人類の幸せのために、エネルギー革命を起こしたい――SG研究所が挑む未来への研究開発
株式会社SG研究所 代表取締役 佐々木 実氏
株式会社SG研究所は、人類の幸福と平和の実現を見据えた革新的なエネルギー技術の研究開発に取り組む企業です。2019年9月に設立され、固体内核融合を軸にした次世代エネルギーの実用化を目指しています。長年研究者として歩んできた佐々木実氏が、自らの知見と信念をもとに立ち上げた同社は、単なる技術開発にとどまらず、社会そのものの在り方を変える可能性を持つ挑戦を続けています。本記事では、株式会社SG研究所の事業の特徴、佐々木氏の価値観、そして未来への構想について伺いました。
人類の幸せのために始めた研究開発
――現在の事業内容や強みについて教えてください。
当社の強みは、国際特許を2つ取得していることです。2019年9月に会社を設立したのは、人類に貢献したい、人類の幸せにつながることをやりたいという思いがあったからです。山形大学にいた頃からいろいろ考えていましたが、その中でも重要なのはエネルギーだと考え、固体内核融合の研究を推進するために会社をつくりました。
資金集めには苦労しましたが、2023年4月から元旅館の一角を使って研究を始めました。今取り組んでいるのは、安全な超小型原子力の研究です。なぜ安全かというと、中性子が出ないからです。原子炉やプラズマ核融合炉では中性子が課題になりますが、そこが大きく違います。
また、「超プロトン伝導体」を発見し、その作り方も考案しました。これは次世代型高性能ポスト・リチウムイオン電池や燃料電池、高温での水蒸気の電気分解などに活用できる可能性があります。
研究所としては特許を2つ出願しているほか、学会発表や論文発表も行っています。昨年9月には幕張メッセの「フュージョン・パワー・ワールド」に出展し、核変換によるものと思われる発熱を展示しました。
――理念やビジョンにはどのような思いが込められていますか。
理念は、人類の幸せと平和のためです。固体内核融合が完成すれば、石油を燃やす必要がなくなります。原料は水です。ほんの少しの水で大きな熱を取り出せる可能性があり、それを熱としても電気としても使える。そうなれば、資源の少ない国でもエネルギーを持つことができ、世界の構造そのものを変えられるかもしれません。
私たちは、エネルギー革命を起こし得る技術を開発していると考えています。
経営の道に進んだ理由と価値観
――経営の道に進まれたきっかけや背景を教えてください。
もともと、人類のために何かしたいという思いがありました。自分の人生の区切りを意識した時に、それまでに人のためになることをやりたいと考えました。
その中で、地球に優しいエネルギーの開発に取り組もうと思ったんです。人生は、自分で決めて進むものだと考えています。
――経営判断の軸となる価値観や信条はありますか。
今はまだ研究開発の段階で、まずは完成させることが第一です。私の中には「第6の波」という考え方があり、そこには原子力と「地球市民」という2つの柱があります。争いごとをなくし、人類が一つになれる方向を目指したい。そのためには共通言語や教育も大事だと考えています。
少人数で進める研究と今後の展望
――現在の組織体制について教えてください。
今は少人数で進めています。アシスタント・リサーチャーがいて、他社の方が週に一回ほど手伝いに来てくれています。学生研究員もいて、だいたい4人くらいの体制です。
――どのような方と一緒に働きたいですか。
やはり原子力やエネルギー、そして私たちのプロジェクトに興味を持って、一緒にやってくれる人がいいですね。関心を持って自分から関わろうとしてくれることが大きいと思います。
――今後取り組んでいきたい挑戦や展開について教えてください。
まずは、今やっていることを完成させ、実用化につなげることです。現在は500円玉サイズほどのテスト素子で実験していて、1000度から1500度ほどの熱が出ています。これを安定的に使えるようにし、熱や電気として活用していきたいと考えています。
この技術の特徴は、小型化やモジュール化ができることです。家庭用の発熱・発電装置にもできますし、公民館や工場に置くこともできます。そうなれば、電力インフラそのものが不要になる可能性があります。特に地方ではインフラ維持の負担が大きいため、大きな意味があると考えています。
また、儲けを独占することを目的にはしていません。最終的には世界に広げていくことが大切です。知財を管理しながら、一部は公開していくことも必要だと思っています。さらに、若い研究者が研究成果を発表できる機会をつくり、その活躍を広く伝える仕組みもつくりたいと考えています。
情熱と挑戦を支える哲学
――ご自身が大切にしている価値観や哲学を教えてください。
まず一番は、情熱こそがすべてだということです。チャンスはどこにでも転がっていますが、それを掴むには広い視野が必要です。何かに没頭することも、人を大きく成長させます。
そして、「オンリーワンになりなさい」ということも大切にしています。ナンバーワンではなく、誰もやらないことをやる。それが本当の強さだと思います。
失敗も、そこから何かを得ることが大事です。同じことでも違った側面から見れば、違った世界が見えてきます。そうした見方を持ち続けることを大切にしています。