技術を“積み上げる”ことで会社は続く──インフラの現場から描く、次世代へつなぐ経営

株式会社ヤングライフプロポーサル 代表取締役 葛山晃守 氏

ITインフラの構築を軸に、大規模ネットワークの設計から保守までを一貫して手がけてきた株式会社ヤングライフプロポーサル。官公庁や大学、病院などを支える同社は、どのような価値観で事業を続けてきたのか。本記事では、創業の背景から組織づくり、そして未来への展望について葛山晃守氏に伺いました。

インフラを支えるという責任──事業の現在地

――現在の事業内容について教えてください。

創業当初から一貫して、ITインフラの構築を中心に事業を行っています。要件定義や企画の段階からお客様と一緒に進めて、設計・構築、そして保守まで一通りを担うのが基本のスタイルです。

特に企業内ネットワーク、いわゆるLANの構築を主としていて、大学や官公庁、病院、テレビ局など、比較的大規模なネットワークを扱うことが多いですね。ネットワークは、どんなシステムがあってもつながらなければ意味がない。だからこそ、表に出にくい領域ではあるものの、社会を支える基盤としての責任を感じながら取り組んできました。

実際に現場では、何事もなく動き続けることが求められます。トラブルが起きないことが評価になる仕事なので、目立つことは少ないですが、その分一つひとつの設計や構築に対して妥協はできません。そうした積み重ねが信頼につながってきたと感じています。

――他のIT分野と比べた特徴はありますか。

創業当時は、インフラ分野はまだ情報も少なく、エンジニアも多くない領域でした。調べれば何でも出てくる時代ではなかったので、トライアンドエラーで技術を身につけるしかなかった。機械と向き合いながら積み重ねていく感覚でしたね。

今は環境も整ってきましたが、その分野としての専門性や責任の重さは変わらないと思っています。むしろ社会インフラとしての重要性は増していると感じていて、求められるレベルも高くなっていると実感しています。

「自分の価値で勝負したい」──創業の原点

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

27歳のときに、前社長と2人で創業しました。社会人になって3年ほどエンジニアとして働く中で、お客様から「ありがとう」と言っていただく機会が増えていったんです。そのときに、それが会社の看板によるものなのか、自分自身の力なのかをはっきりさせたいと思うようになりました。

自分が良いと思えるサービスでお客様に喜んでもらえる。その実感を、自分の責任のもとで確かめたいという思いが強かったですね。

もう一つは、仕事そのものを楽しめる環境をつくりたいという気持ちです。自分だけでなく、一緒に働く仲間も同じようにやりがいを感じられるような会社にしたい。そんな思いでスタートしました。

当時は明確な経営戦略があったというよりも、目の前の仕事に真剣に向き合い続ける中で形になっていった感覚に近いです。だからこそ、今振り返ると、あの時の感覚が今の会社の軸になっていると感じています。

――大切にしている価値観は何でしょうか。

「お客様に感謝されること」と「自分たちの価値を高めること」、この2つは創業当時からずっと変わっていません。

社内でも、社員一人ひとりが自分の価値をどう高めるかを考え、行動する仕組みをつくっています。それが結果として会社の強みになり、お客様への価値提供につながると考えています。

単に技術を提供するだけでなく、「この人に任せたい」と思ってもらえる存在になること。その積み重ねが、会社としての価値を形づくっていくと考えています。

人を育てることが会社の力になる──組織づくりの考え方

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在は約40名の体制で運営しています。特徴としては、中途採用よりも新卒採用の比率が高く、未経験から育てていくことを重視しています。

インフラエンジニアはもともと数が多い職種ではないので、外から経験者を集めるだけでは限界がある。だからこそ、自社で育てることに意味があると考えています。

育成には時間がかかりますが、その分だけ会社の中に技術や考え方がしっかりと蓄積されていく。そのプロセス自体が会社の財産になっていると感じています。

――働き方や事業の進め方に特徴はありますか。

基本は請負での案件が中心です。いわゆる派遣型ではなく、自社で案件を受けてチームで取り組む形を大切にしています。

そのほうが、エンジニア同士の連携も深まりやすいですし、技術の蓄積にもつながる。人を“出す”のではなく、“育てる”ことが会社の力になるという考え方です。

また、同じ空間で仕事を進めることで、日常的なコミュニケーションが自然と生まれます。その中で学び合い、支え合う関係性ができていく。それが結果として組織の一体感にもつながっていると感じています。

営業についても、いわゆる新規開拓を積極的に行うスタイルではありません。長くお付き合いしているお客様との信頼関係を軸に、一つひとつ積み上げてきました。その結果として、23年続いているのだと思っています。

会社を“次につなぐ”ために──2034年への挑戦

――今後の展望について教えてください。

2034年に向けた経営ビジョンとして、売上10億円、粗利1億円、社員100名という目標を掲げています。ただ、この数字そのものが目的ではありません。

本質は「会社を存続させること」です。創業から30年のタイミングで経営を次の世代へ引き継ぐことを見据えています。自分がいなくなっても続く会社をつくる、それが創業者としての責任だと思っています。

そのためには、単に規模を拡大するだけでなく、組織として自走できる状態をつくることが必要だと感じています。人が変わっても続く仕組みを整えることに、今は意識を向けています。

――現在の課題は何でしょうか。

一つは人材不足、特に技術者の確保と育成です。それに加えて、次の世代を担う経営幹部の育成も大きなテーマになっています。

さらに、AIの台頭も無視できません。インフラ領域であっても影響は出てくると考えています。その中でどう価値を発揮し続けるのか、向き合い方を模索しているところです。

変化に振り回されるのではなく、変化を受け止めながら自分たちの強みをどう活かしていくか。その問いに向き合い続けることが、今の経営に求められていると感じています。

家族との時間と積み重ねの価値──仕事を離れた先に見えるもの

――仕事以外の時間はどのように過ごされていますか。

昔は岐阜の山で登山を楽しみ、槍ヶ岳や穂高にも登っていました。自然の中で自分と向き合う時間が好きでした。現在は子どもがまだ小さく、週末は家族と過ごすことが中心です。旅行にもよく出かけており、日常から少し離れることで気持ちが切り替わり、仕事に向き合う感覚も整っていきます。

――これから挑戦する方へメッセージをお願いします。

チャレンジと同じくらい「続けること」に価値があります。中小企業にとって急成長はリスクも伴い、その影響は社員にも及びます。だからこそ小さな一歩を積み重ねることが重要です。日々の積み上げを続ける姿勢が、長く続く会社をつくっていきます。これからも一歩一歩、着実に積み重ねていくことを大切にしていきたいです。

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