制約をチャンスに変える提案力――NEXXTが描く事業の広がりと挑戦

株式会社NEXXT 代表取締役 幸野 剛士氏

株式会社NEXXTは、Webサイト制作を中心に、要件整理や情報設計、プロジェクトの進行・納品まで一貫して手がける会社です。近年は業務系システム開発にも取り組みながら、BtoB領域を中心に実績を重ねています。提案力とスピードを武器に、自身の強みを着実に事業へとつなげてきた幸野氏。その背景には、起業へ向かわせた原体験や、仕事に対する独自の価値観がありました。本記事では、事業の強みや起業の原点、コミュニティ運営への思い、今後見据える新たな挑戦について伺いました。

BtoB領域に強みを持つWeb制作と開発事業

――現在の事業内容について教えてください。

主にWebサイト制作を中心に行っています。最近では開発案件も手がけていますが、いずれの場合も要件の整理や情報設計、プロジェクトの進行管理といった部分が軸になっています。

開発に関しては、一般のユーザー向けというよりも、業務で使うツールのようなものが多く、車関係のソフトウェアなど、業務系のシステムに近い領域が中心です。

――お客様は、どのような業種の方が多いのですか?

業種はさまざまですが、全体としてはBtoBのお客様が多いと感じています。最近では、飲食関係の上場企業やコンサル会社、車関係、カーリース会社などからの依頼もあります。

BtoCのお客様もいますが、これまでBtoBを得意とする会社で経験を積んできたこともあり、私の提案も自然とBtoB寄りになります。そのため、引き合いもBtoB寄りの案件が多くなっている印象です。

――他社との違いや強みはどのような点にありますか?

提案のスピードと内容には自信があります。コンペでの資料作成やプロジェクトの進め方の提案については、前職で徹底的に鍛えられました。

短い時間でも質の高い提案を出せる点は、他社との差別化につながっていると感じています。

原体験と働き方への違和感から選んだ起業の道

――経営者になられたきっかけを教えてください。

シンプルに言うと、お金をたくさん稼ぎたいという思いがありました。幼少期に経済的な苦労を経験してきたこともあり、その気持ちは今も根底にあります。

また、仕事自体は好きで、朝から晩まで働くことも苦ではありませんでした。

ただ、それだけやっても給与が大きく変わらないことに違和感を覚え、「自分の裁量で収入をコントロールできる環境の方が面白い」と感じて独立を決めました。

――幼少期の経験はどのような影響を与えていますか?

母子家庭で5人兄弟という環境で育ち、周囲の人が当たり前に経験していることをほとんど経験していませんでした。家族旅行や新しいゲームなどもなく、それが日常でした。

当時はそれが普通だったので特別つらいと感じたことはありませんが、大人になってから周囲との会話で差を感じることがあります。そうした背景が、お金に対する考え方や働き方の選択に影響していると感じています。

一人を軸に外部と連携する柔軟な組織運営

――現在の組織体制について教えてください。

基本は私一人でやっています。そこに案件ごとで必要なデザイナーやエンジニアが加わる形です。

その際は、知り合いの会社に依頼をして、一緒にチームとして取り組んでいます。固定の大きな組織を持つというよりも、案件に合わせて必要な体制を組みながら進めている状況です。

――法人化までの経緯について教えてください。

最初はフリーランスとして約7ヶ月活動した後、法人化しました。法人化してからは1年ほど経過しています。

フリーランス時代も含めると、現在の形になってからは1年半という状況です。

コミュニティとAI活用で広げる事業の可能性

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

会社とは別に、クリエイター向けのオンラインコミュニティを運営しています。現在は約1,300人が参加しており、スポンサーもついています。地方でイベントも開催しており、事業に近い形になっています。

今後はこのコミュニティをさらに活性化させ、日本で一番大きなクリエイターコミュニティにしていきたいと考えています。

また、AIの活用にも関心があり、新しいサービスや売上に直結する仕組みをつくっていきたいと思っています。

――コミュニティ運営の目的や特徴は何ですか?

スキル向上の側面もありますが、もともとの目的は「困ったときに相談できる場所」をつくることです。

仕事の進め方、スキル関係、職場の人間関係など、さまざまな悩みを共有できる環境を提供しています。

もともとの知人や仕事関係のつながりから、イベントを見て共感していただいた方の中からスポンサーという形で協力してくださっている方々もおります。

――今後の売上目標や課題について教えてください。

3年後の売上は、今の3倍くらいを目指したいと考えています。

ただ、そのためには案件獲得が大きな課題です。同業の知り合いはかなり多いのですが、事業会社や発注側とのつながりはまだ多くありません。そこは今後強化していく必要があると感じています。

取り組みとしては、まず知り合いの会社から仕事をいただきながら実績を積み上げ、その実績をもとに事業会社へアピールしていこうと考えています。

また、今はイベントも多数開催しており、そこにはクリエイター以外の事業会社の方が来られることも多いので、これからはそうした方々へのアプローチにも力を入れていきたいです。

Webの先にある挑戦――事業の広がりと価値への向き合い方

――今後どのような会社にしていきたいと考えていますか?

将来的にはWeb制作以外の事業にも取り組んでいると思います。

Web一本では不安定な部分もあるため、AIに代替されにくい対人コミュニケーションを伴うサービスにも関心があります。状況に応じて新しい領域へ広げていく可能性は高いと考えています。

――仕事を通して実現したいことは何でしょうか?

社会全体を変えたいという大きな視点で考えているわけではありませんが、使いづらいツールや見づらいWebサイトは多いと感じています。

そういったものをより使いやすくしていくことは、意義のあることだと考えています。

仲間との時間が生む前進――日常の過ごし方と起業への一歩

――日々の過ごし方の中で、大切にしている時間はありますか?

休みの日も、記事を書いたり次のイベントの企画を考えたりしていて、完全に何もしない日はほとんどありません。そうした毎日の中で大切にしているのは、同じ志を持つ仲間と食事をする時間です。

友人とご飯を食べながら、仕事のことや夢について語り合い、お酒を飲む時間が一番のリフレッシュになっています。気を抜いて休むというよりも、前向きな刺激をもらいながら気持ちを整えることが、自分にとって大事な時間です。

――最後に、これから起業を考えている方へメッセージをお願いします。

起業は思っているほど大変ではないので、早く挑戦した方がいいと思います。特に若いうちは失敗してもやり直しがききます。

迷っているのであれば、まずはやってみることが大切です。早く挑戦し、早く失敗することで、その後の可能性も広がっていくと感じています。

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