転させる仕事なので、体を動かすことや、月に一度のヘッドマッサージやエステなどで癒やされる時間が、次の活力になっています。